Columu 74

オープンコードの世界!


 

まいど!ときたです。今日は何の話かというと、「オープンコード」です。

 

オープンコードって・・・なに?(笑)

 

オープンコードを簡単に説明すると、「開放弦を使ったコード」です。何をするものかといえば、アコースティックギターを弾くとき、その最も響きが良く、美しい音である開放弦を多用して、普段使わないであろうフォームで、美しく伴奏しようというものです。ですからメインは、アコースティックギターです。ですが・・・、実際にはエレキのプレイでも十分使えます。

また今や市民権を獲得しつつある「ソロ・ギター」と呼ばれるジャンル。これは突き詰めれば「オープンチューニング」のほうが良いのですが、それを普通のチューニングで同じような効果を得る、または普通のチューニングで「ソロ・ギター」を弾く場合の、基本的な考え方になっていたりします。なので、覚えて損はないし、部屋で一人でギターを弾いて恍惚になりたい人(俺!笑)向けのものでもあります。私はアコースティックギターでの伴奏の場合、積極的に使っています。ある程度アコースティックギターを弾いてるひとは、それなりのことは覚えてしまいますが、積極的に使っているアマチュアの人は少ないです。弾いていてとても気持ちがいいし、ハッタリもききます(笑)。今日はそのあたりの入門編ということで。

あせらずに、じっくり読めば、誰にでも理解できます。その内容はといえば、小中学校の「音楽の時間」に習ったものに、毛がはえたようなもんです(笑)。っていうか、みんな授業で教わっているんですけどね(爆)。どんだけ授業を聞いてなかったの?みたいな(^O^)/。せっかく先生が「タダ」で教えてくれたのに・・・。

 

 

1,アプローチ

まず、むやみやたらにカタチを覚えてもしょうがありません。基本的な「考え方」を覚え、あとは自分で処理できるようになって下さい。なにせ「コード」は、通常使うだけで500ぐらいあります。カタチだけ覚えてもしょうがありません。必要の無い人にとって、一生使わないものもあるでしょうから(笑)。

まずは基本的なアプローチです。とにかく「開放弦」を使うということです。とすると・・・勘のいい人ならわかりますね。ある程度「開放弦」によって、使えるものが限定されるということです。

 
6弦
5弦
4弦
3弦
2弦
1弦

 

これが開放弦の音。これの「ベース」になる低音弦に注目して下さい。アコースティックギターにおいて低音の開放弦の持つ響き−「低く響くこと」と「長く響くこと」は、とても魅力的であり、尚且つ少人数−1人や2人で伴奏を完結させるには、とても重要な役割を果たします。とすると・・・使える「ベース」は、6弦・5弦・4弦。そこから導きだされる答えとして、

 

「キーがEまたはA、またはDの曲であること」

 

が前提条件になります。そこで疑問。

  

他のキーの曲に1箇所だけオープンコードを混ぜてもいいんじゃないの?

高音弦はベースにはならないの?

 

実は、どちらも「可能」です。可能ですが・・・それはこの「オープンコードの使い方」を覚えてからの「応用編」になります。ここではまず基礎的なところを知って下さい。応用は・・・無限にできます。

 

2,コードの理論

一挙に難しくなりましたね(笑)。いや、ゆっくり覚えれば難しいことなどなにもありません。・・・が(笑)、基礎だけは押さえましょう。

コードの考え方の基本は「ド・ミ・ソ」。いわゆる「C」のコードですね。これは「トライアド」−「三和音」あるいは「長三和音」と呼ばれます。簡単に言えば「メジャー・コード」です。コレに対し当然「マイナー・コード」がありますね。「短三和音」になります。この2つに対し4つ以上の音で構成される「四和音」があります。これは「三和音」に対し何かの音を加えることにより、別の和音を作ることを意味します。一番簡単な例が「セブンス」。「C7」がコレにあたります。4があるということは、5も6もあって永遠に増えていく・・・(笑)。まあ、ある程度は増えていきます(爆)。ただしギターは弦が6本。「六和音」までしか作れません。ピアノだと指が10本。「十和音」までですね。ただしそれが必ずしも「曲」のなかで使えるわけではありません。ロックやポップスで使われるモノは、ある程度限られてきます。

