Columu 72

シールドのお話 again 


面白いブログ、見つけちゃいました。あの、物理学者の大槻教授のブログ(笑)。何が面白いって、送られてきたメールに「Q&A」で答えてくれています。読んでると、メチャメチャ面白いです。そしてその中に・・・
 
オーディオ・ケーブル信仰の謎(笑)
 
に関して、書かれているものがありました。概略で言うと、
 
現在の科学で、ケーブルの特性を数値化するのは、すでに可能である。
その特性は、ケーブルの材質に依存し、それらに含まれる不純物により変化する。
ケーブルの特性を数値化するのは可能であるが、「良い悪い」の判定は不可能である。
音の「良い」「悪い」は、リスナーの主観に依存し、数値化できるものではない。
従って、コレを実験・実践する物理学者はいないと思われる。

 
これが概略です。どうでしょう?どう思われます?
オーディオ・ケーブルも音は変わるけど、ギターのシールドも変わりますよね。そして「電源コード」でも音は変わると言われています。

私は「物理学賛成派」(笑)。「大槻教授派」です。ギターもシールドも「違い」は判るけど、「良し悪し」を判断するのは、みんなそれぞれ勝手だと思っています。それをネットの中では、さも偉そうに初心者に「語ってる人」がいます。こういう人っていうのは、自分が選んだものを「良い」と自慢します。さもそれを自分の手柄のように語ります。でも「自分が選んだものは良い」と押しつけますが、他の人が選んだものを「良い」とは認めません。おかしいでしょ?それを選んだのは「自分」。他の人だって自分で選んだものは「自分」。自分の中にある「自分」は認めて、他人にある「自分」を認めないんだよね。ましてや、すべてのものを試したわけじゃないのに。

 

よーく考えてね。
なんのためにギターを弾いているのか?
何をしようとしているのか?
すべては「自分のため」なんじゃないの?
 
そりゃあ「仕事」として音楽を演っている人にとっては、自分のためだけじゃない部分もあると思う。でもギターを弾くのに、他人に左右されるのはおかしいでしょ?
 
「自分ではいい音だと思ってないケド、みんながいい音だと言ってくれてるんで、この音で弾いてます。」
 
こんなギタリスト、いるわけないよね。だったら、千円のシールドでも3万円のシールドでも、自分が納得できるならそれでいいわけだ。こんなこと、悩むほうがおかしいよね。
3万円のシールドを使ったって、今すぐにいい音になるわけじゃないし、今すぐギターがうまくなるわけでもありません。そこにお金を掛けられる人は高いのを使えばいいし、そうでない人はそれなりでいいわけだ。
 
ただし、ただしだ(笑)。確実に「音の悪くなるシールド」もあります。よくギターの「オマケ」に付いてくるようなやつです。1mぐらいで、黒くてプラスチックのジャックのやつ。これは確実に高音・低音がなくなります。これは「シールドの特性」なんていうものではありません。ちゃんと音が伝達できないんです。これは使えても、「自宅でチューニング・メーター」ぐらいです。それ以外には、使い道はありません。っていうか、使わないほうが無難でしょう。
 
「ワイヤレス」も音が変わります。特に「ベースの低域」は、誰が聴いてもなくなってしまいます。ギターも変わるんですが、「それを踏まえて」音を作れば、大きな問題はありません。でっかいステージや、フェスティバルでバンドが入れ替わる時等、トラブル防止と簡単な交代のため、ワイヤレスが必需な時があります。だから「許せる範囲」ってぐらいです。そこまで気にする必要はないかな、って思います。

 

シールドに関して、私は「カナレ派」。「カナレ+ベルデン派」かな。最近はそこに、「フェンダー」が加わり、エフェクター用の短いやつは「モンスター・ケーブル」を使用しています。
 
なぜでしょう?
 
それは、安かったからです(笑)。特に音的になんの問題もありません。「変化」もないような気がします。気のせいでモンスターの金色ジャックはハデですけど、自分にしか見えません(爆)。同じギターを2回続けてライブに使うことはないので、多少シールドや機材が変わっても、わかりません。アンプから出てくるのは、相変わらず「私の音」です(爆)。
 
初心者の人。心配なら「カナレ」か「ベルデン」を買っておけば、何も問題はありません。偉そうにシールド論争をしてる人を、鼻で笑って下さい。そんな論争をしてる人ほど、暇なんです。コレを書いてる私も、暇だって言えば、暇なんですけど・・・(笑)。

