初心者の壁 Part 5


アンプ について


 

今回は「Amp」−「ギター・アンプ」の話です。

 

実は・・・この「初心者の壁」を書こうと思った動機が「ギター・アンプに関するネットの記述」でした。あまりにも「無責任な発言」が多すぎて・・・

「これじゃあ、初心者は困るだろうなあ・・・」って思ったのが、書き始める発端だったんです。

 

「エレキ・ギター」 − 今でもこの「呼び名」しかないのがチョット淋しいんですケド(笑)

こいつは基本、「アンプ」がなければ、音は出ません。まあ厳密に言えば、針金を引っかいたような「ペンペン」の音は出ていますが、生ギターのように周りにキチンと聞えるほど大きな音はでません。「アンプリファイヤー」 − 「増幅器」を使って初めて「エレキ・ギターの音」として、認識されます。ということは、絶対に必要な「必需品」?

 

そう、絶対に必要な「必需品」なんですが・・・

  

私は自分の部屋に「アンプ」は置いていません。今現在「ライブで使用できる程度のモノ」は4台所有してますし、みんなが持っているような「小型で5W」程度のフェンダーのアンプも1台。全部で計5台、所有しています。でも、部屋で練習している時に「アンプは使いません」。

必需品なのに???

 

「アンプの音」って、でかいよ〜(笑)。「小型で5Wのフェンダー」ですら、まともにはボリュームを上げられません。近所迷惑になる前に、家族に殺されます(爆)。ハッキリ言って自分でもウルサイです(笑)。ということは、いつ使ってるの???

私にとって「アンプ」といえば、コレ!

フェンダーのツイン・リバーブ。年代・年式・モデルが違ったとしても、一番安心できる、頼りになるヤツ。

レンタルの時はイの一番に「ツイン、ありますか?」と(笑)。

けして、「小さく」も「軽く」もありません。

「部屋でアンプを鳴らす」なんてことは、年に1回あるかないか。ヘタすりゃ「数年間、部屋でアンプを鳴らした事が無い」っていう状態になります。でも・・・どちらかといえば・・・それが「普通」です。

 

こんな言い方をするのは、なんなんだけど・・・あの「小型アンプ」は、「オモチャ」です。現実的には、ほとんど役に立ちません。「アンプに繋いで音作り」とか「エフェクターの調整」なんて、できません。「実践で使う音」−「ライブやレコーディングで使う音」は、ちゃんとしたアンプ−「大型アンプ」で、「実際に使用する音量」まで上げないと、意味がありません。

 

初心者の人、がっかりさせてごめんね。折角、ギターとアンプを揃えて「その気」になってるのに・・。でも私が言いたいのは「小さいアンプは役に立たない」ってことじゃなくて、「小さなアンプにお金を払うぐらいなら、その分いくらかでも高いギターを買ったほうがいい」ってことなんです。この「初心者の壁」で一番言いたかったのが、「コレ」なんです。

 

ネットでよく見る「19800円セット」。ほんとに良く考えられてます。確かにあれを買えば、当面困ることは無いと思います。「替えの弦」も「ピック」も「ストラップ」も「シールド」も「チューナー」も揃ってます。これを買えば「知識の乏しい初心者」の人でも、しばらくはなんとかなります。

でも、ちょっと考えてみて下さい。1万円のギターに、9800円の小物セット・・・

2万円のギター買ったほうが、良くない?(笑)

 

ここまでいろいろ書いてきて、気付いてる人もいるだろうけど、私は「廉価版のギターの味方」はしてるケド、「セットもの」がいい!とは、言ってないよね?

