Column 86

Cubase LE を使ってみよう!(^O^)/


全国のG5ユーザーの皆さん、ご機嫌いかがですか?

外は大雨。こんな時は、部屋に閉じ篭っているのが一番(笑)
なので・・・Windows 8 も何事もなく動いているので、軽く「Cubase LE」の説明をします。

 
この「Cubase LE」。正確には「Cubase LE6」です。「Cubase LE5」とは、まったく別物になってしまいました。今ある「Cubase AI」の「機能制限版」です。「Cubase LE5」は、それまでの「Cubase SX」の機能制限版でした。でも「Cubase LE6」は新バージョン。いろいろ変わっています。なのでDAWを判っている人もそうでない人も「Cubase LE6ってこんなヤツ」と判るように説明します。タダなので(笑)、ゼヒ使ってみて下さい。これだけでも初心者には、相当荷が重いハズです。

 
まず最初にインストール後、「アクティベーション」という作業が必要になります。スタインバーグ社は「ドングル」と呼ばれる認証システムを使っているんですが、この「Cubase LE」(以下Cubase)は、ネットによる「ナンバー認証」です。
まずCubaseをインストールすると、「認証システム」が動きます。ここに「G5の箱」に書いてある製造番号を入力します。そうするとそれによって「新しい番号」が送られてきます。この新しい番号を「認証システム」に入力して終りです。「1ヶ月限定」が解除され、ずっと使えるようになります。私が最も嫌いな「不毛な作業」です(笑)。私はVista→8にしたので、もう2回もやってしまいました。でも「再認証」もOKでした。

 
さてそれが済んだものとして、話を進めます。まずは、Cubaseを起動しましょう。

これが「起動直後」の画面です。今迄に見たこと無い「プロジェクト・アシスタント」なるものが出てきます。これは何かと言うと・・・

 
Cubaseでは1曲のデーターの塊を「プロジェクト」と呼びます。MIDIによる打込み、生の録音、はたまた画像まで含むことができます。その集まりが「プロジェクト」です。それをアシストしようというのがこの画面。見えている5つのプロジェクト。下から2番目の「Piano+Vocal」が一番判り易いんですが・・・。

 
これをポチッと押して画面が進むと、既にそこには「PianoとVocalを入れるべきトラック」が用意されているんですね。ワザワザ設定しなくても、すぐに録音開始できるように先に用意してくれているんです。これはなぜかというと・・・

 
初心者が一番最初に引っかかるのが、ココだからなんです。「録音するためのトラック」を用意するんですが、それは「MIDIトラック」と「生録トラック」があり、さらに「モノ」と「ステレオ」があります。そうすると、どれを選んでいいのか、迷ってしまうわけですね。なので迷わなくてもいいように、予め用意してくれているんです。でも、こんな程度のものじゃ、満足できませんよね。やりたいのは「バンド演奏」を作ることですから。はい、ご心配なく(笑)。この「プロジェクト・アシスタント」の左下、「他のファイルを開く」を押して下さい。

Cubaseのフォルダーの中に「テンプレート」というフォルダがあります。そこを開くと、この21種類が待ち構えています。「おおよそ基本となるであろうスタイル」を用意してあります。バンドから弦楽四重奏まであります。

ではその中から、「Classic Rock Production」を開けてみましょう。

はい、これが「Classic Rock Production」を開けた直後の画面です。既になにやら「データーらしきもの」が見えます。順番に説明しますね。

 
一番上にあるトラック。この「データーらしきもの」があるのが、「ドラム」になっています。棒の中に「GMなんちゃら」って書いてありますよね。それが「音源の名前」です。ここで使っている音源は「GM音源」である「Halion One SE」です。これは「マルティンバー音源」と呼ばれるもので、1つのソフトにありとあらゆる音が格納されていて、しかも複数個呼び出して使えます。その下のトラックがベースなんですが、これも同じ音源を使っています。それではその「音源の名前」のポチッとなっ!!

