Columu 59

は〜〜〜〜い!初心者の人、集まってえ〜〜〜〜!!(笑)


今日は、エフェクターの話をしま〜〜〜す。
初心者の人!メンドウがらずに、これを読んで、「基本的な原理」を覚えて下さい。

某知恵袋でよく話題にのぼる3機種
BOSS ME−25(または50)
ZOOM G2.1u
VOX Tonelab ST

私はこのウチ、BOSS以外の2機種を使っています。BOSSのME−30は持ってますケド(笑)。


さて問題です(笑)

この中で「仲間ハズレ」が一人だけいます。誰でしょう?

答えは・・・VOXです。BOSSとZOOMは「マルチエフェクター」です。それに対してVOXは、

「アンプシュミレーター」

です。わかりますか?VOXも、マルチエフェクターのように使うこともできます。ただし基本「アンプシュミレーター」です。

まずよくある質問で、

「初心者にはどれがいいですか?」

というのがありますが、残念ながら、エフェクターに「初心者用」などというものは存在しません。あるのは「安いモノ」と「高いモノ」だけです。BOSSのコンパクト・エフェクターを思い出して下さい。

初心者用オーバー・ドライブ

初心者用ディストーション

などというものは、この世には存在しません。誰が使おうとも、ツマミの数は変わりません。ではなぜ「ME−25」や「G2.1u」を「初心者用」としているかというと、「安いモノ」だからです。機能が増えていけば、「高いモノ」になっていきます。この安いモノと高いモノで一番違うところといえば、エフェクターの種類が増え、細かい設定ができ、ガタイが大きく、扱いやすいといったところでしょうか。安いモノはエフェクターの数が少しすくなく、筐体が小さいので、エデイットがやりづらいという面があります。それでも初心者の人には手に余るほどのエフェクターは入っています。
そしてまず、必要なこと。それは「各エフェクターの違い」。これが判らなければ、コンパクトを買ったほうがいいです。なぜなら、あなたはオーバー・ドライブディストーションの違いがわかりますか?たとえばBOSSのOD−3・DS−1・BD−1、この違いがわかりますか?違いが判らなければ、マルチの中に入っていても、使い分けはできないですよね。

「そんなもの。音を聴けばわかるじゃん!」

・・・(笑)。だったら、人に聞かなくても、わかるんじゃない?(爆)。

で、この「ME−25」と「G2.1u」なんですが、基本的な発想が異なります。BOSSはもともと「エフェクターが主」であり、現在売り文句にしているCMOSアンプシュミレーターなどを別物と考えています。つまりオーバー・ドライブで歪ませた音があって、それをアンプシュミレーターで加工するという考え方です。それにたいしZOOMは「歪み」=「アンプシュミレーター」と考えています。ただこれも、新機種になって、別に分けるようになりました。これはBOSSもVOXも、歪みとアンプシュミレーターを別に考えていたからです。たしかにそのほうが考え方がすっきりするし、音作りもやりやすいです。「G2.1u」はアンプシュミレーターの中に「OD」−オーバードライブなども用意はしていました。コレについて論じてる人はとても少ないですが、私はこの「OD」の音が結構お気に入りです。

「××さんの音は、どういうセッティングですか?パラメーターを教えてください。」

・・・(笑)
ムリです(爆)
いいですか?「ME−25」も「G2.1u」も、単なるエフェクターの集合体です。たくさんのコンパクト・エフェクターを1つの筐体に収めてるだけです。コンパクト・エフェクターを足元にずらっと並べていたものが、小さくなっただけです。そして「音」の元を決定しているのは、「ギターとアンプ」です。「××さんの音」を作りたければ、元になる音が同じような音でなければ、そうとうエフェクトしないと同じ音にはなりません。ましてやストラトの音をレスポールで出すとか、その逆にレスポールの音をストラトで出すなんていう芸当はできません。そこまで乗り越えてやるとすると、相当イコライジングの知識、トーンの知識などが必要になります。

