Columu 95 |
ちょっとおいしい、コピー講座 Part 2 |
頭に入ってますか?(笑)
C⇒Am⇒Dm⇒G7
C⇒F⇒G7
ここもそうなんですけど、「見ているだけ」「読んだだけ」では、ギターも音楽もわかりませんからね。得た知識をギターに置き換え、「音楽」に結びつけなくてはいけません。だからといって、背伸びする必要はありませんよ。ムリに難しいコードを弾いたり、弾けないような速いフレーズにトライしても、飽きるだけです。「今、できないこと」の、ほんの少し先にあるものを、ひとつひとつやっていくのがベターです。でもそれとは別に、「音楽を知る」必要があります。「ギターを弾くテクニック」と「音楽を知る事」は、別物です。ギターの入っていない音楽もあります。あの「カノン・ロック」だって、もともとギター・ミュージックではありません。「カノン・ロック」を弾けるようになることも楽しいですが、「カノン進行」を覚えると、「音楽」が一挙に広がります。この「カノン進行」で作られている曲は、いっぱいあるんです。つまり「カノン進行」が理解できれば、何十曲という曲がいっぺんにコピーできちゃうんです。
今やろうとしてるの「コピーのための基礎知識」。前回書いた「コード進行」は、ジャガジャガ弾けなくてもいいんです。ゆっくり正確にコード・チェンジをし、コードを覚え、その上で「音楽」に結びつけていくのが目的。だから「右手のストローク」なんて話は、一斉出てきません(笑)。それは「ギターを弾くテクニック」。その「右手のストローク」が「音楽の中」でどう使われていて、それを「聞き分ける耳」が必要です。ダウン・ストロークとアップ・ストロークの違いを聞き分け、それを自分で再現しなくてはいけません。「教則本にそう書いてあったから」では、なんの応用も効きません。「ああ、こんな感じの曲には、こんなストロークが良く出てくるんだ!」「この弾き方って、あの曲と同じ!」。それが判りさえすれば、「弾けるかもしれない曲」が一挙に増えるんです。 ただし、今、初心者のみんなは、「それが判らない状態」です。ギターにはどんな弾き方があって、それがどんな曲に使われていて、実際にどんな風に聞こえてくるのか。曲が流れてくれば「ギターの音」は聞こえてるハズなんですが、それが「右手の命令」にならない状態。「Keyも判らない」「コードも判らない」「弾き方も判らない」。ただ単に曲が聞こえているだけ。「演奏」が聞こえてるわけじゃないんですね。
なので、そこから脱出しましょう(笑)。曲の中から、演奏の中から、ギターの音を捜し出しましょう。私がよく言ってますが「わからないものは聞こえない」なんです。英語がわからない人にとっては、話される英語は呪文のように聞こえます(笑)。フランス語なのか、イタリア語なのかもわかりません(爆)。でもいくつかの英単語を聞き取れるようになると、それが「英語」だとわかり、「英会話」であることが理解できます。そうするとその会話の中に出てくる「自分がわかる単語」が、とたんに耳に飛び込んでくるようになります。何をしゃべっているのかはわからなくとも「I」とか「You」とか、誰にでもわかる単語がその中にいることが「聞き分けられる」ようになります。音楽も・・・同じなんですね。
普通の人が曲を聞くと、その歌い手さんの声と歌詞が聞こえてきます。そしてそれを包む全体の演奏が、なんとなく聞こえています。それが普通なんですね。ところが楽器ができる人=この場合はギターですが=が聞くと、「ギター・パート」が聞こえてきます。ギターのフレーズ・音色、そしてその弾き方。そしてドラムやベースやキーボードも聞こえてきて、アレンジまで頭に浮かびます。ある意味、一種の職業病です(笑)。声や歌詞よりも、そっちの情報のほうが多くなっちゃうんですね。まあ、うれしくもあり、悲しくもあるんですが(爆)。
今日は、そこをやります(笑)。前回出てきた「コード進行」を聞いてみましょう。ギターは持たなくてもいいですよ(^O^)/。あせってやっても、楽しくないです。「音楽」を楽しみましょう。出てくる曲は、古いです(笑)。10年前程度の曲を「懐メロ」なんて言ってたら、化石のような曲です(爆)。オールディーズあり、スタンダード・ナンバーあり。いろんなものに触れて、「音楽」を楽しんで下さい。では・・・
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まずは、何にしましょうかね?やっぱり・・・
C⇒Am⇒Dm⇒G7
(笑) でも、必ずしもKeyがCなわけではありません。他のKeyの曲もあります。自分のギターで「C⇒Am⇒Dm(F)⇒G7」を何度か弾いてみてから、こっちを聞いてみてください。ああ、曲は全部聞かなくていいですからね。Aメロを聞いて下さい(笑)。
ジョン・レノンのStand By Meです。これ、実際は「Key:G」です。「G⇒Em⇒C⇒D7⇒G」が一区切りの曲。ジョンの弾くアコギの音も、聞き分けやすいですよね。「Key:G」ですがCに直すと、「C⇒Am⇒F⇒G7」です。ところがですね・・・
こうなっちゃたら・・・初心者にはキツイですよね。ギターの音じゃないどころか、ギターが入ってない(笑)。この「リフ」を拾わないと、この曲にならないんじゃないかと、一生懸命コピーすることになります。ギターが弾ける人にとっては簡単なフレーズでも、コピーに慣れてないと大変ですよね。
同じに聞こえませんか?(笑)。途中でちょっと変わりますけどね。これも「C⇒Am⇒F⇒G7」。
また同じでしょ?。こっちは「C⇒Am⇒Dm⇒G7」ですね。