はい、これは「今選ばれている音」です。[GM 129] Stereo GM Kitというのが、この「ドラムセットの名前」です。その下130以降は、ドラムセットになっていますね。この箱は、画面の関係ないところをclickすると消えます。では次のトラックの「ベース」を開けて見ましょう。

こちらは[GM 034] Electric Bass (Finger)というベースだということがわかります。「指弾きのベース音」っていうことですね。このプロジェクトのトラック1・2・3には、トラックの数字の左側に「ピアノの鍵盤マーク」があります。これが「MIDIトラック」であるという印。その下、4・5・6には「波形マーク」。これは「生録トラック」です。つぎに「ミキサー」を開けてみましょう。一番上のメニューの「デバイス」の中に「ミキサー」があります。

これが「メインミキサー」になります。録音・再生用のフェーダーが出てきます。各フェーダーの下には、「トラックに付けられた名前」が表示されます。これでどのフェーダーがどれなのか、わかるようになっています。

 
「ミキサーの一番右側」が、トータル出力のスライダー。1本しかありませんが「ステレオ・アウト」と表示されていますね。このミキサー画面から、いろいろ複雑なコントロールができるようになります。いぢっていて、一番楽しい画面(笑)。今の状態だと、左から5番目。グレーにハイライトされ「赤丸」が点灯しているのが「録音待機」あるいは、「録音中」のしるしです。このスライダーの真ん中に「eマーク」が見えますか?。これが「エフェクター」のことです。みなさんが一番興味のある「ギター」のトラックを開けてみましょう。「eマーク」をポチッと押すと・・・

これが「1つのトラックの状態のすべて」になります。エフェクターやEQ、センドの状態などがわかるようになっています。今回のCubaseの「プロジェクト・アシスタント」の目玉商品です(笑)。すでに「基本的なEQ」がなされ、「必要であろうエフェクター」がセットされていて、オマケに「FX」チャンネル−トータル・エフェクトまでセットされています。真ん中の大きい黒い箱(笑)。これが「EQ」を視覚で表したもの。中央の線より上は「増幅」。線より下なら「削減」です。これは「4ポイントのパラメタリック・イコライザー」です。「パライコの使い方」を覚える必要があります。

 

そしてその箱の左側にあって、縦4つに並んでいるのが「インサート・エフェクター」です。すでに3個セットされています。ウチ下2つの「eマーク」を押して、エフェクターを出しています。

 

■ここでまず、この「VST」について、軽く説明しておきます。

このVST−バーチャル・システム・テクノロジーはスタインバーグ社の提唱によって生まれた「PCで動く機器の統一規格」です。通常「VSTi」とするとインスツルメント−楽器を指し、「VST」のみで「エフェクター」を言います。前出の「Halion」の音源もVSTi。この2つのエフェクターもVSTです。
ここに表示されている「エフェクター」。「見た目」はチョロイですが(笑)、見た目はあくまでも「プログラムのデザイン」でしかありません。同じエフェクターに「かっこいい見た目」を作ることもできますし、それを良しとしない人もいます。私の「録音して遊ぼう!」にも、フリーのVSTが出てきます。いずれ劣らぬ「名作」で、「見た目」もそれらしく出来ています。ただここに表示されているVSTよりも、さらに簡易な表示なのに、おどろくほどよく出来ているエフェクターや音源もあります。私が使っている「エレピ音源」は、「箱」しか表示されません、ツマミ類は、一切ナシ。でもそれ1音色だけで、バツグンの音がします。それは「Free VST」で検索すると、いくらでも出てきます。ではここで使われている「ちょっとしたVST」を見て見ましょう。

これが、このトラックにセットされている「アンプ・シミュレーター」です。アンシミュとしての「基本的な能力」は、全て有しています。メニューを開けてみましょう。

  
これは画面の説明上、2つ同時に表示させてます。「アンプの種類」と「キャビネット」を設定できるようになっています。みなさんはG5でできるので、しばらくは使わないでしょう(笑)。ただ「このプロジェクト」には、こういった「必要であろう物」がすべてセットされています。前出の小さな2つは「ディレイ」と「リバーブ」。さらにもう1つセットすることができます。G5以外に、4つ「インサート」することができます。

 

 
■ここで1つ「用語」です。
ギターを含む楽器に、「エフェクターを掛けて録音すること」を通常「掛け録り(かけどり)」と呼びます。普通、オーバードライブ/ディストーションなどは「掛け録り」します。ただ「ディレイ」と「リバーブ」なら、あとから曲に併せて処理した方が、なにかと便利です。これを通常「後掛け(あとがけ)」といいます。多少呼び名が違うことはありますが、だいたいこれで通用します。ギターを録音してる最中に「ディレイを後掛けして下さい!」って言えば、ほとんど通じると思います。逆に「ライブ感」を出すために、ワザワザ「掛け録り(かけどり)」しちゃうこともあります。それはケース・バイ・ケース。やり方は、ひとそれぞれです。
でもこのように「アンシミュ」や「オーバードライブ/ディストーション」も「後掛け」する場合もあります。G5にも「ダイレクト出力」がありますよね。あれと同じ考え方です。録音中、「再生音だけ」エフェクトを掛け、録音するのは生の音。エフェクターは全て後から掛ける、というやり方の人もいます。手間はかかりますが、自由度は高いですね。

