ブリッジ調整 その1
さて、「ナット」を交換又は、調整しました。「ピックアップ」の交換又は、調整しました。
じゃあ、次は?(笑)
順番として、「ブリッジ」、だよね。「ブリッジ」の調整は大きく分けて2つ。
1.オクターブ調整(弦高調整を含む)
2.アーム調整
だよね。「オクターブ調整」は・・・わかるよね?(笑)。わからない人は、BOSSのチューナー「TU−15」
を買って下さい。チューナーの機能の中に、「オクターブ調整」が入ってます。これ、私も持ってるけど、な
かなか便利。普通のチューナーでもできるんだけど、チューナーが、「ハイ、ブリッジをこっちに動かして!」
って教えてくれるから(笑)。
コレがTU−15です。
ただ、ちょっと「ジャンク」なことを言うと・・・100%オクターブを調整しても、ギターの音階は「パーフェクト」
にはなりません。試しにねえ、ちゃんとチューニングしたあと、1弦の15フレットあたりを弾いて、チューナ
ーで確認してみて。どう?(笑)。442とか443を指してない?弦が細くて、フレットが高いと、もっと高い値
になってるかも。「指の力の入れ具合」でも、1ぐらい動くはず。でも、開放弦でもう一度確認すると・・・・・
440なはず。
これは、ギターっていう楽器の「致命的な欠陥」でもあり、逆に「特長」でもあり、「研究材料」でもあるんです。
これを解消しようと考えられたのが・・・・
A.サークル・フレッティング・システム
B.バジー・フェイトン・チューニング・システム
だったりするんです。このどちらも「理論的」には正しいし、無いよりはあったほうがイイのかもしれないけど・・・、
「オールドのギター」には、付いてないよ(笑)。
これは「否定」してるんじゃないからね。どちらも「理論」としてはうなずけるし、素晴らしいとは思うんだけど・・・(笑)
まあ、いろいろ「問題」があるし。そこは、自分で研究してね。割と「微妙な問題」なんで、どっちがどうとは、
あまり言及したくない。まだまだ研究が必要・・・ってこと。今のところ、「VHS対ベーター」みたいなカンジ?(笑)
ただ、共通して言えるのは・・・「精度の高い技術」が必要ってこと。つまり今のところ、最終的には「値段」に
跳ね返ってくるもの。「ジャンク・マニア」には・・・ちょっとツライ・・・(笑)。でも、こういう「最新技術」に飛びつく
のが早いのも、「ジャンク・マニア」なんだけどね(爆)。
じゃあ、気を取り直して(笑)、「アーム」を調整しましょう。ギブソン系の人は、お休み(笑)。っていっても「ジャ
ンク系」の人って、「フェンダー系」の人の方が、圧倒的に多いよね。
「アーム」といえばまず、「シンクロナイズド・トレモロ」。普通のストラトに付いてるタイプ。そして、「フロイド・
ローズ」系。後は少数派で「ケーラー」や「ビグスビー」「板バネ」、そしてフェンダーにある、「小回転系」「小
バネ系」かな。圧倒的に「シンクロ」と「フロイド」だよね。だから「シンクロ」中心に進めます(笑)。
この「シンクロナイズド・トレモロ」。ものすごい「画期的」なシステムなんだけど、ものすごい面倒(笑)。私の
「コラム」の「ジャンクその2」を見てもらえばわかるんだけど。そこの、「工房訪問」。もう一回、見てくれる?
「ネックの仕込み」以降、ビルダーの人でさえ、すごい慎重にやってるんだよね。ギターって、本来そういう
モンだから。
「シンクロ」の調整を始めると、「ナット」→「ブリッジ」→「弦高」→「オクターブ」→「バネ」→「ナット」→「ブリッ
ジ」→「弦高」→「オクターブ」→「バネ」って、少しずつ、グルグル回って調整が必要になる。その調整がうま
くいくと、「弾きやすくて、チューニングの狂わない、シンクロナイズド・トレモロ」が、完成するんだけど。私が
現役の頃、唯一うまくいったのが「ビル・ローレンス」。あまり極端な使い方ではないけど、音源に「アームの
音」が残ってるはず。今は面倒なんで、「シンクロ」は使ってません。「ちゃんと動く」までが、ホントに面倒だ
から(笑)。
要は、「フロイド・ローズ」系が「なぜ狂わないのか?」を考えれば、おのずと答えは出てくる。ナットとブリッジ
で弦を挟んでる「フロイド・ローズ」には、「摩擦による抵抗」を生む部分がないんだよね。そして、「弦が緩む
部分」も。この2点をクリヤーできれば、「シンクロ」も狂わないはず。
「摩擦」を生むのが「ナット」とブリッジの「コマ」。緩むのは「ナットとペグの間」と「ブリッジのコマとサスティー
ン・ブロックの間」。この4点がクリアーできれば、かなり狂わなくなるはず、なんだよね(笑)。
一番問題になりやすいのが「ナット」。時々安いギターでチューニングしてると「ピキーン」とか「キーン」ってい
う音、聞いたこと無い?あれが「弦がナットに引っかかってる時に出る音」。ナットとゲージが合ってないとか、
ナットの切り方がまずい時に発生。でも、この音が出ない時でも、大なり小なり、これと同じ現象がナットでは
起きてます。まず、これを解消しないと。
まずは、「正確に切ったナット」。ねえ〜。ナットって大事でしょう?使うゲージにあわせて「溝」を切って、なお
かつ、ヘッド側・ネック側の弦に対して引っかかる「カド」を、軽く丸めます。細かい作業だけど、これ大事。そ
して「摩擦」を少なくするのには「鉛筆」「グリス」「CRC」(笑)。摩擦をなくす、「三種の神器」(爆)。弦を張って、
キチンとチューニングしたら、少し弦を緩めて持ち上げ、「ナットの溝」の「ネック側」に少量、塗布します。そ
のままチューニングすると、弦が動いて、自然にナット全体に、延ばしてくれます。注意して欲しいのは、その
「量」。ほんの、ほんの少しでいいんです。というのは、「グリス」も「CRC」も、手に付いて、目に入るとすごく
「痛い」から。「爪楊枝」でほんの少しずつ。そして忘れずに「毎回」、キチンとやること。キチンとやって、アー
ムを使って。これを繰り返してると、ナット自体が「いいカンジ」になってきます(笑)。1回やって、1ヶ月ほっぽ
っといたら・・・うまくいかないよ。なんといっても「アーム」を使うこと。これが大事。
そしてナットの向こう側(笑)。ヘッドの部分で大事なのは、「ペグにちゃんと弦を巻くこと」と、「ちゃんとしたペグ」。
「キリキリ」いったり、回すのがキツイようなペグではだめだからね。キチンとした精度のペグに、キチンと弦を巻
く。「弦の巻き方」まで、書かなきゃダメ?(笑)。そのぐらいは、自分で調べてね。ちゃんとした楽器屋さんとか、リ
ペアーマンなら、教えてくれるよ。「弦が緩まない」あるいは「弦が緩みにくい巻き方」。
これでヘッド部分は、OK。「ストリング・ガイド」に引っかかることはあまり無いけど、気になる人は、「三種の神器」
で対応(笑)。これで、準備万端。さあ、ブリッジに行きましょう。