Columu 90

夏休みだから、ゆっくり考えよう!!


真面目なギター考察(^_^;)

 

たまには、マジメに「ギター」を考えてみようと思います(笑)

もちろんココでの話なので、「廉価版について」になります。

「誤解」と「定説」を拭い去って、「あるがまま」を見てみると・・・(笑)
 

 
当HPは当初から「フォトジェニック研究所」です。
 
「なぜフォトジェニックじゃダメなのか?」
 
「フォトジェニックの、ドコがダメなのか?」

 
がスタートです。たまたま目についた「フォトジェニック」というメーカーと、たまたま買ってしまった「ST−350」が事の始まりでした。ネットではいろいろな噂が流れ、その内容が大変興味深く、HPを立ち上げる原動力にもなりました。

で、実際にいぢってみることにしたんです(笑)。
 
 
当初、一番問題になっていたのが「ソリッド・ウッド」という表記。特定の木材を指してはいません。これなにげに書いてあるところがありました。
イシバシのHPだったと思います。「ソリッド・ウッド」=「桐」ということ。「桐」は、将棋盤や碁盤に使われる木材で、乾燥による狂いが少ないものとされています。ただ実際に私は「割れてる将棋盤」を見たことがあるし、「節」が多いのも目に付きます。でもそれを除けば、まあギターに使ってもよさそうなカンジではあります。実際に私の「桐のギター」、どうでした?(笑)。別に全然普通ですよね?(爆)。ただ今までに「有名メーカーが使ってなかった木材」というだけです。
 

 
廉価版戦争の真打として「エリオス」が出ました。その後、メイビスやフィーリングがそれに追従。この「新時代の廉価版ギター」が出てきました。ではまず、これらのギターと「フォトジェニック」の、どこが違うんでしょう?
 
その1つが「パーツの充実」です。最も大きい変化は「ブリッジ」と「ペグ」ですね。「GOTOH/ウィルキンソン型アーム」「グローバー・ペグ」。オリジナルの「ロック式」も付きました。これのおかげで「高級感」が出て、多くの人が飛びつきました。でも・・・
 
こうやって実際に「文字として」書いてあるの見ると、おかしいでしょ?(笑)

たったこれだけのパーツを付け替えただけなのに「ダメなギター」では無くなってしまっています。しかもメーカー名が付いてるとはいえ、実体はただの「廉価版パーツ」です。じゃあネックが「メイプル」で、ボディが「アルダー」ならなんでもいいの?。ほんとに「桐」じゃダメなの?
 
 
  
ここでは一番多い「ストラト型」に話を絞ります。

「フォトジェニック」は、普通のブリッジです。

それに対し「新世代」は、いろいろな別のブリッジを用意しました。
 
 
???
 
 
フェンダーが、何か新しいブリッジを標準採用していますか?。

USA・Japan・MEXICOで、一番多い、いや、標準で装備しているブリッジってなんですか?
 
「ストラトキャスターの標準」って、シンクロナイズド・トレモロ(以下シンクロ)ですよね。私にとってこれ以外のブリッジが付いていたら「別物」です。高いギターだって安いギターだって、シンクロが付いているのがあたりまえ。それ以外が付いていたら、それはあきらかに「別のモノ」です。シンクロとフロイドローズ(以下フロイド)が付いているものを、同じ土俵の上では話はできません。逆に、それを作った人の「なんらかの狙い」を疑います(笑)。それは「GOTOH/ウィルキンソン型アーム」でも同じ。ギター本体ではない部分で、ギターの音を変えてしまうパーツです。でもそれが付いたからって・・・「廉価版」であることには何も変わらないと思うんですが・・・。
 
「ストラトの音」=「シンクロの音」と言っても過言ではないくらい、密接な関係にあります。本家が出しても、ブリッジが異なると受け入れられません。それはこの60年の歴史が物語っています。どんなに最新式が出てきても、シンクロはシンクロです。でもみんなは交換されたパーツのほうに「高級感」を感じました。私もあやうくひっかかりそうになりました。あのメイビスを買おうとした時、私の中の天使が囁きました(笑)。
 
「そんなにストラトばっかり増やして、どうするの?」
 

(笑)
 
そこで、ハタと気が付いたんです。
  
「今、買おうとしてるのは、パーツ?」
 
(爆)
 