お金に余裕があって、「音」がわかるようになったら、いろいろ試してみればいいんです。でもそれは、「自分のギター+自分のアンプで」ですよ。お店で試奏しても、本で読んでも、ネットで見ても、なにもわかりません。自分のシステムを所有した上で、暇ならやればいい程度のものです。私が書いても、信用はないと思いますが・・・(爆)。
 
こういったことを、真剣に研究している人もいることと思います。私はそれを、バカにしようなどとは思っていません。でも、でもですよ。どこかに書く時は、
 
「私は、こう思った。」
「私は、こう感じる」

 
ってハッキリ書いて下さいね。偉そうに書くと、初心者の人は、信じこんでしまいますから。「いい音」は、十人十色。100人いれば、100種類あります。基準をどこに置くかで、まったく変わってきます。その「基準」だって、人によってあいまいです。参考のためにはとても良いんですが・・・。

 

話は変わって「ギター」なんですが・・・(笑)。知恵袋でよく、

「何を買ったらいいですか?」

っていう質問に対し、

「その金額が出せるなら、中古でギブソン(又はフェンダー)が買えます。」

 
???(笑)

初心者に中古を買えと?

ましてや、現行の「ギブソン」や「フェンダー」を?
 

私なら1990年以降のギブソンやフェンダーの現行製品は、絶対買わないですね。

みんな、どこまで「ブランド依存」なんでしょう。
 
「オールドのレスポール」
「オールドのテレキャスター」
「オールドのストラトキャスター」
 

これらには、手にすべき理由があります。なにはなくとも、一度弾いてみるべきです。そして60年、70年、8
0年代ぐらいまでの製品は、年とともに進化・変化していて、年代ごとに特徴があります。オールドとは一味ちがった存在意義のモノもあります。でも90年以降のものに、その存在意義は、見つけられません。ギブソンもフェンダーも年代による進化の過程を知るために、50〜80年代のものには、「ブランド」としてではなく、「ギターとして」の存在意義は、あると思います。

私は現行のギブソンやフェンダーを、初心者に勧める勇気はありません。私から見ると、「それ、なあに?」状態です。レスポールとして、テレキャスターとして、ストラトキャスターとして、「存在意義があるの?」状態です。試奏してもピンとこないし、欲しくもなりません。「魅力がない」って言えばいいんでしょうか。
 
今売っているレスポールは、レスポールであって、レスポールではありません。
今売っているテレキャスターは、テレキャスターであって、テレキャスターではありません。
今売っているストラトキャスターは、ストラトキャスターであって、ストラトキャスターではありません。

 
何を基準に、何の根拠があって、ギブソンやフェンダーを薦めるのでしょう?作りがいい?そんなことはありませんよね。音がいい?それもありませんよね。
とすれば・・・「ブランド」だけ?それに「この値段」を払うんですか?私だったら、とてもじゃないですが、責任は持てません。
 
ツェッペリンが好きな初心者に、現行のレスポールを薦めるんですか?
スラッシュが好きな初心者に、現行のレスポールを薦めるんですか?
けいおん!が好きな初心者に、現行のレスポールを薦めるんですか?(笑)

 
どれもこれも、「的外れ」だと思うんですけど・・・。(まあ・・・けいおん!は正解に近いケド)

 

「いつかは、ギブソン!」

 
「いつかは、フェンダー!」

 
って・・・私が子供の頃。40年前と何も変わってないんでしょうか?(爆)。まさか現行製品を「ホンモノ」って、威張っちゃう人、いないよね。
 
どこが?(笑)
 
いつまで、どこまで、ブランド信仰?それとも、アメリカ信仰?(爆)。そういう人に限って、マーシャル使ってたりして(爆)。
 
いいですか、初心者の人。人の意見を聞くのは大切なことだけど、その前にギターを買って弾き始めることのほうが大事だから。5千円だって、1万円だって、3万円だって、いくらでもいいの。大事なのは楽器うんぬんより先に、「はじめること」。楽器の良し悪しを人に尋ねたら、高いほうがいい、って言うにきまってるんだから。
 
なんでかって?
 