(笑) 私が生まれて初めて、「弾きながら歌った曲」です。「C⇒Am⇒Dm⇒G7」です。
この演奏は、「C⇒Am⇒F⇒G7」と「C⇒Am⇒Dm⇒G7」を混ぜた、大変好例です。どちらでも、まったく同じに歌えます。だけど「F」と「Dm」では、ちょっと「響き」が違うんですね。これも「アレンジ」と言えます。
Where Have All The Flowers Gone? - Peter,Paul & Mary
同じ曲ですからね。こっちのほうがもっとハッキリわかります。1回目は「C⇒Am⇒F⇒G7」。2回目は「C⇒Am⇒Dm⇒G7」。3回目は「C⇒Am⇒F⇒G7」に行って、サビに行きます。これは2カポで「Key:A」かな。一人が2カポで「G」、もう一人がカポなしで「A」でプレイ。
故キヨシロー氏のバージョン。「C⇒Am⇒F⇒G7」で押し通していて、サビもメジャーで押し通しています。これだとストロークがハッキリわかりますよね。Keyは「G」。「G⇒Em⇒C⇒D7」ですよ。
ホーンが入ってるし・・・「F」かな?(笑)。これも「C⇒Am⇒F⇒G7」と「C⇒Am⇒Dm⇒G7」を、効果的につかいわけていますね。
Unchained Melody - Righteous Brothers
これだと、ギターが「チャッ!」ってアクセントだけ。コピーしにくいよね。でもこれも「C⇒Am⇒F⇒G7」。いわゆる「三連」って言われる、オールディーズにはよくあるパターン。渋く演奏すると「R&B」に聞こえます(笑)。
Aメロが「C⇒Am⇒Dm⇒G7」。どんどん、同じに聞こえるようになってきたかな?(笑)。
You're Only Lonely - John David Souther
全体を「C⇒Am⇒F⇒G7」で作ってるのに、Aメロに「C⇒Am⇒F⇒F」を持ってきて、ちょっと転回をじらしてるんだね。それ以外はほとんど「C⇒Am⇒F⇒G7」しか使われていません。KeyはGかな?。「G⇒Em⇒C⇒D7」だと思います。
In Your Letter - REO Speedwagon
もういいかげん、いいでしょ?(笑)。さすがに「みんな同じ」に聞こえるでしょ?(爆)。
ここに出てきた曲だけで・・・何千万枚っていう売り上げがあるはず。それほど「好まれるメロディー」「好まれるコード進行」なんだね。歌いやすく、覚え易い。「POPSという音楽」にとって、これほど大事なことはないわけだ。
もう、難しそうには聞こえないでしょ?。ほんの少し「C⇒Am⇒Dm⇒G7」や「C⇒Am⇒F⇒G7」と違うだけ。もちろんみんなKeyは違うけどね。それでももう「コードの音」は聞こえるし、「ギターの音」も判別できるよね。アコギで弾いてくれると、そんなに複雑なことはしないから、余計にコードやギターの音が聞こえます。
なにもかもいっぺんにはできません。でもゆっくり系統立てていけば、それなりになんとなくわかるようになってきます。「C⇒F⇒G7」の進行の曲は、すっごく多いです。いわゆる「ロックンロール」や「ブルース」は、ほとんどがコレのKeyが違ってるだけ。ギターの得意な「A」や「E」のKeyが溢れかえってます(笑)。その次ぐらいに多いのが「C⇒Em」と進行する形。「C⇒Em⇒Am⇒F⇒G7」みたいな進行です。その次ぐらいに「カノン進行」。「C⇒Am⇒F⇒G7」の変形というか、「C⇒Em⇒Am⇒F⇒G7」の変形のような。 もちろん「順列組み合わせ」なので、それぞれのコード進行は微妙には違います。でも考えてみてください。Aメロは8小節?12小節?16小節?。そこに入ってこれるコードの数なんて、そんなにあるはずが無いんです。たとえ複雑なコードが入ってきたとしても、それさえもパターンに組み込まれているはずなんですね。だって、そんなに長いAメロがあるはずないジャン(笑)。
Keyは全部で、12個あります。ド〜シまでの間です。でもそうすると、世の中にある曲の「コード進行のカタチ」だけ抜き出せば、12分の1になるんです。全部を「C」にしちゃえば、そこにあるのは12分の1。あなたの知ってる曲の、12分の1しかパターンはないんですね。最終的には、12音階全部で反応しなくちゃいけません。でもそれのKeyがE♭であってもB♭であっても、単に同じパターンがスライドしているだけです。12個のスケールを覚えるのと、どっちが得かな?(笑)。どっちが役に立つかな?(爆)。
「楽典」よりも「テクニック」よりも、「音楽」全体を押さえたほうが・・・楽しくないですか?。もちろん、「楽典」も「テクニック」も必要になります。でもそれを初心者がおいそれとは手にできません。覚えるの、たいへんでしょ?(笑)。それは、ゆっくりやればいいです。それより、今すぐトライできて、それが音楽に直結すれば・・・楽しいよね?(^_^)v
ここまできてガッカリさせて悪いケド(笑)、まだまだ先は長いです。「音楽」は、そう簡単じゃありません。「ギター」もそうです。ずーーっとずーーっと学ぶ必要があります。でも、ギターのテクニックなんて、私には教えられませんので(笑)。でも、こと「音楽を楽しむ事」に関しては、私は達人です(爆)。今のJ-POPは、ほとんどわかりませんが(^_^;)。なので一番わかりにくい「パターン」というぼんやりしたもの。およそ教則本には出てこない形で、「音楽」を「ギター」を紹介します。ゆっくり、ゆっくり、やりましょ!!
次回は「影の軍団」=「マイナー・コード」についてです。 では、また・・・・
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