Columu 49

エフェクターの愚痴 なので読まなくてもいいです(笑)


エフェクターを買おうかどうしようか、悩んでいる(笑)。いや、実際に欲しいのは、「ギター・シンセ」だったりする。ただ、ギターシンセはちょっと高いし(笑)、あの仰々しいセットを持ち歩くのもどうか、という気がする。幸か不幸か、私はシンセを所有し、シンセもプレイする。ギターでシンセのまねをするぐらいなら、直接シンセを弾いたほうが早い。一番最初にこの世に出てきたローランドのギターシンセも使った人間である。私は「キワモノ」が、大好きなのである。

でも・・・「ワンポイント」で、「シンセの音」が欲しい曲があったりする。たかが、4小節か8小節程度だ。そのために機材が増えるのも考え物。そこでだ、BOSSの「エフェクターの方のギターシンセ」を使ってみようかなと(笑)。そうすると、マルチのGT−3・GT−8・GT−10あたりなら、システムを考えずに移行できる。GT−3なら、中古で1万円程度だ。

しかし、そのためにZOOMで作った音を、またBOSSで作るのもめんどくさい。が、あのBOSSの大きいヤツと、ZOOMを2台並べるのも、私の「美学」に反する。私は他の人から見て「なに、これ?」っていうセットが好きだ(笑)。今回のライブでも、ZOOM1台で、とりあえず「ギターシンセの代用」の音は「作って」ある。私は「リングモジュレーター」「ハーモナイザー」「オートワウ」「スローギア」などの、「卑怯者のエフェクター」(笑)が大好きだ。これらを組み合わせれば、「えっ?その音、どうやって作ってるの?」という音が作れる。

ただし、もうすでに「ギターの音」という範疇からははみ出ている。ワザワザ、こんな音をギターで作る人は、いないと思う。でも私にとって、それすら「楽しいギター」なのだ。

今回はそのために、いろいろ「エフェクター」に関する情報を集めた。ネットでも、いろいろなところを見て回った。その結果・・・
みんながいかに「エフェクターについて知らないのか」といことがわかった。中上級者と思われる人であるにもかかわらず、こと「エフェクター」に関しては、トンチンカンなことを書いてるのである。

まず・・・「良いエフェクター」は、「使いやすいエフェクター」とは違うものである。「使いづらいエフェクター」であったとしても、結果「良い音」であれば、私は「良いエフェクター」として評価する。「使いづらいから悪い」というのは、「使いこなせなかった」というだけで、そのエフェクターを「悪い」と評価する判断基準にしてもらってはこまるのである。


例えば、スタジオで良く目にするリバーブ。「レキシコン」「YAMAHA」あるいは「SONY」。現在のデジタル式DAWになる前は、これらはどこのスタジオにでもあった「超名機」達である。ただこれを、何も言わずに初中級者に預けたとしよう。とてもじゃないが、使いこなせるようなシロモノではない。その能力の10%も使わないうちに「使いづらい」と「判定」するだろう。レコーディングにおける「コンプ」や「リバーブ」は、手慣れた職人さんたち(笑)が使うから、100%の能力を発揮するのである。いや、彼らは120%の力を、これらの機材から引き出してきた人達である。そんな人達にとっては「手足」のような機材でも、初中級者にとっては「使いづらい」ものなのだ。そこで「私には使いこなせなかった」あるいは「私は好きではない」と書く人は、ほとんどいない。「使いづらい」=「悪い」という評価しかしないのだ。

そして「自分の使いこなせないモノ」を「悪い」と書く人が、ほんとに多いのである。「ギター」に関しては「悪いモノがある」というのは私も言うが、こと「エフェクター」に関して私は、「悪いモノ」などひとつもないと思っている。そこにあるのは「私が使いこなせないモノ」「私は好きでないモノ」「私が必要としてないモノ」であって、「自分の好みの音」が出ないからといって、それを「悪いモノ」と書けるぐらいほどの「傲慢さ」を、私は持ち合わせてはいない。

たとえば「コンプ」−「コンプレッサー」だが。私はMXRのダイナ・コンプが好きである。その次には私の持っているYAMAHAのコンプである。私はBOSSのコンプが好きではない。だからといって「悪いモノ」とは言わない。実際に使っている友人もいるし。ついでにZOOMのコンプもあまり好きではないのだ(笑)。私の中の「コンプの基準」がMXRだ、というだけであって、MXRの音が出ないからといって「悪いモノ」であろうはずがないのだ。たまたま見つけたYAMAHAのコンプは、MXRにとても良く似ていて、MXRほとエグい掛かり方ではないので、好んでいるだけである。逆にMXRの下品なコンプの音は、スタジオ機器の高級コンプで作るのも難しい。実際には作れないわけではないのだが、MXRなら「踏めば」その音がでるのである。その音が出ないからといって「スタジオ機器の高級コンプ」を「悪いモノ」という人は、いないと思うのだが・・・。ウチの江口クンなどは、ダイナコンプを「音を劣化させる」ために使ってたりする(笑)。

