Column 20


フォトジェニック後記 初心者も、そうでない人も・・・(笑)


「初心者の人にこそ、キチンとしたものを。」

「多少値段は高くとも、ホンモノに触れたほうがいい。」

 

 確かにそうだと思います。

でも初心者の人にとって最大の問題は、大抵の場合「値段」ですよね?まず「予算ありき」ですよね。だいたい「ギターそのもの」がわからない人に、「ギターのなんたるか」を説いても、「???」ってなるのが普通じゃないですか?

 

小・中・高校生あるいは大学生・社会人も、お金のある人・ない人。学校で「バイト」が禁止されてるところもあるし、都会で考えるほどひらけていないところは、いっぱいある。確かに楽器屋さんで「見て触れて」は必要だと思いますが、「楽器屋さん」のない町なんて、いっぱいあります。今は「ネット」で見られるので、結果「質問箱」には「教えて君」が殺到することになります。某ヤフーの質問箱(笑)には毎日毎日、同じような質問が並ぶことになります。

「廉価版ギターはダメ!」って言い切ってる自称「ギターが弾ける人」の意見が結果的に逆に、初心者を惑わせ、不安にしています。「そんな高いギターなんて、買えない!」で、ひょっとしたら「1つの才能」の芽が摘まれているかもしれないんです。今「プロ」になってる人は、最初からそんなに高いギターを弾いていたんでしょうか?高いギターじゃないと、「音楽」はできないんでしょうか?いつから「Rock」はそんな不自由になったんでしょう?

 

 街には、楽器屋さんがない。あったとしても隣町や離れている街で、そう簡単には行けない。楽器屋さんに行ったとしても、恐くて声をかけられない。周りにギターを弾いてる人がいない。相談する相手もいない。お金も、お小遣い程度で、あまりない。バンドは組んでみたいけど、そんな友達はいない。街にはスタジオもない。本を読んでもわからないし、いっぱいありすぎてどうしたらいいのかわからない。でもネットでは1万円でキレイそうなギターがいっぱい売ってる・・・。

 

そんな境遇の人、日本中に、いや世界中にいっぱいいるよね。たまたま今は「ネット」があるから、とりあえず「質問」−「聞いてみること」はできる。でもギターに限らず、「どうでしょう?」「こうです。」って単純にわかるもんでもないでしょ?。 

例です。イヤな「たとえ」なんですケド・・・

質問;「今、中3です。将来F1レーサーになろうと思うんですけど、フォーミュラー・マシンを買わないとだめですか?自分ではヤマハのカートを買ってとりあえずカート・レースに参加しようと思ってるんですけど、ヤマハはF1に参戦してないですよね。やはり国産は、だめですか?フェラーリやベンツのカートはどこで売っているんでしょうか?フェラーリのカートは何CCで、いくらぐらいですか?」(笑)

 

 これを読んで「本物に触れたほうがいい!」っていう人がいるんでしょうか?(笑)。想像できる答えとしたら・・・

 

答え:「まず、免許をとりましょう。そうでない場合は団体に所属し、協会が発行するB級ライセンス、A級ライセンスを取得する必要があります。これがないと、コースを走ったり、レースに参加するこができません。」

 

 

答え:「F1レーサーはたしかにカート出身者が多いので、いいと思います。ただし、カートが買えてもレースに参戦するとなるとマシンの知識も必要だし、チームを作りスタッフを揃えなければいけないので難しいと思います。レース場にカートを運ぶ車も必要です。まずカート・レース場に行ってどのような状況なのかを見てきて、チームの人に質問してみるのもいいかと思います。」

 

答え:「確か○○県にはレーサーの学校があったような・・・。」

 

答え:「知識も無くカートを買うのは、無謀です。まずどこかのチーム入ることをお勧めします。」

 

 こんなカンジですか?(笑)

「ギターの質問」に似てるでしょ?こんな質問書いたら「無知」で「無恥」で(笑)、みんなに叩かれちゃうかも(爆)。でも・・・きっと本人は真剣だと思います。「思いつき」かもしれないけど、「今」はきっと真剣に質問してますよね。

 

