Columu 96

ちょっとおいしい、コピー講座 Part 3


では、次の段階に行くことにしましょう(笑)。ひとつ、ひとつだけ・・・確認しておきます(爆)。

今やろうとしてるのは・・・

  

「音楽を聴いて、音を聞き分ける」

  

これですからね。コード進行がどうの、ギターの弾き方がどうのより前の段階です。「曲」は、必ずしもギターがはっきり聞こえるわけではありません。ギター・ソロまで、ほとんど無いこともあります。でも、じっーーーーと聞くと、微妙にバッキングが入ってたりします。それを聞き分けるには、やはり「慣れ」しかないんです。曲が聞こえて、歌が聞こえて、歌詞がわかって。「演奏」がわからない人には、「そこまで」しか聞こえません。それ以上に行くためには、なんらかの「取っ掛かり」が必要です。その「取っ掛かり」が、今やってることですからね。楽典がどうのこうの、理論がどうのこうのじゃありません。どちらかといえば「動物的カン」で受け止めて下さい(笑)。「そうきこえるでしょ?」というのを、素直に受け止めて下さい。

確実に、初心者を対象としています。それと、「もっと音楽を楽しみたい人」。実は、楽器が弾けなくても、私と同じように聞いて楽しんでる人もいるんです。なにかのきっかけで、「演奏が聞こえる」ようになったんですね。リード・ギターの良し悪しや、ウマい・ヘタが、なんとなくわかるんですね。あとはそれが、「自分の弾くギター」と直結できればいいんです。ギターは、ウマくなくともいいんです。でもちょっぴりでも弾ければ・・・楽しいでしょ?。まあ、「コピーする前のヒント」程度に考えて下さい。では・・・

 

 
 
Part1・Part2で、ある程度、「コード進行」について学びました。これだけで、かなりの曲ができるはずです。ところがコードにはもう1人、大きな巨人(爆)がいます。「影の軍団」それが「マイナー・コード」です。
 
「あれ?今までにも出てきたジャン???」
  
そうですね。「C⇒Am⇒Dm⇒G7」の「Am」と「Dm」は、マイナー・コードです。でも、曲のカンジは明るいですよね?。実際には演歌のように(笑)、じっとりと「暗い曲」があります。それを構成するのが、マイナー・コード。
 
「Am⇒Dm⇒E7」
 
真っ暗ですよね〜(笑)。マイナーでのドミナント・サブドミナントになります。
 
「Am⇒Dm⇒Em」
  
もっと暗いです。救いようが無いぐらい暗いです(笑)。
 
 
この「マイナー・コード」に対して、普通「メジャー・コード」があります。これ「用語」として気を付けて下さいね。一般には、
 
「メジャー=有名」
  
「マイナー=有名でない」
 
こっちの方が普通に使われます。でもコードで言うと、
 
メジャー=明るい
 
マイナー=暗い

 
です。「マイナーな曲」と言った場合、その人によって、意味が違ってる場合があります。「マイナーな曲=一般的じゃない曲」。でも音楽では「マイナーな曲=マイナー・コードを主に使った曲」あるいは「短調の曲」を指します。今使うのは、この後者の方。「短調の曲」です。これを混同したくなければ「マイナー系の曲」って言えば、勘違いされることが少なくなります。
 
さて、「短調」です(笑)。前に説明した「KeyがC」は「ハ長調」でした。それに対し「短調」になります。じゃあ「Cm」は・・・(笑)。
実は、そうはなりません。「KeyがCm」は、たしかに「ハ短調」です。でも今まで説明してきた「Cの親戚」に「Cm」は、一度もでてきませんよね。そうなんです。「KeyがC」で基本を押さえたら、次に来るのは「KeyがAm」=「イ短調」なんですね。「Am」は「C」の兄弟なんです。
 
「C⇒F⇒G7」
 
「Am⇒Dm⇒E7」
 
Keyが違ってますが、「まったく同じ働き」をする進行です。トニックに対しドミナント・サブドミナントが、トニックに戻ろうとする働きをします。そして「Am独特のコード進行」って、あんまり多くはないんです。
 
Am⇒C⇒F⇒E7
Am⇒C⇒F⇒G⇒E7
Am⇒C⇒Dm⇒E7
Am⇒Dm⇒E7
Am⇒Dm⇒Em
Am⇒Dm⇒Am⇒Em
Am⇒E7⇒Am⇒E7
Am⇒Em⇒Am
Am⇒F⇒G
Am⇒F⇒Am⇒F
Am⇒G⇒F⇒E7
Am⇒G⇒Am
 
