Junk No, 032


Bladeの秘密(^_-)-☆ Part2


さてさて、Bladeがウチにきて、だいぶ慣れてきました。少なくとも私にとっては「使い物になるギター」です。

まあ元々が、そこそこの値段のモノ。前回思わず「廉価版」と書いてしまいましたが、1万円のものとはステージが違います。

そして・・・段々判ってきました。「Bladeとは、どういうギターなのか?」ということが。

今日はそこのところをいきたいと思います。

 

まずは、セット・アップをしました。

 

 

ペグは、そこそこちゃんとしたものです。さすがにネームを入れてるだけのことはあります。たぶんちゃんとしたメーカーに作らせてると思います。長年ほっておかれたので、トルクが一律ではありませんでした。なのでネジを回しながら、調整しました。私に必要なトルク感で、6個を揃えました。問題はナット。

プラスチックじゃないと思われます。もっと硬質ですね。オーダーには白いモノもありますが、このシリーズは黒いモノです。

「溝」が、どう見ても009のようです。6弦の溝を見ると、良くわかります。042の幅しかありません。010のセットにしたかったんですが、とりあえず設計に従って、009−042を張ってみました。感想としては、たぶん本当に、009のセットが設計だと思われます。弦高に関しても、009でペチャペチャの張り方で、「テレキャスター」になるように考えられてるようです。私はオクターブ調整を含めて、もう少し高くようと思っています。

で、このヘッドなんですが・・・

 

  

なんか、この下地の色、どっかで見たことありません?(笑)。なんか、私が知ってるメーカーのような(爆)。

目止めの黄色が、安心感を呼ぶ「慣れた色」です。成形も悪くありません。

 

フレットは、いわゆる「ジャンボ・フレット」と呼ばれるタイプのもの。オーダー品は、ステンレスが多いようです。このフィーリングが、フェンダーと違うところ。フェンダーの細いフレットで、「カチッ」って止まるカンジがありません。滑らかに弾きやすい感触。ネックの握りを含めて、私のギターには無いタイプです。でも私ですら「弾きやすい」ってカンジます。ハジの仕上げ等も、悪くありません。「Bladeとしての廉価版」ではあっても、6〜8万円程度のレベルは、クリアしています。

 

プレートには、社名とシリアル・ナンバー。公式ではありませんが、自分のBladeの番号を調べているいる人もいます。006KさんのR−2も私がネットで見かけたT2も、ブリッジ他が黒。コイツは、ゴールド・パーツです。ひょっとしたらワンランク上に「ゴールド・パーツの製品」を用意したのかもしれません。そうするとネック・ポケットにあった「T−2 10」も納得できます。ブラック・パーツは8万円。それがゴールド・パーツになると10万円。あってしかるべきラインアップですよね。

 

ピックアップは、オリジナルですね。フロントPUを見れば、すぐ判ります。上が平面−平で広いです(笑)。ノーマルなテレキャスターに比べたら、ちょっと大きめ。とうぜん、リアPUもオリジナルでしょう。これは「SVCとセット」で考えられているようです。

 

 

このブリッジなんですが、私の赤テレと同じような、がっしりした重めのタイプです。安っぽさがありません。経年的劣化でどこもかしこもゴールドが落ちていますが、本体そのものは悪いものではありませんね。

 

 

それはコントロール・プレートも同じです。厚手の。どっしりしたものが付いています。

ただチョット気になるのが・・・

 

どこもかしこも、ネジ穴が正確ではありません。パーツとネジ穴が、微妙にズレています。なので「斜めに入っているネジ」が散見されます。微妙な違いなので、斜めでも止まっています。

 

以上がウチのT2の状態。ここからイロイロ推理していくと・・・

 

「Bladeは、パーツを供給してギターを作らせるメーカーである」

 

と思われます。ボディやネックに自社ネームがありましたよね?

 

 

これ、普通自社で木工していたら・・・やりませんよね。フェンダーやギブソンですらやりません。「ネックにネームを入れる」ってことで有名なのは「ワーモス」。高級パーツとして有名です。日本ではYAMAHAパシフィカの高級モデル−900番以上やUSAで見ることができます。そう考えると、ここにmomoseの名前や自社ブランドが入っているのは、逆に自社木工ではない、という表れですよね。だって普通は、ヘッドにブランド名があるわけです。ネック・ポケットやネックに書かれるのは、製造工程での暗号が普通(笑)。「T−2 10」のような表記のほうが、よくあるパターンです。

出来てきた部品を「Tuneで組み上げていた」というのは、元社員の方の証言があります。どこからかネック・ボディとその他のパーツが送られてきて、それをTuneがセット・アップして出していたわけです。多分それが、ヘッドにある「Japan」の表記なのでしょう。