そう、「本体」はどうでもよくて、「新しく付けられたパーツのみ」に目が言ってる状態。
それ以外は、「どうでもよくなってる自分」がいたんです。
 
フォトジェニックでもわかるように、「ソリッドウッド」と「アルダー」は値段が同じです。

「アルダー」の中にも「そういう木」があるっていうことです。

では・・・、
 
「フェンダーが使っているアルダー」
 
「フォトジェニックが使っているアルダー」

 
この2つに「違いがある」って、誰が証明してくれているんでしょう?。
商業上の表記であれば「なんちゃらアルダー」であっても、「アルダー」で間違いはありません。ネットで検索してみて下さい。「マホガニー」や「ローズウッド」について、事細かくレポートしてる人がいます。「なんちゃらマホガニー」「なんちゃらローズウッド」がどういうことなのか、ちゃんと考えてる人がいます。実際には、天と地の差がるほど違うもの。でもギター上のスペックでは、単に「ローズウッド」「マホガニー」。「なんちゃら」の部分を論じる人はほとんどいません。
 
おかしくないですか?(笑)
そう考えると「廉価版のギター」と「普通のギター」、どこに差があるんでしょう?。別の言い方をすれば、「差があること」を誰が保証してくれるんでしょう?。「高いマホガニー」「高いローズウッド」「高いメイプル」を使ってるっていう確証は、どこからでてくるんでしょう?。まさか「厳選された・・・」じゃないですよね(笑)。
 
 
なんちゃらカスタム・ショップで「厳選された木材で・・・」
 
(笑)
 
100本分の材があるとします。その中から、ビルダーさんが「これっ!」っていうのを選びます。
そして、とんでもない値段が付きます。
 
・・・
 
おかしくないですか?(笑)
 
その「100本の材」。ネックとして仕入れた材100本分。もともとの値段は、すべて同じです。「同じ材木」として仕入れられたものです。たしかにそこから「この1本」を選ぶことは可能です。でも「同じ材木の中から選んだもの」です。しかも残り99本分。捨てませんよね?(笑)。それは「普通のライン」で使われます。「その中」からビルダーさんは選びました。では「その残りの中」には、ビルダーさんが選んだものと同じレベル、はたまたそれを「超えるレベルのものが無い」と、誰が証明してくれるんでしょう?。
 
逆にも考えられます。ビルダーさんが「最高と思われる1本の材」を選びました。ではそれで作ったギターは、ほんとうに「完璧な1本」になるんでしょうか?。そのビルダーさんが選んで「最高と思われる材」が分かるなら、それを使えば誰でも「良い音のするギター」を作れるんでしょうか?。ならば材を買う前から、すべてそのビルダーさんに材を選ばせればいいんですよね。なぜそれを、レギュラー・ラインに使わないんでしょう?。まだその時点でなら、すべての材の値段は同じです。でも「厳選された木材で・・・」って書いてあります。「出来上がったネックの中から厳選して・・・」ではありません。「材」の時点で、ギターの良し悪しが判断できてるワケです。そしてビルダーさんが選んだ材は、何があっても(笑)完璧なネックになります。
 
材木屋さんのHPを見ると分かりますが、「材」の時点ですでに「ランク別け」されています。「AAA」とか「5A」とか。その「同じランクの材」を、100本分1000本分と買うわけです。1本選んで残りを捨てるなら、「その1本」には高い値段が付きます。マーチンのD−45は、昔そうやって作っていたと噂に聞いたことがあります(眉唾ですが(笑)。でも現実には、そんなことはしませんよね。マスター・ビルドがあって、チーム・ビルドがあって、レギュラー・ラインがあって。すべて100本分を使い切ります。人件費以外、それのどこに差がでるんでしょう?。「差があること」を誰が保証してくれるんでしょう?
 

もう一押しするなら(笑)、「オールド」−レスポール・テレキャスター・ストラトキャスターの50〜60年台の作られたギターは、そいうった「厳選された材」で作られたんでしょうか?。オービルやレオ達が「厳選した」としたら、その基準はドコにあったんでしょう?。彼等には「自分の作りたいモノ」は見えていたハズですが、その「答え」は見えていなかったハズ。「厳選する基準」すらありません。後の人は、彼等の作った「見本」を見ることができたから、「厳選できる」んですよね?。オービルやレオ達は、材を厳選しなきゃ作れないようなギターを作っていたんでしょうか?。オービルやレオ達は、材を厳選するとギターの質が上がるって考えたんでしょうか?。何をどう考えて、材を選んだと思います?(笑)。どう考えても・・・「普通にある材」−安く手に入る材、工場に転がってる材で作ろうとしたと思いません?。特にレオは、「安く大量生産が可能」であることを考えていました。はて?。そんなレオが、いちいち材を厳選していたんでしょうか?
 