 

逆に言うとさあ、「19800円セット」を買うなら、とりあえず「ギター1万円」+「100円のピック1枚」でも、ギターの練習は始められるんだよね。

だからと言って「セットもの」を否定してるわけじゃないんだよ。ほんとに私が子供の頃にあってくれたらきっと買ってたと思います。これほど「親切なセット」って、他のものじゃなかなかないもん。

小型アンプもそう。ないよりはあったほうがいいの。「音を出せる環境」にあるなら、「それなり」に楽しめるし。でも、実際問題、蓋をあけてみたら・・・ウチに届いたら音がでかくて、ウルサクて、「使うことができない」ってことになるのは、明白なんだよね。

 

かといってこの「小型アンプ」じゃ、練習スタジオでも、ライブでも使えません。「出力」が小さすぎます。「実践」で使えるのは「40W」以上のアンプです。みんなが一番目にする「マーシャル」や「フェンダーのツインリバーブ」。こいつらは基本100Wです。マーシャルの小型で実践向きなのはJCMの50Wです。ローランドのJC−120は120W(厳密には60W+60Wだけど)。学園祭で使おうと思ったら、30Wは必要でしょう。5Wや10Wのアンプは、実はあまり使い道がないんです。だから・・・

 

「中古ショップ」にいくと、500円とか1000円で、この「小型アンプ」がたくさん売ってます。これは「セットで買ったけど、結局使わなかった。」っていう「結果」なんです。だからって、ほんとに「セットもの」を否定してるわけじゃないからね。わかって欲しいのは・・・

 

ギターはアンプで音を出してナンボなんだけど、ほんとに実践調整ができるのは「スタジオ以上」−「キチンとした音を出せる場所」でやらなければ、意味がない。ってことなのね。

 

めっきり見かけなくなったけど、コイツも頼りになる1台。ミュージックマンのRDシリーズです。ツインの代用品としては、完璧な1台。

中古で捜してるんですが、タマ数は少ないし、高い!

これも某質問箱でよく目にするんだけど・・・

 

「部屋のなかで、どのぐらいのボリュームで練習してますか?」
「自宅練習用に適してるアンプって、ありますか?」
「アンプに繋がなきゃ、音はでませんよね?」
「アンプから音を出さずに、どうやって練習してるんですか?」
「アンプから音を出せないなら、どんなヘッドフォンを使ってますか?」
「ギター専用のヘッドフォンってあるんですか?」

 

小さなアンプ−「小型アンプ」でも、あるに越したことはありません。「ギター・アンプから出る音」を「体感」できるし、「お楽しみ」のためにも役に立つし(笑)。でも・・・なくても練習は出来ます。今プロになってる人達のほとんどは「最初に買ったのは、ギターだけ」だと思います。昔は大多数の人が、そうでしたから。

 

質問箱や掲示板を見て「アンプ」のことで悩んでる初心者の人。なーんも心配しなくていいから。「アンプを持ってない人」なんていっぱいいますから。練習スタジオにも、ライブハウスにも、たいがい有名どころのアンプがあって、貸してもらえます。

だいたい、こんな大きなアンプを持ってたって、どうやって運ぶの?車じゃなきゃ、ムリでしょう?

私は通常の場合、練習スタジオにもライブハウスにも「自分のアンプ」を持ち込みます。これだって、ただ単に「長年の習慣」。仙台から東京に演りに行く時は、持って行ったりしないし。「ライブハウスでJC−120を借りる」ことを前提に「音作り」していくだけ。それは「アンプを持ってない」のと同じでしょ?私はJC−120は持ってないから。

どちらかといえば、JC−120は「嫌いなアンプ」の代表だし(笑)。でも「使いこなせないと困ること」があるから、自分のアンプじゃないけど、「使い方」の研究はしてるけど。

 

「いいギター」と「いいアンプ」さえあれば、「いい音」は出せる。−そりゃあ、「いい音」は出るかもしれないケド・・・

いったいドコで、どんなジャンルの音楽やるの?(笑)

「ツイン」と並んで、「アンプ」の代名詞ともいうべき、「マーシャル」アンプ。ツインがアメリカ代表なら、こいつはイギリス代表。グレート・ブリテンの誇り高き3段積み(笑)。

私は・・・悪いけど「1959」以外は、全部ダメ(笑)。友達の「1959」に触れてしまったら最後、他のマーシャルはマーシャルではなくなってしまいました。

レンタルする時は「マーシャル以外のアンプは、何がありますか?」とたずねる1台(爆)。

 