そして「VOX Tonelab ST」。これは・・・

「アンプシュミレーター」です。

マルチエフェクトのように使うことも可能ですが、パラメーターの設定は他に2機種のように簡単にはできません。また・・・

「アンプシュミレーター」は、「オーバードライブ/ディストーション・シュミレーター」でもありません。

結果的にはできます。それはアンプをシュミレートすることの延長線上に、アンプの歪みがあるからです。
ただしこの「××さんの音」、マーシャルを使ってBOSSのディストーションを使っていたら、単なるアンプのシュミレートでは、異なった結果になります。歪みそのものはBOSSの音だからです。歪みの元になる波形は、BOSSによって作られたものだ、ということです。
BOSSのOD−3をマーシャルに繋ぐ、またはツインに繋ぐ。コレは簡単に出来ることですが、その違いをシュミレーターで作るとしたら、単純にシュミレーターで「マーシャル」「ツイン」を選んでも出ません。判りますよね、この原理。BOSSのOD−3の音をアンプシュミレーターで作れ!っていうのは、逆にとても難しいことです。

そして初心者の人が「大いなる勘違い」をしている点。これらの機材は・・・

ギター・シュミレーターではありません!

わかりますか?「××さんの音」は・・・

A社のギター
B社のエフェクター
C社のアンプ


で作られています。これを1台の機械を繋いだだけで出そうなんていうのは・・・虫が良すぎません?(笑)。どうしても出したければ・・・

A社のギターのような音の出るギター
C社のアンプに良く似た音のでるアンプ


最低でもこのぐらいの条件が揃っていないと、そうとうエフェクターをいじくりまわさないと、似た音には・・・ならないですよね?少なくともハムバッカーの音に似せるなら、最低でもハムバッカーの付いているギター。シングルコイルの音に似せるなら、シングルコイルの付いているギター。ここからスタートしなければ、似るわけがありません。ハーフトーンの音などは、別のギターでは、不可能だと思います。
そして「ギター・シュミレーターではない」。あくまでも、エフェクターであり、アンプシュミレーターです。

「ギターの音を似せる」

というパラメーターはありません。
結論から言えば、できます。やって出来ないことではありません。ただし・・・私がやっているのは、次のような状態です。

「××さんの音」が出したいとします。ギターはその時使いたいものなので、必ずしも「××さん」と同じもの、あるいは同じ系統のものではありません。ただしハムとシングルの壁を乗り越えるは面倒です。かなりパラメーターをいじる必要が出てくるので、私のギターはH−S−Hが多いんです(笑)。どちらに対しても、アプローチしやすいからです。
次に、ピックアップはリアかフロントかを判別します。シングルかハムかを判別します。「音」でわからない時は、映像を参考にしましょう。できるならライブの映像があれば、わかり易いですね。
まあVOXでやるとしましょう。次にやることは、「歪みの選択」=「アンプの選択」です。この時、それぞれのパラメーターについてる「アンプの名前」は、なんの参考にもなりません。もう判りますよね。「A社のギター」+「B社のエフェクター」+「C社のアンプ」で作られた音を、「あなたのギター」+「VOX」で作るんです。最終的にライブで使うなら、そこに「あなたのアンプ」がプラスされます。それで「××さんの音」を作るんです。とすると間に入ってるマルチ・エフェクターまたはアンプ・シュミレーターは、ギターの違い・アンプの違いを吸収して、尚且つエフェクターをシュミレートすることになります。

シュミレーターによる「歪み」は、大きく分類すると・・・

クリーントーン(これは歪んでません(笑)
クランチ
オーバードライブ
ディストーション
ファズ


この5タイプに分類されます。この5種類は、「歪みの度合い」で区別しています。ここでまず注意!。
めいっぱい歪ませたオーバードライブと、軽く歪ませたディストーションでは、音が異なります。同じぐらい歪んでいたとしても、結果は異なります。当然ですよね。「選んでるアンプ」が違うわけですから。これのどちらなのか?を判断するのは、あなたの耳でしかありません。他人がいくら「この音だ!」といっても、あなたが「似ていない!」と判断すれば、それはもう、話は終わりです。どんな状態でも判断するのは、あなたです。