  

 
私のギター達を見ていただけるとわかるんですが、ジャンクを謳ってる割に「パーツ交換」がとても少ないです。特にブリッジの交換をしているのは、わずか2台しかありません。そのかわり「ピックアップ交換」は、けっこうやってます。なぜ私は、ブリッジの交換をしないんでしょう?。
 
それは「臆病だから」です。「ピックアップ交換」の場合、あきらかに「ピックアップが悪い」と判断しています。「いぢってもムダ」っていう結論のもと、交換に踏み切っています。ところが「悪い原因」をブリッジに求めたものは、2台だけ。トーカイのテレキャスターとFJのテレキャスター。まあFJのほうは「悪い」よりも、「全体の性能の底上げ(をしてみようかなあ〜笑)」が主な要因です。「EMGを載せたハイブリッドなテレキャス」が目的。
ただトーカイに関しては、オリジナルでついていたGOTOH製が気に入らなくて、新しい別なGOTOH製にしました。その時の私が付けた条件が「音が変わらないであろうもの」です。それであのブリッジをチョイスして貰いました。結果、ほとんど音は変わらず、ごくごく普通のシンクロが付くことになりました。私がブリッジに極力手を付けないのは、「音が変わってしまった場合、他の部分では吸収できない要因」が生まれるからです。それをとても恐れています。
 
私がギターを買う場合、ほとんどが「とりあえず、ギターとして合格」と判断しています。それは、そのネックとボディが奏でている音が、合格圏内と判断したもの。その時点でブリッジやパーツに大きな問題があったら、私は買いません。ただ使ってみた結果「ピックアップ交換」というのは、出てきてしまいます。マイクで拾った結果「思ったほど、良くない」というのが出てきます。PAでもレコーディングでも、マイクで拾うことにより、そのギターの本当の実力がわかります。そこで失格すると、「ピックアップ交換」(笑)。
 
そこで最新の廉価版(笑)。「まともそうなパーツ」が付いています。でもすでに、シンクロじゃなかったりします。ということは「ストラトの音」じゃなくても、文句は言えませんよね。どれもこれも、「最新式のストラトっぽいルックス」(笑)。でも、すでに「ストラト」ではありません。一番ノーマルなメイビスに至っては、ボディの作りそのものがストラトから逸脱しています。どうすればいいの?(爆)
 
だからこの最新の廉価版、よくよく見ると、みんな「オリジナル」です。みんな、どこか違っています。すでに私は「ストラトっぽいギター」は、沢山持っています。私がフォトジェニックに求めたのは「どこまでストラト?」っていう部分。安い木材・安いパーツ・安い人件費で、どこまでストラトとして役に立つのか?が、私の考えでした。たしかにピックアップを交換はしましたが、それだって限りなくゴミに近いもの(笑)。オークションなら、500円〜1000円程度で、ギター丸ごと買えるものです(笑)。でもパーツは、変えていません。そこまで変えなきゃいけないものなら、私は買いませんから。「これは、大丈夫でしょう!」と判断したもの。従って「比較対照」になりうると判断して、G5のテストとかにも使ってます。勿論、ライブでも使いました。奇抜なルックスですが(笑)、充分「ストラトしてる」と考えています。
 
でもこれら「最新版」は、最初から「ストラトのコピー」を逸脱していますよね。しかも誰も「ボディ材」を語らなくなってきました(笑)。私もあやうく、買いそうになりました(爆)。あぶなく、パーツにつられて。でも、天使が止めてくれたんです。私が欲しいのは、パーツではありません。
 
「廉価版のギターで、一番ストラトらしいもの」
 
それを標準に考え、リペアーマンとも相談し、フォトジェニックをチョイスしました。「最も設計がしっかりしている」と判断しました。いぢってる最中に、ネックやパーツやアームを市販のものに置き換えてみてますよね。市販の「センチもの」なら、どれも完全に互換性があります。サイズがぴったりです。その上で「安いなりにストラト」を考えたと思われる部分が、多数ありました。ネックやボディに「考えたあと」がみられました。でもそこをスポイルしたら・・・それはもう「ストラトのコピー」ではありません。
 
もちろん、お小遣いに余裕があれば、いろいろ買おうとは思っています(笑)。今も「気になるヤツ」があります(爆)。バラして見てもらえば「わかる部分」が、沢山あると思いますし。それはそれで「ジャンク工場長」としてやりたいんですが・・・
 