この「四和音」の「4つ目の音」。コレを通常は「テンション・ノート」と呼んでいます。「7」がそのテンション・ノートだとすると、1・2・3・4・5・6・7・8・9・10・11・12・13・14・15・16・17・・・(笑)。ウソです。通常は「13」までしか使いません。このテンション・ノートを「長三和音」「短三和音」の加えていくことににより、複雑なコードネームが生まれてきます。ただし通常の「7」や「メジャーセブンス」、あるいは「SUS4」などは、テンションノートとは言いません。あくまでも「四和音」になります。だから・・・普通の使うコードに「数字が書かれたもの」「数字の表記が増えたもの」と思っていれば、間違いないです。

なぜ最初からこんな難しい話をするかって?(笑)。それはこの「オープンコード」においては、「テンション・ノートを含んだコード」が「普通のコード」になってしまうからです。「オープンコード」は「何かのコード」の変わりになります。しかしその「オープンコード」そのものには、とても複雑な名前がつきます。「和音」という理論において、上記の「長三和音」「短三和音」のプラスして「増三和音」「減三和音」もあります。「ディミニッシュ」や「フラットファイブ」。あるいは「オーギュメント」や「シャープ(プラス)ファイブ」などがこれにあたります。オープンコードではこれらの名前が、普通に使われます。でもそれは基本的な和音が変化したものなんです。「ディミニッシュ」や「オーギュメント」のように、使われる場所が限定されるものを除いて、基本的な「三和音」が変化したものだと思って下さい。「オープンコード」がわかるようになると、一挙に「和音」を理解できるようになります。

 

3,ベース音

これは通常「ルート」、または「ルート音」と呼ばれます。これがないと和音は、とても不安定なものになります。「C」の和音のルートは「ド」です。つまりこの「ド」の存在がはっきりしている限り、「ド・ミ・ソ」「ミ・ソ・ド」「ソ・ド・ミ」のような変化があっても、その和音は「C」と認識されます。ところが同じ「ミ・ソ・ド」でルートが「ミ」−「E」に変わるとそれは「Em♯5」と理解されます。それだけ「大事な音」「大事な役割」をするもんなんですね。

そして私達ギター・プレイヤーなどロック・ポップスを弾く人は「キーはC」「ルートがド」という表現をしますが、一般の楽器の方達には通用しません。この「キーがC」は、「調性がハ長調」であることを指します。大体にして他の楽器には「コードという概念」がありません。普通のピアノ奏者に「C」と言っても通じません。精々通じるとして「Cはドの英語名」としか認識されません。ドイツ語だと「ツェー」ですね。その「ド」を我々は「ルート」と呼び、「ハ長調の三和音」を「C」と勝手に呼んでるだけです。ギターを中心にしたロック・ポップスの独特の考え方、呼び方です。ただし、基本的な役割は同じだし、同じモノを指しています。そして「楽典」−「和声」からも、そうそうはみ出しているものでもありません。もとは同じですが、より自由度が高くなったものとして認識して下さい。

 

4,初級編

まずはゴチャゴチャ言う前に、ひとつ覚えてしまいましょう。題材は「E」−「Eのコード」を中心に、「キーがEの曲」で使えるコードを覚えましょう。

 

 

ちゃんと音が鳴るかな?♪を押すと、音が鳴るはずです。

実はこの「Eのローコード」。「オープンコード」として要件をすべて満たしているんです。上に書いた「ベース」−「ルート」が開放弦で鳴っています。そして1・2弦が開放です。これを「F♯m7」「G♯m7」に変化させます。

 

はい。上の「E」から順番に弾いて下さい。コード進行はあくまでも「E→F♯m7→G♯m7」なんですが、6つの弦の音のうち、3つの開放弦はずっと同じ音で鳴り続けます。これが「オープンコード」です。

 