さあこれを「オーバードライブ/ディストーション」に置き換えてみよう(笑)。


「これを掛けると、ダイナミックレンジが狭くなります。ダメですねコレは。」

こんな風に書かれているもの、書いてるHPやブログ、いっぱいあるだろ?(笑)。
確かに君には「ダイナミックレンジ」が必要なのかも知れない。しかし「ダイナミックレンジ」を「必要としない人」「必要としない音」も世の中にはあるのだ。わざわざ「音を劣化させるため」にエフェクターを使う人もいるのだ。ただし、ただしだ。「音を劣化させる」=「悪い音にする」ではないのだ。曲のなかでギターが何本も鳴るような時、あまりにも「立ち過ぎる音」を必要としないこと。すこし劣化させて、マスキングしたい場合もあるのだ。


すべてのエフェクターを「同一の会社」で統一しているプロは、ほとんどいないだろう。いるとすれば「スポンサー」−エンドースメントしてもらってるひとであろう。なのに「マルチ」である。「マルチ」は1から10まで「同一の会社」である。「センド&リターン」を付けているということは、「他の会社の音も欲しいでしょ?」という、優しさの現われである。
本当の意味で私が「合格点を出しているマルチ」は、ローランドのGP−16だけである。とあるところでは、GP−16は使いづらいから良くないとも書かれていたのだが・・・(笑)。GP−16を使っている現役のプロは結構いる。しかし私を含めこのGP−16のユーザーは、2〜3、改良して貰いたいと思う共通点があるのだ。それを江口クンが、直接ローランドの人の聞いたらしい。その答えが・・・

「現在において、この金額でGP−16と同等の機能のモノを作るのは不可能です。」

なのである。

「???」

BOSSのGT−10は、GP−16のすべての機能を持ってないのか?だから、あの値段なのか?

GP−16は10万円する。その「凄さ」を知ってしまった人は、みなその値段で買っている。そうまでして買っても、GP−16の代わりになるものはないのだ。私としては、そう納得するしかない。たとえGP−16に私たちが欲している機能を搭載しても、売れないであろうというのが、ローランドの考えである。GP−16は、使いこなして初めて判る「化け物マシン」である。ありとあらゆる「エフェクターとしての機能」を有している。相当、エフェクターについて精通していないと、わからないマシンである。実際に一部のプロの人しか使っていない。その人達も、けっして「使ってる」と他の人には言わない(笑)。当然、雑誌でなど紹介されることもない。私がいつも「マルチ」を買おうとすると、GP−16の「何か」が欠けているのだ。どっかの機能が、たりないのだ。ただGP−16は「ラックマウント+フットスイッチ」。私のような30〜40分程度のライブでは、セッティングが面倒なのである。他のバンドとの「セット替え」に向かないのだ。せめて1時間以上のステージなら、私はGP−16を使うのだが、今の短いステージでは、「代替品」が欲しいのである。

では「代替品」として、BOSSやZOOMは失格なのか?そんなことは無い。「代替品」であれば、その機能は必要十分である。ただし「代替品」としてだ。すべての機能、すべての操作性を有しているわけではない。どこか目をつぶれば、「代替品」としてはOKだということだ。
GP−16には「オーバードライブ/ディストーション」しかない。今のように多彩な「歪み」など用意されていない。「キャビネット」も、貧弱なものだ。私たちの要求の第一に上げられるのは、「他の歪みが欲しい」というものである。ただ、それにもかかわらずGP−16のユーザー達は、普通に使っているのだ。「歪み」はエフェクトの最も重要な点であるにもかかわらず、GP−16を平気で使っている。なぜなんだろう?

実はこの「答え」はみんなの目の前にあるんだが、ほとんどの人は気が付いていない。それは「オーバードライブ/ディストーション」の「いろいろな歪み」というのは、何によって「違っている」と認識されるか、という点である。年末に私はVOXのSTを買った。その時も私は書いているのである。「アンプシュミレーターとしてではなく、多彩な歪みを作るために買った」と。では、「アンプシュミレーター」とは、なんなんだろう?