私は、私が検証している新しい「フォトジェニック」は、初心者の1本目としては「合格圏内」だと思ってます。私といっしょにメンテすれば、「それなり」に使えてしまいます。「ピックアップ交換」の部分を除けば、誰にでもできることです。ドライバーといくつかの工具らしきものがあれば、セットアップできます。その部分で「どうにかできるもの」じゃなければ、とてもじゃないけど初心者にはすすめられません。そういった部分では・・・実は「パーツ」なんて、普通であってくれればよかったりするんですよね。そしてその人がほんとにギターを続けられるなら、「次のギター」はわかってくるハズなんです。
 

 
「今の廉価版」に付いてるパーツを喜んでいるのは中上級者です(笑)

 

 

へんな話、この人達が「ダメッ!」って書き込まなければ、初心者の格好のターゲットになるわけです。だからというわけではないんですが、たぶんこのパーツのグレードアップは「対中上級者用」だと私は思っています。初心者にとって「ブリッジ」なんて、なんでもいいわけです。何を与えたって、狂うものは狂うし。「調整の必要の無いアーム」なんて、それこそ宝くじのようなもの。「たまたま狂わない」だけであって、ほかのものは狂うわけです。そしてその部分において、「ちょっと気を使ったかな?」って「中上級者に思わせた」のが、エリオスのギター。みんな、みごとに「ハマった」わけです(笑)。
 
だから・・・

 

「メーカーの策略」に、ハマらないで下さい(笑)
 

 
「このブリッジはGOTOH製で・・・」
  
「ペグはグローバーで・・・」
 
メーカーの宣伝文句を、ネットで中上級者が呪文のように繰り返すと、初心者は判らないなりに、コロっと騙されます(爆)。「なんだかわからないけど、このGOTOHっていうのは、スゴいらしい!」って思っちゃうんです。そしてそう書いてあるページが、2つ3つあると初心者は「ギターをまったく見なくなる状態」になります。「パーツのスゴさ」だけが、頭に残ります。でもそれって・・・違わない?(笑)
 
 
ネック+ボディ+PU+パーツ+好み(笑)=ギターはこれで「総合判断」しないと。

しかも・・・

 

「それで、どんな音が出るの?」

 

です。ネックが多少太くたって細くたって、初心者にはわかるハズがありません。だってもともと「弾けない」=「知らない」んですから。中上級者が「細めのネックの方が弾きやすい!」って言っても、初心者にはなにもわかりません。「太めのネック」が合う人もいるんです。でも初心者は言われるままに、勝手に「細いほうがいい」と思い込んでしまいます。「太い!」=「弾きにくい!」みたいな書かれ方をされれば、そう思い込んでしまいます。中上級者が「親切心」で書き込んでる内容自体が、初心者の目を曇らせています。「買う前のファースト・インプレッション」を、ことごとくツブしています。
 
  
「ネックが細くて、音が悪いギター」と「ネックが太くて、音がいいギター」
 
あなただったら、どちらを選びます?
 
「弾き易くて、音が悪いギター」と「弾きにくくて、音がいいギター」
 
あなただったら、どちらを選びます?
 
「パーツが高くて、音が悪いギター」と「パーツが安くて、音がいいギター」
 
あなただったら、どちらを選びます?
 
「値段が高くて、音が悪いギター」と「値段が安くて、音がいいギター」
 
あなただったら、どちらを選びます?
 
「有名メーカーの、音が悪いギター」と「無名メーカーの、音がいいギター」
 
あなただったら、どちらを選びます?
 
 
 
肝心なのは・・・
 
 
「君にとって、そのギターはどうなの?」

  

です。

 

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ただし、ただしですよ(笑)。すべてには「本音と建前」があります。

私の乱暴とも思える論を振り回すと、「高いギター」が存在しなくてもいいことになってしまいます。

そこは誤解しないで下さいね。今は考え方のスタートが・・・
 
「初心者にとって、どうなのか?」
 
「廉価版のギターって、どうなの?」
 
です。「高いギター」を否定してるワケではありませんし、事実、ちゃんとしてるものは素晴らしいものがあります。それなりの理由があって「高い」ものは、それはそれで存在意義があります。音以外の部分でも、「プロが持つ理由」があります。そこに関しては、自分で高いギターに向かっていけば、いつかは理解できます。

 
ただ単純にそれを振り回しても、初心者には「???」。そのためにこのHPがあり、おかしいと思われる話は、みんなで直そうよ、って言ってるだけです。なので初心者にも上級者にも、誤解してほしくありません。

その全てを踏まえて、楽しく音楽をしたいですよね。

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