 もうひとつ、例です。もう少し身近に・・・ 

質問;「今、中3です。3歳の頃からずっとピアノを弾いていて、このまま芸大方面そして将来はプロを目指しています。先生も有名な方で、みどころがあるので頑張れとおっしゃってくれてます。ただ、家庭の都合上、練習は電子ピアノかアップライト・ピアノでしかできません。将来、コンクールに出たり、プロになったりするには、スタンウェイやベーゼンドルファーのグランド・ピアノを買わなければいけないのでしょうか?家にはお金もないし、グランド・ピアノを置くような場所もありません。」

 

 ・・・(笑)。

こんなんでも「本物を買え!」って言うのでしょうか?(笑)。わかりやすく金額の「上下の差」がはっきりでるようにしてますが、実際に中学生にとって「1万円」の出費と「5万円」の出費は、このぐらいの「差」を感じてるはずです。

 

 「ギターを知ってる人」にとっては6〜10万円程度は初中級者向きのもので、お金を出すことに関して、なんら疑問を感じないと思います。ましてやギターに詳しくなっていけば、20万円・30万円でも出すでしょう(笑)。

でも、何もわからない人に対して、その金額で「買え!」っていうのは、「無理」じゃないですか?。「入門」なら、「1日体験」なら、「ギターらしきもの」(失礼!笑)でも、十分楽しめると思うんですケド・・・。

 

 「本物に触れたほうがいい!」っていうのは、私も「賛成」です。ですがそれは、「予算がゆるせば」の話であって、そうでない場合は「みよう見まね」でもいいと思うんです。「廉価版ギター」に対して毎日のように質問がくるのは、「ダメ!ってことはもうすでにわかってるんだけど、予算がないし、とりあえず何もわからないから・・・A社がダメなら、B社はどうですか?そうでなければC社やD社は・・・・」

 

この質問の繰り返しになってると思うんです。みんな怖くて5万円は出せないんです。だめなのはわかっていても「とりあえず1万円でなんとかならないのかな?」っていうのが質問者の「意図」なんです。 そうしたら「ギターが弾ける」我々のとるべき態度は・・・

「廉価版ギター」は現実にみんなが弾いているギターとは「違う」ことを知って貰い、その上でなおかつ、「その中でもし買うなら、A社の○○が良いと思います。」「そのギターのこことここは、こんなふうに直して使うと、弾きやすくなります。」「廉価版ギターにあと○○万円足すだけで、こんなにイイものが買えたりします。」。これが的確な「サジェスチョン」ではないでしょうか?

 

 たしかに毎日毎日同じような質問をしに「増殖」してくる「教えて君」には、うんざりします(笑)。こんなに同じような質問が並んでいるのに、それでもまだ聞くか?みたいな(笑)。でもきっと「それぞれ」には「真剣」なんだと思います。

 

 「けいおん!を見たんですけど、私もギターを始めようかなと思います。何を買ったらいいんですか?レスポールって、高いんですか?」

 

・・・(笑)。

ギターが弾ける人から見たら「こいつら、ナメとんのかいっ!」ってなりそうですけど・・(爆)。

まあ、きっかけは人それぞれ。助けてあげましょうよ。幸い我々は、少しはギターのことがわかるんだから。「教えて君」が「増殖」するのは、PCが流行りだした頃、ネットが流行りだした頃と同じです。何もわからないから「初心者」なんです。

 

「その質問」がどれだけ「ずうずうしいか」すらわからないから、「初心者」なんです。わかってる人は「正論」で初心者を萎縮させるようなことは言わず、一緒の目線で「もし、私が1万円で買うなら・・・」って同じ土俵に立ってあげないと。その上で「1万円ならコレを買うけど、私ならあと1万円貯まるまで待って、コレを買います。1万円のものより、ココとココが優れてます。」っていうのが「アドバイス」なんじゃない?

 

初心者の人へ!人に尋ねてるヒマがあったら、買ってしまえ!
じゃあなければ、「ほんとに知りたいこと」を、書いてしまえ!

 

質問:フォトジェニック
    レジェンド
    ケーズ・ガレージ
    プレイテック
    ロジェ
    コルト
    クールズ
    アンボーイ
    メイソン
    トニー・スミス
   セルダー
   この中で「1万円」で買うなら、どのメーカーの何?

 

 

これで、どうだ!(笑)(他にもあったらゴメン!金額は2万円でも3万円でもいいゾ!)