とある「アンプ」がある。なんでもよいのだが、とりあえずA社としよう。レスポールを繋いで、A社のアンプを歪ませた音がある。それを「エフェクター」で再現しよう。「マルチ」でも「アンプシュミレーター」でもよい。まあ、基本ハムバッカーのギターで、というのが常識的な線である。それをB社のアンプに繋いで出すには、あるいはラインで出すには。ギターの音を何らかの機能で歪ませて、「A社の音に聴こえるようイコライジング」するのである。その「イコライズ」するのが面倒なので、いくつかのパターンで「プリセット」する。「イコライジングされたプリアンプの音」+「イコライジングされたキャビネットの音」。それが「アンプシュミレーターの正体」である。シュミレーターのなかにOD−1やRATが入っているわけではない。OD−1やRATに、あるいはA社のアンプ、B社のアンプの音に聴こえるよう、「イコライジングがプリセット」されているのが「アンプシュミレーター」である。

「A社のアンプ音」としてみんなに認識させるには、そのアンプの特徴的な周波数帯の音が出ていると、みんなは「A社のアンプ音」として認識するのだ。当然シュミレーターを作っている会社は、独自にそのデーターを取っている。これは今現在のDAWにも共通していて、VSTのエフェクトなどは、このデーターを元に「演算」させているいるだけである。そして、そのデーターを取る方法、演算処理は、ここ10年で飛躍的に向上した。その結果、ギターの世界にも、多彩な「アンプシュミレーター」が登場することになるのである。でも「似ている・似ていない」は、機種によって賛否両論である。なぜ、こういうことになるのだろう?

これは、しょうがないのだ。使っているギター、使っているアンプ、録音の状態、そして「弾いてる人」が異なれば、すべて「異なる音」が出るのだ。したがって、万人が弾いて、万人が同じ音を出すとすれば、それはもう「サンプラー」か「レコーダー」か「ギターシンセ」でしかなくなる。誰が弾いても「ジミヘンの音」が出てしまったら、それは「最悪にツマラナイ物体」になってしまうのだ。逆に言うと、どんなに自分が感情を込めても、「ジミヘンの音以上」の感情表現は、得られなくなってしまうのだ。つまり、まったく「自分の音」ではなくなってしまうわけだ。もしそんなものが本当にあったとしても、誰が欲しがるのだろう・・・。

「その人に弾かせると、ギターがみんなその人の音なって、同じに聴こえる。

これはある程度以上経験を積んだ人は、必ずぶち当たってると思う。君の周りにも、いないか?。ストラトを持たせても、レスポールを持たせても、なんだかみんな同じ音に聴こえる人(笑)。ウチでいうと、カットがその典型である(爆)。何を弾いても「カットの音」になるのだ。これは、「音響上の問題」も含んでくる、複雑な要因でもあるのだ。弦が、ネックが、ボディが、ピックアップが、ピックが、ピッキングが、すべて「音」に影響するならば、そのギターを握ってる人、持ってる人、あるいは機材の使い方などなども、すべて「音になる要因」なのだ。ギター自体だけではなく、機材も、人間も、「音の一要素」であるはずなのだ。そうすれば、100人がいたら、100通りの音がでることも、納得してもらえると思う。従って「シュミレーター」でマネできるのは、あくまで「数字上」のことだけであって、それ以上は、やはり人間が努力するしかないのだ。
ましてや、同じギター、同じアンプをつかってすら、まったく違う音を作れるのである。「シュミレーター」は、それを手短に出来る、あるいは途中を省けるだけであって、「サンプラー」でも「レコーダー」でも「ギターシンセ」でもないのだ。まったく同じセッティングにしたからといって、弾き手が違えば、また音も異なってくるのである。ウソだと思ったら・・・
「百円玉」をピック代わりにして、弾いてみるといい。今君が使ってるピックの音とは、まったく違った音が出るはずだ。ピックで「こするクセ」のある人は、そのイヤな金属音に負けて(笑)、「ピン!」と当てるように弾くことになるだろう(爆)。そうすると、まったく「他人が弾いてるような音」に聴こえるハズだ。たったそれだけのことでも、「ギターの音」は変わるのである。
そんなことも知らずに、5分10分弾いたぐらいで、エフェクターの良し悪しを判断しようなんて、作ってくれた人に失礼だと思わないのだろうか。A社があるからB社があるのだ。いろいろなタイプのものがあるから、「自分の好きなモノ」を捜し、選べるのだ。「よい音」がたった一つしかなく、そのギターとそのアンプしかなかったら、こんなに大勢の人が「音楽を楽しむ」ことは、出来ないと思う。100個のエフェクターがあれば、101通りの楽しみがあるのだ。



こんな長い「愚痴」を読んでくれて、ありがとう(笑)。
私は人の悪口や、モノの悪口を出来るだけ書きたくないし、読みたくもない。できれば「プラス思考」の、「うっ、これ、使ってみたい!」というレビューのほうが好きなのだ。それが結果、ダマされたとしても、それは「Junk」。楽しいジャン、音楽だもん。ちょっと・・・損したぐらいで、十分楽しめるし。
ギターなんか、ろくすっぽ弾けなくたって、十分音楽は楽しめるんだ。よっチャンがギターをコピーしてきたり、タコヘイが拙いギターで歌ってくれたり(笑)。

それでも、楽しいんだゼ、音楽って。ゴチャゴチャ難しいことを考えないで・・・

Let’s Rock !!

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