ただこのVOX。タチが悪いことに(笑)、1つのパラメーター「アンプ」から、ものすごいバリエーションの音を作り出せます。前回の説明の時もしましたね。それがこの「VOX Tonelab ST」の最大の特徴です。特に最終的にアンプに送る信号を、4段階の切り替えと、ボリュームでコントロール出来てしまいます。部屋でいくらシュミレートしても、アンプに繋いだら全然似ていない、ってことが日常茶飯事におきます。そこは・・・「慣れ」しかありません。あなたがこの「VOX Tonelab ST」を熟知できるかにかかってます。

またこの5種類に対して、「エフェクター」をかけることが出来ます。私はこのシステムにも惚れてるんですが・・・(笑)。5種類のアンプシュミレーターで作った「歪み」に対し、再度エフェクトを掛けて、別の「歪み」を作ることができます。当然のことなんですが、エフェクトを掛けてから再度、トーンをいじくりまわすことになります。こんな安い機材ですが、多分Line6やPodあるいはサンズアンプより範囲が広いです。ひとつの「歪み」から、様々な音を作れます。そしてこの5種類の中にも、種類があります。大きく分けると、

ハイに特徴がある音
ミッドレンジに特徴がある音
ローに特徴がある音


です。メタルのバッキングには「ローが出ているディストーション」がむいていますが、リードプレイならハイやミッドレンジがよく出ている音のほうが向いています。これは普通のプレイで考えると、みんながよく言ってる「ブースト」状態ですね。このVOXには、エフェクトに「ブースター」も用意されています。「もうひとつエフェクターを踏んだ状態」を作るには、別なパッチを用意することになります。コレは簡単ですよね。バッキングの音が一つ出来たら、それを隣のパッチにコピーし、コピーされたほうをさらに、リードプレイにあわせてエディットするだけです。音量も音質も変えられます。ついでに他のアンプに切り替えることだってできちゃいます。もちろん、ボリュームペダルで音量をコントロールするのも「あり」です。

それと(笑)、困ったことに、「キャビネット」が様々な能力を持っています。「アンプ」でひとつの歪みを作っても、キャビネットで11種類のバリエーションを作ることが出来ます。そしてアウトの4つの切り替え、及びアウトのボリュームでも変化させられます。例えば・・・「ロー」に関して。低音ですね。これをガッツリ、シュミレートしたとします。ヘッドフォンでは、「すごいローが出ているような音」を作れます。ところがそこで聞こえている「ロー」は、ヘッドフォン内の「ロー」です。アンプのスピーカーをぶっ飛ばすほどのローなのかどうかは、実際にアンプに繋いでみないと、どの程度のローなのかは、判断できません。もちろん、慣れればできます。つまり逆に考えると、同じローの効果を出したい時に、

「実際にローが出ている音」「ローが出ているように聞こえる音」

の、両方が作れます。

ちなみに、私のフェンダーのアンプは、ものすごいローがでます。スピーカーの選定と、キャビネットの改造により、マーシャルやブギー・タイプのクローズド・キャビネットのようなローが出せます。しかも「アンプだけ」でです。従ってローが必要なジャンルの音楽を演る時に、エフェクトでローを出さなくても、アンプでローをカバーすることができます。同じようなことを、JC−120でやることもできます。エフェクターの使い方がすべてなわけではありません。それと・・・

ローを強制的に出せる「魔法のエフェクター」を所持しています(笑)。多分みんなが「えっ?」って驚くぐらい、きれいに「ローだけ」出せるものです。イコライザーの類のものではありません。中古だったら3千円ぐらいで買えるものです。私の「秘密兵器」です(爆)。どうしてもローが上がらないアンプの時だけ、内緒で使います。

話がそれましたが、「どのアンプがどの音?」なんていうのは、ほとんどあてになりません。なぜなら、あなたは自分のギターをブギーに繋いだ時の音を聴いたことがありますか?フェンダーは?マーシャルは?5150は?オレンジは?アンペグは?VOXは?(笑)。元になるアンプの音を知らないのに、名前を頼りにしても、けして似てはきません。CDでも映像でもなんでもかまいません。まずそこから聞こえる「××さんの音」に似た音を作りましょう、すべてはそこがスタートです