とすると、このT2やR−2時代も、その延長にあると考えるのが普通ですよね。そこにフジゲンやマツモクがあってもなんら不思議ではないし、韓国製があってしかるべき。木工がどうあれ、「Bladeとしてのパーツ」はすべてレビンソン氏から送られてくるわけです。最初の頃は、木工をmomoseが担当。カスタム・オーダーなら、納得できるところです。ディバイザーとしてではなく、momoseネームで行っています。それが他のOEMに変わった時に、ネックに自社ネームを入れるパターンに変わりました。そう考えれば、ここにどちらのネームがあるのは、「初期のカスタム・オーダー品」の証拠としてみていいと思います。それの最も初期なのがmomose。なので・・・

 

この「T2」などでは、木工部分と他の金属パーツにズレが生じてきたんだと思います。木工に、それほど精度を求めなくなったんじゃないですかね。ペグとブリッジを、ワンランク落としました。特にカスタム・オーダーのほとんどは、ロック式ペグです。この時代にこのペグを堂々と採用していたのは、それはそれですごいですね。80年代の後半は、まだこれは一般的にはあまり認められていない製品です。それに「オリジナル設計のアーム」を組み合わせた「自信」があったんでしょう。「安いハイエンド・ギター」としては、売れた部類に入ると思います。

 

このT2は、ボディが「パンケーキ構造」のようです。これ、勘違いしないで下さいね。私は「安いからパンケーキ」「パンケーキだから安い」とは思っていません。ストラトには5ピース以上のものも存在します。2ピース・3ピースなんか、当たり前にあります。それでも、いい音のものが存在します。極端な話、レスポールだって、パンケーキ構造です。そして高い方のBladeには、オリジナルと思われるパンケーキ構造がありました。

 

 

これに気が付いて、当時しきりにやっていたのがTOKAI。木材を組み合わせることによって、ギターの音が変化することに気が付いていました。同じストラトであっても、パンケーキ構造にすることによって、イロイロなギターを作れることに気が付いていたんです。ただ・・・それがあまり「良い方向」には向きませんでしたが(笑)。

「安いギター」を作るために、やったことかもしれません。でもひょっとしたら、確信犯でやっているのかもしれません。少なくともレビンソン氏は、このギターに「Bladeのネーム冠する事」を許しているわけです。私も「ネジの精度」さえなければ、普通に「良いギター」だと思います。このギターも「半額で手に入る」コトを考えたら、万々歳のギターです。これが3〜4万円なら、初中級者のメイン・ギターでもいいと思います。

少なくともレビンソン氏は、「どーしても譲れない線」として「SVC」を搭載しました。パーツのレベルも落としたとはいえ、そこそこのモノです。多分自分のパーツは、ダンピングする気は無かったでしょう。それでペグとブリッジをワンランク落とし、さらに木工を落とすことで値段を下げることにしたわけです。

 

そう考えると、このT2やR−2を見ていると、「オーダーモノ」はかなりのレベルにあったことでしょう。レビンソン氏⇒momose⇒Tuneと通過してきたものが、悪いはずはありませんよね(笑)。たとえそれが後期にフジゲン・マツモクあるいは韓国製になったとしても、パーツは送られてきたもの。レビンソン氏にとっては、「譲れない線」のものだったはずです。

 

今も「Blade」のブランドはあります。たぶん日本では輸入元・販売元がないのでしょう。T2はほとんどかわらずに、現行製品にもあります。ヘッドのデザインが、Bladeオリジナルにはなっていますが。懲りることなく(笑)、レビンソン氏=Bladeは同じレベルの製品を作り続けています。たまたま時代の間(はざま)にできてきたのが、この製品だったというだけ。そう考えればBladeのモノが安く買えるのは、それはそれで良いことだと思いません?。特にテレキャスターはアームがありません。とすれば、ロック式のペグも無くてもいいわけです。ギターとしてのバランスさえ取れていれば、そこそこのギターなハズです。

 

 

というのが(笑)、今回の結論。「Bladeの秘密」です(爆)。

日本で出回っているものが「スイス製」ということは、ほぼありえないでしょう。「そういう作り方」はしてなかったハズです。「日本の血が入ったギター」と考えてよいでしょう。「レビンソン氏のパーツ」をただのパーツと考えれば、初期のオーダーモノは「国産」です。「用途=音」と「値段」が折り合えば、「買い!」のギターです。半額以下で買えちゃったりしたら、かなりお得です。今回の結果を踏まえれば、みなさんも「Blade」を判別することが、可能でしょう?(笑)。漠然としたイメージではなく、そこそこの「Blade」が判ったはず。

 

006Kさん・小谷さんのおかげで、「私の中のBlade」を位置づけることができました。

感謝いたします。そして中古として「勧めていいギター」と判別できました。

「Junk」としても、楽しい素材です。

普通は「パーツを交換する」方が主ですが、このギターはパーツがメインのギター(*^_^*)

もう少しキチンとセットアップして、使ってあげようと思います。

 

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