では次に「キーE」に不可欠な「A」と「B」を同じく「オープンコード」で作りましょう。

 

あ〜ら、不思議(笑)。音はたしかに「A」と「B」なのに、コードのカタチは「Eの兄弟」になります。これが「ベース音」−「ルート」を「E」にするっていうことなんです。

 

ここにでてきたE以外の4コのコード。実は、「ものすごいコードネーム」が付きます。今は単純に「E→F♯m7→G♯m7→A→Bですよー」って言ってるからそう聴こえるだけなんです。この「オープン・コード」というのは、ものすごく複雑な音なんです。でも実際にその「ものすごいコードネーム」を表記しちゃうと、譜面がとても見にくくなります。なので「オープン・コードを表記する時」は、「作者が意図してるコード・ネーム」を表記してしまい、実際に別途「押さえるフォーム」を指定した方がはやいんです。なので今は「簡単な表記のほう」で覚えて下さい。難しい名前が理解できるようになったら、難しいほうを使って結構です。さて・・・(笑)

 

話を戻します(爆)。この5つのコード・フォーム。すべてが「ルートE」の開放弦と、1・2弦の開放弦が鳴り続けています。順番に上がって下がってすると、とても美しい進行になっています。そしてこのように高音弦を同じ音で保持することを通称「ペダル」と呼んでいます。低音弦でも「ペダル」と表現することもあります。そして和音の最高音を「トップ・ノート」と呼び、このようなパターンを、「トップ・ノートとルートをペダルにした進行」と呼びます。そしてそれを何事もなかったかのように普通の顔をして使っちゃうのが、この「オープンコード」なんです。

 

このパターンを見て、何か思い出した人、手を上げて!!(笑)

みんな聴いてるでしょ?これ!。

 

コレハ、ナンデスカ?(笑)

    

 「1⇒2⇒3⇒3⇒2⇒1」右に行ってから、左に戻ってみてください。そう、エリック・クラプトンの「Change The World」のイントロです。素晴らしい「解釈」ですね。3番目のコード、「G」になってますが、実際には「Em7」と解釈されます。

  

みんな実際に押さえてる「カタチ」を見て下さい。3本の弦を押さえているのがみんな「Eのローコードの親戚」なんです。これはオープンコードの「最大のヒント」なんです。つまり・・・

何らかの「ローコードのフォーム」をどこかに移動することによって、「別のコード」になるんです。その時に開放弦をベース、あるいは他の弦の開放をペダルにすることによって複雑なテンションを作り出すのが「オープンコード」なんです。では初級編のパターンをもう2つ。

 

これはキーが「A」のパターンですね。「A」「Bm7」「C♯m7」の進行になります。

前出の「Change The World」の次のパターンがこれの変形だったりします。

   

開放弦が「E」「A」ときましたので・・・(笑)

これが「キーD」の進行。トップがペダルにはならなくなります。でも「D」「Em7」「F♯m7」と、前の2つと同じような進行になります。

ここまで見てきてわかるように、実際に代理として使うコードと、それに付くコードネームは違っています。正確には付けられないわけではありません。この「D」のパターンでも、実際のコードは「D」「Em7」「F♯m7」ですが、このチャート上では「Dの親戚のコード」として表示されています。あくまでも「ルートがD」なので、「Dの親戚のコード」。でも伴奏する上では、他のコードネームになります。それでは、もう少し応用編に行きましょう。

 

5,中級編

今までは「ルートの開放弦」を使っていました。今度はルートの開放弦を使わず、トップのペダルのみを使ってオープンコードを作ります。考え方は同じです。一部、ルートの開放も使います(笑)。みんが普通につかってるんですが、オープン・コードとして認識してなかったりします。 

なんのことは無い。「Eのパワー・コード」です。ただし、普通は1・2弦を弾きませんね。パワー・コードは低音弦のみです。そこに高音弦の音を足して、オープンコードにしています。ではこの「パワー・コードのフォーム」のまま、「A」と「B」のコードを作りましょう。

ついでだから、「C♯m7」も作りましょう・・・って、カタチは同じです。

   