このぐらいで終わっちゃうんです。というのもですね・・・
 
Am⇒Dm⇒G7⇒C
Am⇒F⇒G⇒C
Am⇒E7⇒G⇒C
 
ありゃりゃりゃ??。みんな「C」に行っちゃうんですよ。これをまた無理やり元に戻すには・・・
 
Am⇒Dm⇒G7⇒C⇒E7⇒Am
Am⇒F⇒G⇒C⇒E7⇒Am
Am⇒E7⇒G⇒C⇒E7⇒Am
 
「Am」のドミナントにあたる「E7」を持ってこないと、戻ってこれなくなるんです。そうしないと「C」に引きずられるのが、この「Amのコード進行」の特徴なんです。
もともと「Am」自体が、「C」の「ダイアトニック」に含まれている音。「Cのコード進行」を見ると、「Am」は頻繁に使われています。そこでは「Am」は「ドミナント・サブドミナント」の役割とはまったく違った、「Cと同等の役割」を持っています。「C⇒Am」は、起承転結の「起承」の部分。コード進行では「序章」にあたる部分に出てきます。まったくもって「Cと同等の役割」なんですね。
そしてここでは「Amが主役」になります。主役ではあるんですが・・・「Cの進行」に惑わされずマイナーだけで進行すると、まさにどんより曇ったサウンドになり、重た〜い曲になります(笑)。ということは・・・
 
「Amのコード進行は、Cで解析できる」
  
ほとんど、親戚になります。まあ勿論「Am独特の動き」も中にはあります。ただJ−POPなんかの場合、間違いなくAm⇒C⇒Am⇒Cのように、行ったりきたりになります。歌の「AメロはAm」「サビはC」なんてことが、頻繁に起きます。「マイナーとメジャー」は「正反対」ではあるんですが、「一番仲のいい親戚」でもあるんです。
 
 
Am⇒E7⇒G⇒D⇒F⇒C⇒Dm⇒E7
 
いわゆる「ハイポジション」で弾いてみて下さい。
 
5f⇒7f⇒3f⇒5f⇒1f⇒3f⇒5f⇒7f
 
ギターのポジション移動として、とても美しいです。規律正しく動いてますよね(笑)。これが「ホテル・カリフォルニア」です。
 
Am⇒G⇒F⇒E7

これも「ハイポジション」で。
 
5f⇒3f⇒1f⇒0f
 
と、キレイに動きます。グランドファンク・レイルロードの「ハート・ブレイカー」。井上陽水さんの「傘がない」(笑)。ここに・・・「DonF♯」を入れると、ビートルズの「While My Guitar Gently Weeps」になります(笑)。
 
Am⇒G⇒D(onF♯)⇒F
 
これは・・・
  
5f⇒3f⇒2f⇒1f
  
キレイですねえ〜(笑)。Cが理路整然とした動きだとすれば、Amは美しい動きをします。この2つのコード流れそのものが、「音楽」なんです。あとは、Keyが移動すればいいだけです。
  
「Cのコード進行」「Amのコード進行」。この2つを把握するだけで、「曲」のおおよそ半分は、解析できます。この流れが、もっとも基本的な流れ。あとは「この流れに反する動き」が判ってしまえば、「コピー」=「コードを拾う」のは雑作もありません。って言いながら・・・難しいんですけどね(爆)。
  
  
今まで出てきたコード。
  
「記号無し」=「メジャー」
  
「m」=「マイナー」
  
「7」=「セブンス」
  
「m7」=「マイナー・セブンス」

  
まだこれしか出てきてません。でも「複雑なコード」をすっとばしても、曲にはなるんです。コピーしていく段階なら、それほど難しいコードに置き換える必要はないんです。
とはいえ・・・(笑)。いつかは、必ず出会います(爆)
 
「△7」「M7」=「メジャー・セブンス」
 
「sus4」=「サスフォー(サスペンデッド・フォー)」
 
「♭5」「-5」「フラット・ファイブ」
 
「6」=「シックス」
 
「m6」=「マイナー・シックス」
 
「9」=「ナインス」
 
「m9」=「マイナー・ナインス」
 
「add9」=「アド・ナインス」
 
「dim」=「ディミニッシュ」
 
「aug」=「オーギュメント」

 
このぐらいですかね(笑)。もっともっと複雑なコードはあります。ただ一般に「歌モノのコード」となると、このぐらいでだいだい済みます。でも・・・14種類あるんです。
 
14種類×12音階×3ポジション=504(爆)
 
ロー・ポジション(ロー・コード)が1つに、2つのハイ・ポジション。基本的に知っていなければいけないコードが、500あるっていうことです。一部「特殊な例」もあるので、一概には言えません。また逆に4つ以上のポジションがあるコードもあります。それに特殊配列の「オープン・コード」があったり、「オープン・チューニング」があったり、「ダウン・チューニング」があったり。
 
これね(笑)、最初に覚える必要はありません。「コードの本」を見て押さえ方を覚える必要なんか、まったくないんです。ある人にとっては、「まったく使うこと無いコード」もあります。そして別な人にとっては、もっともっと難しいコードを使う人もいます。それは「演る曲」「演るジャンル」によって変わります。頻繁に使う「難しいコード」もあります。つまりは、「必要な時に、必要なモノを覚える」。最初はこれで、充分です。
 
