Columu 87

CDが売れない!!


この問題については、もう10年以上前から結果がわかっているのに、手を下さなかった日本のレコード会社が悪いので、今更じたばたしても始まらないです。iTuneが出てきた時、

  

「なぜ、日本のレコード会社がやらないのか?」

 

という私の問いに対して、返ってきた答えが・・・

 
「手間がかかる」「メンドウだ」

 

これが答えでした。結果、どうなったかというと、「レコード会社から、販売経路が消えた!」です。これはYoutubeの時にも散々言ったはずです。「日本のレコード会社」は「邦楽の資産」を沢山持っています。それを全てデジタル化し「日本独自のネット販売網」を作るべきだったんです。ところがこれが、却下されました。
 
では「現物のCD販売はどうか?」というと、結局は「Amazon」の1人勝ちです。これもやはり「日本独自の販売網」「レコード会社主導の販売網」を作るべきだったんです。なぜなら「Amazon」は「CD屋」ではありません。「なんでも屋」です。CDが売れなくたって、対した問題にはなりません。最終的にCDが売れなくなったら、ほんとうにコレもやめてしまうでしょう。そしてその時には・・・日本には「CDの販売網」が無くなっているんです。これらの勢力によって、「街のCD屋さん」は駆逐されてしまいましたから。
 
私は絶対にiTuneに「邦楽の販売権」を与えるべきではないと力説していました(笑)。「洋楽のみ」であれば、これほど日本に食い込めなかったハズです。しかも・・・iTuneの販売先は「世界が相手」です。けして「日本のマーケットのみ」ではありません。日本での売上げが悪くても、アメリカや他の諸外国で売れれば、なんら問題は無いわけです。しかし外国のレーベルがiTuneに魂を売ったのと同じに、邦楽もiTuneに魂を売ってしまいました。
 
そして「Youtube」と「着うた」です。ユーザーに対し「宣伝」という名目で「音楽をタダでバラまく」ことを選択しました。Youtubeに対しても、音楽業界は断固たる態度で望むべきだったし、「携帯を売るために、音楽をオマケに付ける行為」は、やめるべきだったんです。
 
それでも一時的にはダウンロードが増えて、安定したかのように見えました。ところが・・・ユーザーは「音楽はタダ」だと認識してしまったんです。いまさら金を払う気はありません。有料のところをみんな避ければ、行き着くところは「Youtube」しかありません。いくら「包括的契約」で金が支払われようが、ユーザーにとっては「タダ」なのが「Youtube」です。「宣伝費」を払って、タダで「音楽」をバラまいて。これでダウンロードが減ったら・・・全てはおしまい。生き残るのは「iTune」「Amazon」「Youtube」だけです。「邦楽の資産」がいくらあろうともその「販売網」は、この3つのどれかを選ぶしかないんです。
 
「音楽の売上げ」が落ちたのは、1990年以降です。これはレコードがCDに変わった時。その「CDというハード」を作る会社によって進められました。この時点ではまだ、バブルの余韻がありました。気分は「イケイケ」でしたが・・・肝心のミュージシャン達が付いてこなかったんです。この「CDというハード」を推し進めた「家電系の会社」の多くは、「レコード会社の親会社」です。そして「PC系の会社」が背中を押しました。ミュージシャンの反対など、どこ吹く風です。反対する大物ミュージシャンは多く、結果、「CDにならないもの」−今まであった60〜80年代の音楽が「CDとしては存在しない」という現象が起きてしまったんです。
なので90年代には「商業Rock」などという、ありがたくない音楽が主流になりました。いわゆる「売れ線」のみがCDとしてリリースされ、売上げがみるみるウチに落ちてきました。「売れ線」−音楽のレベルはどんどん落ち、それまで「レコードを買ってくれていた人達」が、まったく参加しなくなってしまいました。実際に90年代のCDは、物理的にも音が悪いです。ただでさえ80年代後半から「デジタル・レコーディング」が入り込んできて、みんなうまくいかなくなった頃です。そこにトドメを刺したのが、00年代に起きる、「旧レコードの再CD化」でした。
60年代〜80年代の「レコードだったもの」が、CDとして販売されます。とりあえず「売上げ」自体は安定したかのように見えました。ところが・・・「CDが売れるキャパ」は、決まってるんですね。ましてや「再CD化の購買層」は、90年代にCDを買うことを拒否した人なんです。この人達は、90〜00年代に新しくリリースされたCDは買いません。売るためにレベルを落とした音楽など、もう必要としなくなったんです。
 