これで「E」のオープンコードの基本的なカタチはみんな出てきました。

 

基本的?(笑)

  

そう、あくまでも「基本的なカタチ」なんです。というのは、今まで出てきたフォームのうち、1本の指を別の場所に動かすだけで「別のコード」になります。それは、どのコードもです。そして1本動かすことが出来るとすれば・・・1本足すこともできるわけです。そうするとそれは「テンション」が動くこともあれば、「別のコード」として解釈されることもあるわけです。そこは各自、研究して下さい。めんどくさいケド、楽しいです。楽しいケド・・・めんどうでしょ?(笑)

 

6,上級編

「もうひとつのパターン」があります。「ルートのベース」も「トップのペダル」も無いカタチです。特殊なカタチに思えますが、有名な曲で「印象的なフレーズ」があったりします。

 

  

サイモンとガーファンクルの「4月になれば彼女は」のイントロです。これは最初の「G」がすでに「G on D」で、変則的なんです。4弦の開放の「D」をペダルとして使うんですが、キーが「G」なんです。でも聴いてるとちゃんと「キーがG」として認識される不思議な進行です。とても美しいイントロですね。このまま「オープンのD」に解決して「G」に戻るという、天才的な使い方。

  

こっちは、ポール・マッカートニーっていうか、ビートルズの「ブラック・バード」の演奏です。

  

これは「ツー・フィンガー奏法」で弾くように出来ています。いやあ〜、美しいですねえ〜。並みの人間にはとてもじゃないけど、思いつかないフレーズです。しかも3弦Gの開放弦をペダルにして、ずっと3本の弦しか弾きません。この曲は、全部のコードにこの3弦Gのペダルを入れることによって、逆に複雑なテンションを作っています。オープンコードの見本のようなプレイです。

 

7,超初級編

・・・(笑)。

 

なぜ逆戻りしたかというと、実は普通のプレイでも、意識せずに「オープン・コードの原理」を使ってたりします。もっとも簡単なな例が・・・

 

誰でもやってるでしょ?「キーがC」で、「C」→「F△7」を弾くと、トップの1弦がペダルになっています。誰が弾いても、きれいに聴こえますよね。「C△7」→「F△7」だと、もっと美しいです。

 

他にもみんなやってますよ(笑)。 

 

「4月になれば彼女は」の後半のコードと同じようなものです。この2つのコードに共通してるのは3弦Gのペダル。そして1弦のGを小指で押さえることで、開放弦のGの1オクターブ上のGをペダルとして追加しています。試しに小指を離しても、同じように進行することができます。これはG音を強調することで、さらに美しさをアップする良い例ですね。

オープンコードには「音に困ったら、1オクターブ上の音に逃げろ!」という卑怯者の論理があります(笑)。3度の音をオミットする−いわゆる3度の音を抜いて、オクターブの音を増やすことによってマイナー・メジャーの調性を曖昧にし、オクターブ音を増やすことにより、「コードらしさ」を保ちます。ほんとうはオクターブの音をいくら重ねても、和音にはなりません。「ド」を何個重ねようと、ドはドにしかなりません。ただ「ド」をオクターブ違いで3音重ねたところに、5度の音−「ソ」がひとつ入るだけで、急に和音らしく聞こえてきます。オクターブの音を重ねるのは、12弦ギターと同じ論理です。同じ音階の音でも、オクターブ離れて、ほんのすこしピッチがずれていると、美しい音に聴こえてきます。「ズルすること」も、オープンコードの大切な要素だったりします。同じような重ね方でもほんの少し変えるだけで、別物になって聴こえることがあります。

  

同じ「G」→「C」の進行ですが、トップを押弦で2つの音をペダルにしています。もちろん3弦Gの開放もペダルです。こんなことは、普段からみんなが普通にやってることです。でも「考え方」としてオープンコードの方から見ると、あきらかにオープンコードの変形−バリエーションだったりします。この流れのまま「D」に移っていけば「Dsus4」→「D」が自然な流れとして出来てきます。

 