一般的なJ-POPのバッキングをするとなると、1000個ぐらい覚える必要があります。ギタリストの皆さんは確実に1000以上のポジションを把握しています。でも誰も、「1000個覚えてる」っていう自覚はありません。前に出てきた「位置のスライド」「コードの指のカタチ」を自然に把握しており、指板のどこにドレミがあり、出てきたコード・ネームに対してどのコードを使うか?。譜面を見ながら、0.1秒もかかって無いでしょうね。それでいて、的確な場所を選んでいるはずです。譜面を目で追いながらも、頭の中ではコード進行が流れていて、「ドコを押さえると美しいか?」を、ものすごいスピードで選択していきます。それでいて、エフェクターを踏んだり、ピックアップを切り替えたり、音量を調整したり。その上で、ドラム・ベース・キーボード・ボーカルを聴き、みんなの動きに反応し、要望に答えます。まるで「聖徳太子」ですが、それがギタリストにとっては当たり前なんです。
 
それを当たり前にする第一歩が、この「コード進行の把握」です。その曲による「コードの流れ」さえ判ってしまえば、そんなにそんなに難しいものではありません。私は「難しいコード」がでてくる度に、嬉しくてしょうがありませんでした。だって出てこないと、「使う場所」がわからないんです。「使い方を覚える」には、実際に使っているものから覚えていったほうが早いです。
 
たとえば「sus4」というコードがあります。私はずっと「装飾音」だと思ってました(笑)。ロックやポップスでは、頻繁に使われます。ドミナントに使われるのが一番多いんですが、そうでないところでもカッコよく使われます。なのでずっと「かっこいい装飾音」だと思ってたんです。ところが・・・
私の思惑から外れて、「sus4⇒sus4」などというとんでもない進行に出会っちゃったんです(笑)。カルチャー・ショックでしたね(爆)。「装飾音」のくせに、その「飾る元」が出てきません。そこで初めて「元にもどりたがる性格」「浮遊感覚(調性をあいまいにする)」という、「sus4本来の意味」を知ったんです。もちろん「装飾音」としては、バンバン使ってましたが・・・(笑)
 
 
それと、もう1つ。マイナーに絡んで覚えておきましょう。
「メジャー・コード」に対して、「マイナー・コード」があります。「暗い」っていいますよね。だけどそれ以外に「ブルージーな」って、よく聞きません?。メジャーでもないマイナーでもない、「ブルージーなコード」っていうのがいるんです。その第一代表が「7th」=「セブンス」です。
いままでは、「ドミナントとしての働き」だけ追いかけてきました。いわゆる「トニックの戻ろうとする動き」です。でも実際に「7th」=「セブンス」には、他の役目があります。
 
「C7⇒F7⇒G7」
 
全部7thにしました。7thの持ってる「戻ろうとする働き」とは違い、不安定になります。ブルースやロックンロールには、もってこいの進行です。ちょっと、不良っぽい動きです(笑)。だけどまだ、完全な「ワル」になりきっていません。そこで完全な不良の登場(爆)。第二候補の「9th」=「ナインス」
  
「C9⇒F9⇒G9」
 
ブルースなどに使われる、典型的なものです。この「9th」というコード。名前は「9th」しかでてきませんが、実は「9th」と言った場合「7th+9th」になります。9thには、7thが含まれているんです。これはのちのちいろいろなところに出てくるようになります。「コード・ネーム」としては「1つ」なんですが、「2つの音の動き」を指定します。難しく言うと、テンションの指定ですね。
 
メジャー⇒7th⇒9th⇒マイナー (笑)
 
「メジャーがどんどん暗くなる」方向に行こうとします。でも、マイナーよりかなり明るいんです。「7th」も「9th」も、マイナーとは大の仲良し。時には「7th」が、メジャーより明るく聞える進行もあります。
 
「Am7⇒D9⇒Am7⇒D9」 
 
「D9」がメジャーと同等に明るく振舞います。でもメジャーよりブルージーでかっこいい(笑)。
 
「C⇒C7⇒F⇒Fm⇒C」
 
「C7」が「C」より明るく、きらびやかに「F」を呼びます(笑)。もともと「F⇒B♭⇒C7」の組み合わせでは、「F」のドミナントにあたる仲良し。橋渡しの能力が発揮されます。
  
  
さあこれで、大方のコードが出てきました(笑)。あとはこれを「聞き分ける」ことができて、並べることができるか?です。「dim」=「ディミニッシュ」や「aug」=「オーギュメント」なんて、ずっとすっと後でいいですからね。とても面白い「特殊技能」を持ったヤツラなんですが。
 
とりあえず次には、「Am進行の曲」を聴いてみましょう。
美しい名曲ばかりです。
 
ではでは・・・

 

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