ただねえ〜(笑)。答えは「100人100様」だと思う。アンケートでもとれば「数字」として見られるかもしれないけど。ひょっとして「正論」として、全部ダメって言う人もいるだろうし。でもそれだと、「どれ?」ってきいてる「答え」にはなってないけど(笑)。

行き着くとこは、ここでしょ?「初心者」の人は、みんなの「同意」が欲しいだけ。「転ばぬ先の杖」が欲しいだけ。ギターを知ってそうな人に「いい」って言われる「安心感」 − 「免罪符」が欲しいだけ。でも一歩踏み出す前に「転ぶ」こと考えてたら・・・なにも進まないよね?

 

100人中50人が「A社のレスポール」って答えても、あなたが欲しいと思ってるのが「テレキャスター」だったら、どうする?みんなの言うことをきいて、レスポールにする?(笑)。

じゃあ、質問を変える? 

 

「1万円で、上記の会社のテレキャスター、どれが最高?」(笑) 

 

これ全部、弾いたことのある人なんて、いないって。みんなせいぜい2〜3種類のものに触って、勝手にイメージを決めて、モノを言ってるだけだから。私の「フォトジェニック」に対抗して、他のメーカーのギターを「検証」してくれる人が出てくれば、うれしいケド。私は「自分のギター」として「フォトジェニック」と「ロジェ」を所有して、その感想をココに書いてます。たしかに「直して」はいるけど「使えてる」からみんなに、「いいんじゃない!」って言ってるだけ。「これを買え!」とも「サイコー!」とも言ってません。

 

ただ、「1万円でこれが買えるなんて、いい時代になったよなあ〜。」とは思います(笑)。

こいつらを「ネット」でググると、「悪口」のほうばっかりひっかかってきます。某掲示板なんか「悪口の嵐」です。でもその悪口を書いてる人が実際に「どのぐらいギターが弾けるのか」は、わかりません。どのぐらい「ギターの構造を勉強しているのか」はわかりません。教室内の「イジメ」と同じで「風」に乗って悪口を言ってるほうが楽だし、かっこいいと思ってるだけです。そのギターが「弾きにくい」んなら、その根拠がどこにあるのか、何が原因で弾きにくいのかを提示してあげないと、その「弾きにくい」という「言葉」だけが1人歩きして、結果初心者の中では「ダメなギター」の烙印が押され、「試す」ことすらなくなってしまいます。結論として「ギター買うの、やめようかな・・・・」(笑)。

 

 私の「フォトジェニック」も「ロジェ」もダメなところは、いっぱいあったでしょ?

読んでくれた人にできるだけわかるように説明してるつもりだし、そこを「直す方法」も提示してるはず。直すのにお金がかかる場合もあるし、自分でできる場合もある。そのうえで私は「楽しんで」このギターを使ってます。だったら「初心者」の人もそうすれば、いいんじゃないですか?。わからないならわからないなりに、私と一緒に「ギターの勉強」をすればいいだけです。

ギターに関して私は「ただのシロウト」です。ただギターが好きだから、ギターのことを知りたいから、知識を得ようとしてるだけです。ギターを弾く人が現れなくても、ギターに興味をもって、「ギター・ビルダーになりたい!」なんて人が現れてくれたら、最高じゃない?(笑)。

だからって「どうしたらギター・ビルダーになれますか?」なんて質問しないでね(爆)

 

 ここで私が言ってるのは「ひとりごと」です(笑)。「教える」とか「伝える」とかそんなおこがましいことじゃありません。ただ単に「経験」を書き綴ってるだけです。それをできるだけ「目に見えるかたち」にしているだけです。時々、「経験」と「教科書」が反対のこと書いてあったりすることもあります。それは「理論」と「実践」の形に「すれ違い」がおこったりするからなんだけど。

「やってみて初めてわかる」こともあるし。だから、ジッと書いてるだけ(笑)。もし間違ったことを書いてれば「噛みついてくる人」がきっといるだろうし(笑)。

ブログや掲示板で短く書いてると「真意」が伝わらないだろうなあ〜、と思ったから、このHPを立ち上げて「残るカタチ」で記録しています。

 

 ギターを買って・・・ギターを弾くもよし。音楽をやるもよし。バンド作るのも、曲を作るのも、はたまたギターをバラす(笑)のもよし。

ギターは買ってナンボ、いじってナンボ、弾いてナンボだよ(笑)。

 

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