 

さて、続きです(笑)。ミキサー画面右側。黒い箱の右側にもなにやら「エフェクターらしいもの」が見えます。その下のミキサーを見ると、そこにも「エフェクターの名前」が表示されたチャンネルがあります。これが「FX」。いわゆる「センド・エフェクター」になります。

「インサート」と「センド」。なにやらメンドウですが、覚えてしまえばこれほど使いやすいものもありません。またこの「Cubase LE」においては、インサート・エフェクトが「1チャンネルで4つまで」という、「機能制限」があります。これは上位機種になると、制限がなくなります。エフェクターの数も、録音できるチャンネルも、無制限になります。使える数は「PCの能力」に依存することになります。

 
G5が使えれば、4つで少ないことはありませんね(笑)。初心者が4つで困ることは、まず無いと思います。もしも万が一4つで足りなければ・・・そう「FX」を使えば、もう4つまで足すことが出来ます。それは「やり方次第」なんですけど。そんなことはまだ覚える必要はありません。まずは「インサート」と「センド」の使い方の区別が付けられればいいです。自分で曲を入れ始めたらわかります(笑)。今このプロジェクトでさえ、6トラックあります。それを×4なら、24個。たった6チャンネルでさえ、エフェクターだらけになります。実際は、そんなに使いませんから(爆)。これ「EQ」はカウントしないで、ですからね。EQを入れると、30個です。

 
だいぶ脇道にそれましたが・・・(笑)

もう1つ「FX」について。ミキサー類を全部消して、トラックだけにすると・・・

普段は隠されていますがトラックにある「フォルダー・アイコン」をポチッと押すと、「FXのトラック」が開きます。「赤い線」が出てますよね?。これが「オートメーション」の視覚表示です。
赤い線の左ハジを見ると「ボリューム」と表示されています。今これを「再生」すると、その赤い線に沿って、ミキサーのフェーダーは、一定音量になります。これをですね(笑)

 
やり方は2つ。「録音状態にしてフェーダーを動かす」と「えんぴつアイコンで直接書き込む」。この2つのどちらかで「赤い線」を動かすと、その線にそって「フェーダーが動く」状態になります。いわゆる「オートメーション」ですね。自分が書き込んだとおりに、フェーダーが動きます。これ実は・・・

 
「ボリューム」だけではありません。エフェクターなら、「エフェクターのパラメーターのすべて」を、この「赤い線のオートメーション」で動かすことができます。ディレイ・タイムでもリバーブ量でも、自由自在に動かせます。そして、なっなっなっんと!!!(笑)
この「オートメーション」。実は全てのトラックに作ることができます。ギターだろうが、シンセだろうが、MIDIだろうが、生録だろうが、すべてオートメーションで動かすことができます。極端なことを言えば、「Cubase内のすべてのパラメーター」を動かすことが出来ます。いや、もとい!!(爆)。Cubaseの外に繋いであるものまで、動かすことができます。

 

 

■これは、覚えなくていいですからね(笑)。話として聞いて下さい(爆)。
スタインバーグ社がYAMAHAの傘下に入って何がスゴいかって、「ほとんど全てのシンセザイザー」を「スレーブ」として動かせる機能が付きました。私だと「SY−77」などです。MIDIで接続し、外部ミキサーに音を集められるシステムを作れば、「SY−77」がまるで「VSTi」のように動きます。音色名もCubaseにちゃんと表示されます。外部に命令を出すので、当然レイテンシーが発生します。しますが・・・(笑)、ちゃんとCubaseが自動で補正してきます。これらのことすべて「オートメーション」で行うことができます。ついでに・・・(爆)
MIDI信号を出して「外部機器」をコントロールできるっていうことは・・・。そう、外部の「MIDIエフェクター」も、これで動かすこともできます。GP−16やREX50をSY−77に繋ぐと、シンセを弾かせてなお、エフェクターも動かすことができます。しかも(クドい!!)、MIDI信号なので、最後まで「録音する必要が無い」っていうことです。見た目は「MIDIトラック」が増えただけ。でも、外部のものを全てスレーブで動かしています。MIXの時も、シンセからは「生音」で送られてきます。しかもしかも(クドい!!×100)、「フリーズ」という機能を使うと、Cubaseの中に「仮録音トラック」を作ることができ、途中の作業では「外部機器」は、セットする必要がありません。これ2万円のエディロールのインターフェイスと、2万円の8chミキサーがあれば、誰でも作れるシステムです。私は外部音源×3台、エフェクター2台。これをミキサーにまとめ「2ch」−ステレオでCubaseに送って作業します。「Let it be」のカラオケを作る時(笑)は、3台のピアノ音源を重ねて作りました。Cubaseには「そういう能力」もあります。