よくみんなが「耳コピ」という言い方を使います。これ、おかしいんですよ(笑)。音楽はすべて「耳」でするものです。「だって、楽譜があるじゃない?!」って思うかもしれませんが、楽譜を主体とするクラッシックだって、指揮者がいます。楽譜はあくまでガイドです。実際は耳で聴きながら、周りとアンサンブルする。これが音楽です。コピーだろうが演奏だろうが、耳を使ってやるのは、当たり前のことなんです。Rockでいう「コピー」は、耳でやるのが当然なんです。エフェクターのセッティングが書いてある楽譜が売ってますか?そんなものは、無理にきまってます。ディストーションだけで、いったいどのぐらいの機種が売っていることでしょう。その1台1台が、異なる音色です。「コピー」するのは、フレーズだけではありません。フレーズだけなら、楽譜に書いてあります。でも実際には「音色」もコピーしなきゃいけないし、もっと大事な「間」や「タメ」とよく表現される、「空気感」というか「感触」、あるいは「雰囲気」にようなものまでコピーしないと、コピーしたことにはなりません。そんなものは、楽譜のどこにも書いてありません。エフェクターの使い方も「コピー」するしかないんです。しかも、自分の耳で!

ここに来ている初心者の人、いいですか、よーく考えて下さい。普通のコンパクト・エフェクターのツマミは、3つぐらいしかありません。オーバー・ドライブやディストーションは、ツマミ3つが普通です。じょうずな人達は、それで音を作っています。「1つの音色」を作るのに、そんなにたくさんのエフェクターを掛けているわけではありません。リバーブやディレイは、音色そのものではないですよね。

知恵袋を見ているとよく「そういう時は、イコライザーでミッドをブースとして・・・」なんて書いてありますが、クラプトンもペイジもジェフ・ベックも、イコライザーなんか使ってませんからね。それを書いてる人がもっとうまくなった時、自分はなんてはずかしいことを書いていたんだと、後悔すると思います(笑)。それは、ギターかアンプのどちらかの選定が間違っているんです。「イコライザーで音を整えて・・・」なんてかっこよく聞こえますが、それはギターかアンプのどちらかが悪いということです。そんなことを言ってるのは、せいぜい中級者です。もしも上級者がイコライザーを使わなくてはいけない状況になった時は、もっとピンポイントで周波数を指定しますから。とある目的の時に、通常のグラフィック・イコライザーには無いポイントを動かすこともあるんです。そんなもん、普通は知らなくていいことです。レコーディングになれば、エンジニアがやってくれますから。そういった通常は不必要な機能まで、マルチには入っています。それに惑わされると、前出のようなたわごとを、さもかっこよさそうに言う人が出てくるんです。それは、初心者の人ににも、かっこよく聞こえちゃいますよねえ〜(笑)。でも、不必要な知識です。まあ、まったく不必要ではありませんが、段階を踏んでやってると、自然に取り組む必要が出てくる時があります。それまでは、不必要です。上級者が初心者の人に教える時に「イコライザーが・・・」なんていってるヤツがいたら、そいつはバカです(笑)。ギターはうまいかもしれませんが、教える資格は「0」−ゼロですね。

どんな機材を買うのも、あなたの自由です。ただし、ひとつづつ覚えていくのは、どんなものでもかわりません。逆にひとつづつ学ぶのに、マルチのほうがひとつづつが見えにくいんです。あたりまえですよね。ひとつづつというのは、コンパクト1台づつと言うことですから。

なんども言いますが、マルチ・エフェクターは「諸刃の剣」です。良いところと悪いところが同居してます。でも・・・安いですからね(笑)。VOXは定価1万7千円ですが、化け物マシンです。上級者やプロは、買っても言わないと思います。秘密兵器として使えば、これほど便利なヤツもなかなかいません。細かい使い方なんか、公表する人はいないでしょう。使い方がわかると、それほど便利なマシンです。でもそれは、LineやPodにもいえるんですよね。上手に使ってる人をみると、ほんとにいい音出してますから。

すべては、ひとつずつ、ゆっくりと、自分で。これしかありません。「コツ」や「近道」はありません。そんなものがあったら、みんなプロになってますから(笑)。楽しみながらやる。これに尽きると思います。

魔法の習得は、簡単!

ひとつずつゆっくり覚えていけば、今日もひとつ、明日もひとつ、

使える魔法が増えていきます!

← BACK

inserted by FC2 system