 
 
「何を指して、音楽のレベルが落ちたというのか?」
 

確実に逆ギレされますよね(笑)。あれ?知らないんですか?。秋元氏や小林氏が、TVで堂々と言ってましたよ。

 
「音楽が分からないユーザーに、判る程度にレベルを落としている。」

 
「カラオケで盛り上がれる程度の音楽がちょうどいい。」

 

私が言ってるんじゃないですからね(笑)。皆さんが夢中になってる音楽を今作ってる人達の発言です。「音楽のわからないバカには、その程度のものでいい」って、ハッキリ言ってるんです。
これを聞いて、なぜ皆が怒らないのか、私はとても不思議でした。今チャートを独占してる音楽は、この人達が「音楽がわからない、バカなユーザーのために作ってるもの」です。そうまで言われて、私は聞く気も無いし、買う気もありません。一切、無視です。私が怒っているのに、誰も怒りません(笑)。「バカなユーザー」って言われてるのが、みんな自分の事だとは思ってないんでしょう。もうこの人達が何を言ってるのかすら、理解できないんだと思います。
 
90年代にも、同じような事がありました。そう、小室氏ですね。「ヒット・メーカー・スタジオ」などと、人を食ったような名前をつけて、風のように走り抜け、膨大な借金を残して消えました(笑)。今また、これを再リリースして、儲けようとしている人がいます。ここに来ている「音楽好き」の人なら、「そんなの、ムリじゃない?」って思いますよね。でも、よかったらヤフーの知恵袋を見てみて下さい。90年代に戻ろうとしてる若いコが、沢山います。「なぜ60〜80年代に戻らないの?」って思いませんか?。それは、彼らにとって「60〜80年代の音楽」は、難しすぎるんです。理解できるのは、90年代まで。今ある音楽と大差ないレベルのものだけなんです。きっと小室氏の作品を再リリースしたら、そこそこ儲かるハズです。あの時、小室氏の作品で出てきた人達が、一緒に群がるから。でも私たちには、面白くもなんともない音楽です。でも今よりは、若干レベルが上。今の子供達は、その範囲の音楽しか理解できないんです。
 
私は「音楽が聴衆を育て、聴衆が音楽を育てるもの」だと思っています。「良い音楽を作っていれば、いつか理解される。」。それが現実になるのが、理想だと思っています。聴衆は「歌がヘタな歌手」を拒否し、世に出さない。歌手は「聴衆の手の届かない、遥か高みを目指す。」。「良い音楽を作ろう!」と、皆が同じベクトルで向かっているのが理想なんだと思います。ところが邦楽では「勝てば官軍」。「売れたら、好きにさせてやる。」。中身などどうでも良くて、売れなければなんの評価もされません。いわゆる「使い捨て」です。「音楽」より先に「商売」です。「音楽」があるから商売が成り立つのではなく、「商売のための音楽」しかないんです。「私は歌手だとは思ってません!」って言う人の、CDを買わされるハメになります。
 
「iTune」「Amazon」「Youtube」
これは、アメリカには向いています。またアメリカから世界に発信するにも、向いています。広大な世界に届けるには、絶好の道具です。でも、日本には向いていません。「CDが売れない!」といわれながらも、世界でトップ・クラスのCDの売上げがあります。実際には「iTune」「Amazon」「Youtube」で世界の音楽と繋がってるハズなのに、洋楽をほとんど聞きませんよね。彼らには、洋楽が理解できませんから。GAGA様のように「見た目のインパクト」がない限り、洋楽には手を出しません。日本のレコード業界が、そうしてしまったんです。
 
