Column 38


一度、やってみたかった実験


■ 疑わしきは、罰せず!(笑)

 

「チューニング・メーター」−その使用に関して賛否両論ありますが、私は100%必需品だと思ってます。

ステージでは絶対「必需品」だし、レコーディングでは「大切なお約束」です。

「A=440Hz」−それは、自分だけが合ってればいいというものではありません。この基準にのっとって

作業を進めないと「あとかぶせ」=自分より後にレコーディングする人に、大変な迷惑をかけることにな

ります。また、「キーボード」=ピアノやシンセが「A=441Hz」や「A=442Hz」だった時、ギターやベース

が本当に「A=440Hz」でよいのか確認する基準にもなります。

ただ誤解して欲しくないのは、「A=440Hz」は基準にはなりますが、時と場合によっては「A=441Hz」

や「A=442Hz」を採用する時もあります。その時は「人間の耳の感覚」のほうが優先されます。いわゆる

「気持ち悪いアンサンブル」になることがあるからです。実際には、とても稀なことですけどネ。

 

チューニングは、「チューニング・メーター」に頼らず、できるようになって下さい。これは「絶対条件」です。

どんなに機械が発達しようとも、音楽は人間が耳で判断するものです。機械の上で100%合っていても

人間が「違う!」と思えば、違うんです。

音叉(おんさ)・ピッチパイプ・ピアノ(キーボード全般)−これらの出す音で、ギターやベースをチューニング

できるようになって下さい。「チューニング・メーター」は必需品ですが、それとメーターなしでチューニング

できることとは、話が別です。何かしらの「基準音」を基に、ギターやベースをチューニングできるようにな

ることは、演奏者として当たり前のことです。絶対条件です。そしてそれを踏まえたうえで「チューニング・

メーター」を使いこなすことが大事なんです。

 

で、今日はなにかと言うと・・・(笑)、一度やってみたかった実験をやってみました。それは・・・

 

「チューニング・メーター」はあってるの?

 

です(爆)。これをやってみました。その環境は・・・

使用音 スタインバーガー・NUENDOより、付属するソフトシンセ、A1にてサイン波を発振

条 件 オーディオ・インターフェイスのライン・アウトより、各メーターに直列に入力

この条件下で果たして私の「チューニング・メーター」はいったい、どうなるんでしょう???

怖いですねえ〜怖いですねえ〜・・・これでもし・・・散々な結果だったら・・・

考えるだけでも、恐ろしいですねえ〜(笑)

で、まず・・・

 

BOSS TU−15

BOSS−TU12

YAMAHA YT−2

KORG GB−1

でやってみました。

写真が「今ひとつ」なのは、カンベンしてください。光ってなかなかウマく撮れません。

サイン波はアタックを繰り返すように、4小節でリピートしています。

どうでしょう?(笑)

YAMAHA以外、ピッタリ440で静止しています。YAMAHAだけ、少しズレて静止しています。

約針1本分、左にズレています。ただ、左右の赤い矢印ランプは、静止しています。

KORGもピッタリ、静止していますし、BOSSは2台ともセンターで静止しています。

そしてもうひとつ、やってみました。それが、こちら・・・ 1・・ 2・・ 3・・ (笑)

 

ZOOMのマルチエフェクター、G2.1uとBOSS TU−15を同じ条件で接続してみました。

ZOOMは真ん中の丸、赤文字で表示し、左のアルファベットが音階。ズレている場合右の「8の字」が

右回転・左回転の点滅で、上下のズレを表します。どうでしょう?両方ともピッタリ静止しています。

 

ウチのYAMAHAのメーターはもう20年以上使われたもので、他の4台とは明らかに条件で劣ります。

長年に及ぶ経年的劣化で、多少針がズレたものと思われます。ただ逆に、それほど使われたものでも

この誤差は・・・すごいと思いません?。私はもっとズレた結果が出るものと思っていました。「誤差」と

して認められる範囲かどうかは別として、ウチで簡易に使用する分には、問題ないと思います。

 

結果としては「良い」方向にでました。少なくともこの4台は、通常「基準として使用してよいもの」だと思

われます。少なくともこの4台のうちどれでチューニングしても、ほぼ同じ結果 = 同一のチューニングが

できるということです。

 

ただ・・・これだけは知っておいて下さい。本当に本当の・・・100%のチューニングは、この「クロマチック

式チューニングメーター」ではできません。今日やった「サイン波」での結果はOKでしたが、実際ギター

でやっていると、多少の誤差はでてしまいます。もしどうしてもいつでも「ほぼ完璧」にやりたいならば・・・

「ストロボ・チューナー」が必要です。詳しい内容はもう「トリビア」になりますので避けますが(笑)。

 

「ストロボ式チューナー」って書いてあるのはだめですよ。「ストロボ式」と「ストロボ」は違いますから。

この「ストロボ」の正確さが欲しいのは、たとえば「サークル・フレッティング・システム」、「バジー・フェイ

トン・システム」の設計や確認などの時には、必需品です。「ストロボ・チューナー」を使うのは、多少慣

れが必要だし、敏感過ぎるという人もいます。普通に使ってる人もいますが、発売されている種類は多

くないし、一般の人はあまりお目にかかりません。普通に演奏する分には「クロマチック」で十分です。

 

とりあえず、いついかなる時でも、たとえ「チューニング・メーター」を使ったとしても、最後に確認するのは

「あなたの耳」 − 「人間の耳」です。チューニング・メーターを使いこなす条件は「チューニング・メーターを

使わなくてもチューニングができること」です。

「機械」はいつでもあなたをサポートしてくれますが、「絶対」ではありません。

 

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