「エフェクターは、音をごまかすだけ!」 − ジェフ・ベックに向かって、その言葉が吐ける?(爆)

 

「いいギター」と「いいアンプ」さえあれば、「いい音」は出せる。 − 「いい音」ってなに?(笑)

 

初心者の人、なーんも気にしなくていいから。この人達が言ってる「いい音」っていうのは、昔むかし、まだエフェクターなんかなかった頃、エリック・クラプトンやジミー・ペイジやジェフ・ベックなんかが、創意工夫を重ねて、「ギターとアンプだけで作り上げた音」のことを指してるのね。

「ロック」においては、それが「いい音」の基準だっていうのは、私も否定しない。張りのあるナチュラルなオーバー・ドライブのかかった音で、実際「太い」音がします。当然、この音を作り易いのは「オールドのギター」と「オールドのアンプ」。

 

当たり前でしょ?「その機材で、出していた音」なんだから。それが「基準のひとつ」であることは、私も認識しています。実際私もライブでは、時間さえ許せば、2〜3台のアンプをセットして、うちひとつはノー・エフェクト、アンプにダイレクトに繋いだギターの音を使います。私の「トーカイのテレキャスター」はそういう使い方をするギターとして、私のセットの中にあります。

 

ただ、普通に「POPS」や、邦楽の「ROCK」を演るのに、「エフェクター」を使わないなんてことは、まずない、っていうか、自分も回りもやりにくくてしょうがないと思います。

 

だいたいねえ〜、その「いいギターといいアンプだけ」で音を出してる人って・・・誰?(笑)

そんなこと言うと怒られちゃうかなあ〜?(笑)

「なんとかバンドの○○○さん」って答えが返ってきそうだけど・・・

まさかここで「ラリー・カールトン」とか、「エリック・ジョンソン」なんて言わないよね?(笑)

そのレベルの話なの?アマチュアレベルじゃなくて?(爆)

 

で、実際に、ほんとにそうやってるの・・・見た?(笑)

「いや、雑誌のインタビューで本人がそう言ってたし、機材の写真にも、エフェクターは写ってなかった!」

ひょっとして・・・それ・・・真に受けてる?(笑)

おかしいと思わない?自分が散々苦労して作り上げた音の秘密を「どうやって出すんですか?」って聞かれて、「コレとコレ」って、素直に答えると思う?プロは、自分の音を作りあげてナンボの商売だよ?そう簡単に、大事な部分を他人にバラすと思う?

だいたいにおいて、「レコーディング」すると、「リバーブ」をかけるよね?それと音のバラツキ、音量の調整で「コンプ」または「リミッター」をかけるよね?そしてトラック・ダウンやマスタリングでは「トータル・コンプ」をかけるよね?それって・・・もう「アンプ」から「出てる音」とは違わない?

もっと簡単に言うと、「ギター・アンプ」から音を拾う時、コンデンサー・マイクとダイナミック・マイクじゃ、録れる音が違うよ?「ゼンハイザー」と「ノイマン」じゃ、全然「違う音」が録れるよ?。

あなたの言ってる「いい音」って、「そんな処理がされた後の音」をさしてない?

 

「いいギター」と「いいアンプ」で「いい音」は否定しないよ。自分で持ってるギターやアンプに対して、私自身は「いい」と思ってるし。ただ、どちらも「オールド」や「ビンテージ」でもないし、どちらかといえば「手に入り易い機材」だけどね。「手に入り易い機材」だとしても、その順列組み合わせで得られる音は、自分で長年、研究した音。

だからって私は「アンプを買え!」なんて言わないよ。「アンプ」なんて、十分弾けるようになってからでも間に合うし、わからないで買っても意味ないから。

ただ、「ジミヘンが演りたいから、ストラトとマーシャル買う!」っていうのは、とめません(笑)。

逆に「ガンバレ!」です(爆)。

初心者の人。ほんとに「機材」で悩まないで!。ギターで悩まないで!

まずはギターを買って、始めよっ!!

なによりも、まず、それが大事!!

 

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