「JASRAC」
今年も売上げ表彰式があって、金・銀・銅。秋元氏の独占でした。誰も、疑問に思わないんでしょうね。エグザイルもB’zも、AKBより下だ!っていうことです。それが聴衆が選んだ結果です。
もうJASRACって、「ヘンな団体」になってしまいましたね。「著作権保護」であれば、「非営利団体」のほうがよくありませんか?。JASRACの役員に、莫大なお金を払うための組織ではありません。日本の音楽の「著作権」を正しく守るための団体です。JASRACの役員多くは、音楽家ですよね。その人達は、音楽で収入を得ている人。別にJASRACから、多額の報酬を払う必要はありません。なのに今は「悪の巣窟」です(笑)。著作権が正しく行使されているかどうかを、見張っていればいい団体なのに、限りなく「警察権」に近いことまでしています。しかもそれは、「弱いところに向けて」だけ。「強いところ」「自分たちの手におえない」ところには、絶対手を出しません。
 
違法DL法が行使されました。自分たちが取り締まれないアジア圏のサイトは野放しで、とりあえず捕まえ易い国内のユーザーだけが犯罪者です。あなた方は「日本の著作権の代表」じゃないんですか?。あなたがたが取り締まらないで、誰がやるんですか?。小さなお店をイジめるより、そっちが先なんじゃないんでしょうか?
 
著作権協会は・・・音楽家と聴衆を結ぶ、いわば「仲買い役」です。ところがその中間で取ってるマージンが、音楽家よりも多いって、不思議に思わないんでしょうか?。「著作権を管理してやってる!」って思ってるんでしょうね。「俺達がいなかったら・・・」って、思い上がってるんでしょう。

 
JASRACの若い社員さん、ここに来てませんか?。あなたはこれを読んで「おかしい」と思いませんか?。間違いなく今のJASRACは「独占禁止法違反」です。裁判では、勝ったかもしれません。でもそれって・・・政治力で勝っただけでしょう?。誰からどう見ても、今のJASRACは健全な運営を逸脱しています。だいたいにして、著作権を管理するのに、音楽家が役員って、本末転倒じゃない?。音楽家は、健全に運営されているか、「監査する」のが妥当だよね。音楽家よりも、聴衆よりも偉い「仲買い役」って、あり?。おかしいよね?。もしプールできるだけのお金があったら、それは「音楽家と聴衆」にフィードバックされるものなんじゃないのかな?。どう考えても、JASRACが「他の著作権団体」のジャマをしてるよね。なぜ?。健全な著作権の運営がなされるなら、JASRAC自体「無くてもいい存在」なハズ、だよね?。
 
別にJASRACが賞を出す必要はないハズ。そういった賞は、他にもいろいろあります。「仲買い役」がしゃしゃり出る必要はありません。音楽家が、あなた達に感謝するなら別ですけど。いろいろな問題は全然解決してないのに、自分たちが手を下す「集金システム」だけ罰則化。誰が見ても「おかしい!」って思ってるハズ。
 
この「違法DL法」。決めたのは、音楽に興味は無く、ネットも使わないジジイ達が作ったもの。「違法なところから金を集める」の一点だけ理解した法律。散々音楽をタダでばら撒いておいて、いまさら「iTune」「Amazon」「Youtube」には適わなくて、考え出した悪法。典型的な「民主党」「自民党」的な考え方です。
 
先週の話で、「コピー制限解除」の話が出てきました。今までは、DLした機械のみでしか再生できなかったものを、機器の移動を自由にしようと、プロテクトをはずすそうです。これも・・・遅すぎましたね。「コピー制限」は一時、CCCDで大失敗しました。「違法な人」にとって、こんなプロテクトは関係ありません。迷惑を被ったのは、それとは関係のない一般の普通のユーザー。PCに取り込めないばかりか、「音が悪い」といオマケまで付いてきました。このCCCDの盤は、中古市場でも嫌われています。
 