開放弦が無くなった変わりに、トップのペダルを、ギリギリまで保持します。実際には「Dsus4」は、いらなかったりします。ただ「トップノートをペダルとして保持」したら、たまたま「D」が「Dsus4」になった、ということです。

 

8,その他の応用編

これも大変美しい進行です。キーは「Dm」。アルペジオで弾いてみて下さい。カタチとしては、3弦の音が半音進行で降りてきます。これは実際はこの3弦は「ルートの音」です。ベースが下降しているのと同じなんです。ところが4弦開放の音が「D」で保持されているため、音的には不安定な進行なのに、「下降フレーズ」として成り立っています。2弦の音−3度のマイナーな音が保持され強調されるため、とても暗いイメージがずっと継続されています。

このポジションは・・・非常に応用範囲が広い音です。ちょっと変えると・・・(笑)。いろいろなバリエーションが生まれてきます。その辺は「自分で見つけて」下さい。「自分だけのオープンコード」が見つかると、それはそれはギターが楽しくなります(^O^)/。

 

もうひとつぐらい出しましょうか(笑)。

 

今度は「A」の下降です。考え方は「Dm」と同じです。まあ・・・ヒントとして・・・ひとつ。

  

「マイナーの隣は、すぐメジャー」(爆)

  

指を1本動かせば・・・(笑)。わかるよね。そして・・・

コレをマイナーにして押弦したスタイルが・・・天国に上る階段だったりします(爆)。

  

  

9,総集編

なんとなくわかってもらえたかな?。「オープンコードが存在すること」が、一番わかりやすいポジションで書いてみました。実際には、もっともっとわかりにくい場所での複雑なコードがあります。音を聴いてる人にとってはなんでもない、ただの「美しい音の配列」にしか聴こえないけど、実際はとんでもないポジションで、指がつりそう(笑)なフォームもあったりします。ジェリー・ドナフューは、これを最も得意としています。実際にジェリーは、開放弦で保持された音を、ヘッドの「ペグとナットの間」を押して「ベンド」−チョーキングしたりします。ジェリーはこれを、「コードを押さえたまま」やったりします。まさに、超人プレイ。我々凡人がやると、まちがいなく手がつります(笑)。

 

今回出てこない「キー」が、いくつかあります。その最たるものが「キーF」と「キーB♭」。そう、もともと「ローコード」が無いんですね。「キーE」の中に「B」は出てきましたが、それと普通に「キーB」で使う場合は、また別になります。でも・・・(笑)。わかりますよね。「キーがF」であれば、カポタストを1フレットに付ければ、「キーE」としてプレイできます。また「キーB♭」も、カポ1で「キーA」としてプレイできます。キーにシャープやフラットが付いても、カポタストがあればなんの問題もありません。すべてが「応用」です。

 

それともうひとつ。「ルートの音」のペダルは、Bassのフレーズに応用されます。バンドで演奏する時は、ベース・プレイヤーに保持してもらうと、ギターはとても楽になります。そして「トップのペダル」。これはキーボードにサポートしてもらうと、とても楽になります。ここに出てきたオープンコードの「ペダルになってる音」を、シンセで「ストリングス」にやってもらうと、「ストリングスとして弾くべきフレーズ」が見えてきます。つまり、それを「一人で演っているのがオープンコード」だったりするんですね。だから美しく聴こえるんです。もちろん、この「オープンコードの理論」を、普通のコードに持ち込むこともできます。エレキギターなら、開放弦をまったく使わなくても、普通に押弦して「擬似オープンコードのアルペジオ」を作ったり出来ます。これらすべては、「応用」になります。ドコに何を持ってくるかは、弾く人のセンスしかありません。

 