それは誰でも大なり小なり「持ち物自慢」だから(笑)
 
「俺のギターは、オーダーで100万円!」
 
って言われたら、スゴく偉そう聞こえるだろ?。だったらその人に、
 
「じゃあ、当然プロなんでしょうね?CD、聴かせて下さい!」
 
ってきいてごらん。99.99%の確立で、アマチュアだから(笑)。アマチュア同士で値段を言い合っても、ただの「持ち物自慢」だろ?。その100万円のギターは、なんの根拠もないし、誰も聴いたことない音なんだから。
 
「俺のはギブソンだ!」
「俺はフェンダーだ!」
「俺なんかPRSだ!」

 
って・・・演奏じゃなくて、「持ち物自慢」だから(笑)。「お宝自慢」?。

私からすれば「だから、何?」なんだよね。
 
これ、シールドもギターも同じだから。ギターを自慢しても、シールドを自慢しても、アンプを自慢しても、なんにもならないの。勿論、音を自慢してもだよ。結果が出せるのは「曲を弾いた時」「音楽を奏でた時」なんだ。その素晴らしい(笑)機材を使って、「どんな音楽が作られたか?」。それがすべてなわけだ。

 

いいですか。「同じ楽器」を語るのでも、みんな「立場」が違うんだ。
 
ギターを作る人
ギターを研究してる人
楽器屋さん
アマチュア演奏家
プロの演奏家

 
などなど。同じギターを語っても、「目線」が違えば、おのずと「書き方」−表現の仕方が変わる。その論点も変わるし、内容も異なってくる。ところがネットのHPやブログでは、それが一緒くたになって「文字」になってくる。「ギターの良し悪し」を語っても、作る人の目線と、弾く人の目線は、全然ちがうところにあるんだ。まあこの「JUNK」のように、その中間でプラプラしてる立場(笑)の人間もいるんだけど。

作る人の立場から言えば、オールドのオリジナル・レスポールと現行のレスポールは、まったく別物。でもネットでへらへら書いている人にとっては同じレスポールなんだ。作る人や研究してる人にとって年代毎のレスポールは全部「別物」なんだけど、レスポールが好きな人にとっては、「自分の使ってるレスポールがすべて」、でしょ?。ましてや現行品なんか、まったく「別世界のもの」だから。そんなモン、「買え!」って言うなんて・・・無責任極まりないと思うのは、私だけでしょうか?
 
実際に自分で弾いて選んで、「良い物だった。」っていうのは、全然構わないよ。誰がどんなギターを好きになろうとも、それは個人の勝手。5千円だろうが1千万円だろうが、他人にとやかく言われる筋合いはないよね。君が5千円のギターが欲しければ、それはそれでいいんだ。ただちょっとギターがわかってると、「値段なりに難はありますよ」って事を、言いたくなるんだね。私なんかは、5千円でも3千円でも全然OKだし。実際にそれで練習してるし、ライブしてるし。30万円払うと、すべて「良いギター」だと思ってる?(笑)。どんなモノにも「当たりハズレ」はあるし、「好み」もあるんだよ。
 
私は「自分が使った事がないモノ」に関しては、何も言わない。世間の風評が定まっていて、ほとんどの人が使わないギターもあるよね。それは私も聞いてる。でも「自分が使った事がないモノ」に対してなんか言うのは、おかしいでしょ?。でもネットでは、1回ぐらいチョコッと弾いただけでモノを判断できる、素晴らしい人がいっぱいいるわけだ(笑)。私はフェンダーのジャガー・ジャズマスター・ムスタングに対しては、何も言わない。いや、言えない。弾いたことはあるけど、好きじゃないから、興味ないし欲しくないし所有しない。そんなモノにたいしてあれこれ言えるワケ無いジャン。国産車に乗ってる人がベンツに対して「値段が高い!」「燃費が悪い!」って悪口を言う。でも「金持ち」の人にとっては、「値段が高い」のも「燃費が悪い」のもどうでもいいことで、それより「世界最高峰の安全性」や「運転しやすさ」のほうが優先するんだね。軽自動車で「乗り心地が良い!」って言う人もいれば、プリウスで「乗り心地が良い!」って言う人もいるし、ベンツで「乗り心地が良い!」って言う人もいる。それをただ単に「車」っていう言い方で括ってみても、話は噛み合わないよね。それじゃあ「車」はベンツがすべてなのかと言えば・・・そうではないでしょ?。軽自動車も大型トラックも、みんな「車として」必要なもの。でも、乗らなければ始まらない。運転しなきゃ、始まらないモノだよね。
 
「初心者」は、ものを知らないから「初心者」なんだよね。でも、きつい言い方かもしれないけど、「モノを知らない」のと、「バカ」なのは・・・違うよね?(笑)。「それのドコが違うの?」って言うかもしれないけど、残念ながら「おバカな人」は、それすら疑問に思わないから(爆)。けして自分の事だとは思わないし(苦笑)。私は自分が限りなくその「おバカな人」に近いので、一生懸命考えようとするだけ。だからここでみんなに「おかしくないですか?」って問いかけてるだけ(^O^)/
 