昔は「コピーできるハード」は、「カセット・テープ」でした。アナログ中のアナログです。「ビニール盤」−いわゆる「レコード」もアナログ中のアナログ。「コピー」を作るのは、至難の業でした。
そしてCDが登場。別にCDがウンヌン言っても仕方ないです。最初のつまづきが始まったのは「CD−R」の登場です。でもこれを「PCに搭載」−PCの標準にしようとしたのは誰でしょう?。その中心に居たのは「音楽を売ってる人」だったんです。今までには無かった「デジタル・コピー」が始まりました。「コピーされては困る」のに、一方では「コピーする道具を売る」という奇妙な状態。これが90年代。00年代になると「mp3」をはじめとする「圧縮音源」が登場。「違法コピーの道具」が揃いました。そしてそれに拍車をかけたのが「携帯電話」とネットの爆発的な広がり。でも・・・これを推し進めたのは・・・誰?。親会社の顔色を伺って、なにもしなかった「日本の音楽業界」じゃないのかな?。そのツケをいまさら、ユーザーに押し付けられたって・・・
 
むか〜し(笑)「曲をデジタル化するバイトだったらするよ!」って、俺はどっかに書いたハズ(爆)。今からでも遅くないので、「日本の音楽業界」はぜったいやるべき。そして「iTune」「Amazon」「Youtube」をすべて断ち切って、自分たちでやるべき。この3つを自前で立ち上げて、独自に動くべき。今動かなかったら、「日本の音楽業界」は終わるでしょう。もうほとんどの会社に「外資」が入ってきてるので、難しいのは確かです。でも全ての邦楽のデーターがある「日本のiTune」「日本のAmazon」「日本のYoutube」だったら、巻き返しは可能だと思います。
 
先週の話で、また「音楽の定額配信サービス」をしようとしているところがあります。ところが「1000万曲以上」と言ってるわりに「全ての会社・レーベル」ではありません。これで「iTune」「Amazon」「Youtube」に勝てるハズがありません。予言しておきます(笑)。これ、1〜2年で破綻します(爆)。今までに出来なかったものが、今から出来るはずはありません。もしやるなら「邦楽全データー」を用意しないと。
私の音源ストックが、アルバムで約3万5千枚。アルバム1枚10曲平均で、35万曲。1000万曲なんて、笑っちゃう程度の量です。「あれも無い!これも無い!」になるでしょう。それで私は「iTune」をまったく使わなくなったんですから。「すべてが揃ってないところ」は、いずれ使われなくなります。

現在これの主導権を握っているのは、ソニー。実際問題として、本当のキーマンは、エイベックスでしょう。ソニーが音頭をとったら、反発する会社が必ずでてきて、邦楽は揃わず、うまくいかないと思います。まずはキーマンであるエイベックスが同調し、それにJニーズ事務所等の大手が賛同するかどうか。そしてレコード協会全社が足並みを揃え、JASRACが動くことが大きな大きな鍵だと思います。
 
HMV・タワーレコード・WAVE等に「街のCD屋さん」が駆逐され、今度はHMV・タワーレコード・WAVEが排除されます。「売り場」が無ければ・・・ネットに行くのは必然ですよね。誰が「街のCD屋さん」をやるというのでしょう?。アメリカでは「スーパー・マーケット」で売っています。ただしアメリカにその流通経路があったのは、「国土が広いから」という理由です。もともと少数派としては「あった経路」なんです。もう一度「CDを手にする喜び」を教えなければ、誰も「街のCD屋さん」はできません。できなくしたのは、CDを作ってる人そのものです。
 
K−POPが「泡沫の夢」であったのは、なんとなく化けの皮がはがれてわかってきました。誰かの「仕掛け」だっただけ。でも売れても売れなくても「K−POP」自体は、「本気」です。急ぎすぎて「システム」が悪いのは、誰にでもわかります。「歪んだ構造」になっています。でも日本より「本気」の人が多いです。ただ日本では、本気の人ほど敬遠されがち。今のコは「モノマネ」でも充分なんですよ。「芸人」が歌っても満足できるんです。「歌手」を必要としてないんですね。「ホンモノ」を知らないので、比較する対象がないんです。
 
暗い話は、やめましょうね(笑)

日本の音楽に、未来はもうありません。どこかを大きく変えない限り、どんどんジリ貧です。

「iTune」「Amazon」「Youtube」以外では、音楽が買えない日がきます。

 

・・・って、暗いよね(爆)

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