10,まとめ

先日「ジャズフェス」で何人かのプレイを見たんですが、「カーター・ファミリー・ピッキング」「スリー・フィンガー」「アルペジオ」などの基本中の基本のワザができなくて、ジャガジャガ弾いてガーガーわめいてる歌ばっかりで、とてもがっかりしました。1曲の中で複雑に切り替えられなくても、何曲かのうちにこれらを織り交ぜられれば、ものすごい「緩急」がつくはずです。ジャガジャガ弾いてガーガーわめいてるのも「ひとつのスタイル」だとは思いますが、「出来ない」のと、「出来るけど使わない」のでは、プレイの深さが全然違います。「知らない」のと、「知ってるけど使わない」では、まるっきり意味が違います。ほんのちょっとしたことで、プレイに幅が出ます。「うまそうに見える」だけで、聴いてる側の受け止め方がまったく違ってきます。「あんまりうまそうに見えない」のと、「なんとなくうまそうに見える」のでは、雲泥の差があります。ひとつひとつの表現に対する聴衆の受け止め方が、まったく異なった状態になります。実際には、ほんのちょっとした「差」しかありません。そのどちら側にあなたがいるのかは、「あなたの努力」が決めます。他の人には、どうすることもできません。

このオープンコードも実際には、「ちょっとしたワザ」です。歌の中は同じでも、イントロに使うだけで、うまそうに見えます(笑)。だってすくなくともそこには「努力」があり、使ってるひとは「習得」してるわけですから。それなりに「練習してる」ってことです。「表現」は、先天的なセンスうんぬんを抜かせば、あとは「努力」で得られる「技術」です。毎日の「ほんのちょっとした積み重ね」が、最後には「差」として現れます。私達は「プロ」ではありません。だから「絶対習得しなければいけないこと」など、何もありません。でも「技術」は身に付けば・・・楽しいですよね?。

 

それを「やる」「やらない」は・・・、あなたの自由です。

私は昨日よりほんのちょっとでもいいから、「うまくなりたい」だけです。

 

 

追記

最近ですね(笑)。困ったことに「ロー・コード」と「オープン・コード」を一緒くたに教えてる「初心者の先生」が多いんです(爆)。どんどん勝手な解釈であっちこっちに書きまくってるので、「ロー・コードとオープン・コードの区別が付かない人達」がみな、これを「同じモノ」と認識しちゃってるんですね。

元々ですね(笑)。「オープン・コード」なんてものは、世の中には無かったんです。30年前のギターの教則本を見れば判ります。そんな単語、ドコにも出てきません。「ロー・コード」は、昔からあるんですよ。コレは「ロー・コードとハイ・コード」「ロー・ポジションとハイ・ポジション」。これは同じ意味で使っても、ダイジョウブです。ほぼ、同じ意味でみんな使ってますから。「ロー・コード」というのは・・・

  

「1フレットから3フレットの間で構成される、簡単に押さえられるよう考えられたコード」

  

なんです。そして結果的にその特徴として・・・

 

「そのほとんどが、開放弦を含むカタチ」

  

なんです。そしてそこにはCからBまでのコードがあります。そのCからBまでのコードで、唯一「ロー・コードに該当しない仲間はずれ」が・・・、そう「F」なんですね。「F」だけは、「開放弦を含まず、尚且つセーハ(バレー)するカタチ」なんです。

実際には「B♭」も1フレットから3フレットの間にあります。ところがこれは「F」のように、仲間はずれにすら分類されません。ナゼでしょう?(笑)。ここまできてる人ならわかりますよね。そう、「最も簡単であるCから始まる曲に、B♭はほとんど使われないから」なんです。そして「F」は、「キーがCの曲」には必ずといってほど登場してきます。だからこそ「Fは初心者の、最初で最大の難関」なんですね。実際にはハイポジションの「G」も「A」も、ただ「F」をスライドさせたカタチ。でもこれは「F」のように「初心者の壁」と呼ばれることはありません。そうですね。もう、お判りでしょう(笑)。「G」も「A」も、「ロー・コード」には、「簡単なカタチ」が用意されているからです。

 

これもやっぱり・・・時代の流れなんでしょうか・・・(泣)

便利だと思って作られた言葉が、いつの間にかウヤムヤにされてしまうんですね。

特に・・・「ネット」のおかげでみんながバカになっていくかと思うと(笑)、

淋しい気持ちになります(爆)。

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