話は「大槻教授」に戻るけど(笑)。すべては「本質を見ること」「根本を認識すること」にあるんだと思うの。私のように「安物のギター」でも、「音楽」は十分楽しめるんだ。「ギターを研究する事」と、「音楽を楽しむ事」は、まったく別次元で話もできるし、同じベクトルの上で話をすることもできる。「曲をコピーする」っていうのが、「フレーズのコピー」なのか「音色のコピーなのか」。はたまた「弾いてる人そのものまでコピーする事」なのか。同じようでいて、同じじゃないよね?。そのなにもかもを混ぜこぜにして考えるから・・・「何をすればいいですか?」なんて、トンチンカンなことを言う人が出てくるんだね。
 
「ギターを買ったんですけど、まず何をすればいいですか?」−することがわからなければ、何もする必要はないよね。初心者だから、何をすればいいかわからないって?。小学校4年生の私に出来たことが、みんなは出来ないのかな?。
「ドレミのドはどこ?」−普通に考えられないのかな?ピアノの前に座った瞬間、「教則本を買おう!」なんて思う人、いるの?(笑)。まずは「ド」をみつけて、弾き始めるのが普通じゃないの?音を出してみて、「楽しい!」って思ったら、次には「曲を弾きたい!」って思うんじゃないの?「このピアノ、無名メーカーだから、いい音がしない!」なんて思う人、いるの?「チューニングがあってない!」なんて思う人、いるの?。
 
すべては「情報過多」−情報が多すぎるんだね。いろいろなものが目に入りすぎるから、自分のしたい事の本質が見えてない、ってこと。これね、ある程度弾ける人は、この「迷走」すら楽しいのは・・・わかるよね?(笑)。新しいギターを買うと、「今より練習するんじゃないか」とか、「今よりうまくなるんじゃないか」なんて(爆)。そういって自分を納得させて、新しいギターを買ったり、本を買ったり、CD買ったり(笑)。でも、何をどうしようが、自分は自分。うまくなるには、地道な練習しかない、って気付いてまたあきらめる(爆)。でもそこまでいけてれば、それはそれで楽しいよね。そしてそれを見た「初心者」が、よけいなことを考えるわけだ。

 

買う前に悩んでもしょうがない。同じ悩むなら、買ってから悩めばいい。シールドで悩むのなら、カナレとベルデンを買ってみればいい。どうせエフェクターを使うなら、2本必要なんだから。そしてそれを自分のギター、自分のアンプで、聞き比べをしてみればいいだけのこと。そして次には間にエフェクターを挟んで、カナレ→ベルデン、逆にベルデン→カナレって試してみればいい。2種類のシールドの違いが君の音に直接影響すると思ったら、また別なものを買って試してみればいい。ネットで、本で見ただけでは、何も始まらないよ。
 
そして、ひとつだけ教えておこう。君はこうやって「シールドの聞き比べ」をする。そして「音」がわかるようになるかもしれない。でも、いいですか。ギターはうまくなりませんからね。こんなことに時間を費やしても、君のギターの腕が上がるわけではありません。「音」だって、散々やって、「わからない!」っていう結論が出ちゃうかもしれません。どっちにしろ、「ギターの練習」にはなりません。こんなことをしてる前に、1曲でも多くの曲が弾けるようになるほうが、得だと思うんですが・・・。

  
 
今回は、話があっちこっちに飛びましたね(笑)

暑いので、頭の回路がショートしています(爆)

 
この2週間で次のライブのために7曲コピーして、アコースティック用にアレンジしました。部屋ではずっと「フォトラト」を使っています。アコギは相変わらず「トーカイ」です。もう一人のギターのすずやんも、激安アコースティック・ギター(笑)。カホンのみいさんは、宮城が誇る世界のカホン「アルコ」をぶっ叩いています。

でもみんなご機嫌に演奏しています。安い楽器だからどうのこうのなんて、誰も言いません。演奏して、楽しんで、より高い完成度を目指して、スタジオで練習しています。まずは「演奏ありき」です。そんなことより、コードの音のトップノートを半音上げるか落とすかを、2人で悩んでいます。私達はプロではないので、「楽しむコト」のほうが重要です。そして意外と・・・真剣です(爆)。

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