 

 
だいぶ、脱線しました。元に戻るボタンを押します(笑)

さて最後に「ドラムのトラック」を見て下さい。なにやらすでに「データー」が入ってます。4つコピーされ、8小節分あります。これのどれでも良いので、クリックして下さい。

これが「ピアノ・ロール画面」。打込みのための「基本画面」です。左に縦にズラッと並んでいるのは「ピアノの鍵盤」。ドラムの場合、決まった音のところに、決まった音色が入っています。マウスで鍵盤をポチポチすると、音を聞くことができます。

 
そしてその右側に広がっているのが、いわゆる「譜面」に当たるところです。「小節」を箱で区切ってあります。そこに「鉛筆カーソル」でクリックして書き込むと、音が出るようになります。逆に「消しゴム」で消すこともできます。

 
本来ドラム・トラックには「ドラム・ロール」という「専用画面」があるんですが、この「Cubase LE」では省いているようです(笑)。話すと長いんですが、簡単に言うと「ドラム専用音源」と、この「マルティンバー音源」では構造が違うため、「ピアノ・ロール」を使ったほうが「初心者がわかりやすい」んです。最初からイロイロな入力方式があると迷うので「とりあえず、ピアノ・ロールでやってね!」というもの(笑)。実際にはドラムには「音符の長さ」が必要ないため「ドラム・ロール」のほうが、理解はしやすいんです。ただ、まぜこぜになると困るので、1つにしてあるんだと思います。ピアノ・ロールが判れば、ドラム・ロールはすぐわかりますから。

で(笑)、このドラムのデーター。下のほうに「棒グラフ」がいます(笑)。これが「ベロシティ」。「叩く強さ」を表します。棒が長いほど強く叩き、短いと弱く叩きます。これはベースやキーボードでも同じです。違うのはこの「ベロシティ」のところをクリックすると、「モジュレーション」などの「他のパラメーター」もココに書き込むことができます。これは「使う音色」によって、様々なパラメーターが出てきます。「オルガン」であれば、「レスリーのON/OFF」などもココに書き込みます。それは「棒グラフ」の場合もあるし「折れ線グラフ」の時もあります。ピッチ・ベンドなども書き込めます。そしてその書き込んだデーターを、別途「数値」で出して、直接数値を書き込み・変更することもできます。ピッチ・ベンドなどは、「正確な音程」で停止させたいですからね。

これは「いままでに何も無かったところ」に、上の「えんぴつカーソル」でドラッグして、「次に入力する場所」を指定しているところです。この、「最初に指定する」という概念が、最初に初心者のネックになるところ。「生録」は勝手に書き込まれていきますが、ことMIDIに関しては、「先に指定」してから、そこをクリックして開けて、初めてデーターの入力ができます。

この画面では、ドラムが入っている8小節分を作りました。ここに「ピアノ・ロール」の画面で、ベースを入力していきます。ところが夢中で入力しているうちに、9小節分入力してしまいました。さて、どうなるでしょう?

ダイジョウブです。「多く入力した分」は、勝手にCubaseが判断して、9小節分にスペースを広げてくれます。そういったことは、作業中にはあまり気にすることはありません。たとえ小節がずれたとしても、カット&ペーストですぐに治せます。上の方に「はさみカーソル」がありますよね?。それを使えば、この箱を任意の場所で、チョキチョキ切ることができます(笑)。「はさみカーソル」の右側にあるのが「糊カーソル」。接着剤です。これをクリックしてから上のドラムの状態のところをクリックすると、すぐ隣の部分はくっついて、「1つのもの」として動き出します。3回クリックすると、「8小節ひとかたまり」になります。「歌の1番」ができたら、その分を糊でくっつけると・・・、そのまま後ろにコピーすれば、「歌の2番」は、何もしなくても出来上がります。そういう「便利なコマンド」があっちこっちにあるので、気にして覗いて見てください。「キーボードのショートカット」と一緒に覚えると、作業がとても早くなります。

 

 

これが「プロジェクト・アシスタント」です。「必要であろうもの」を最初から用意してあります。もし使ってみて「これはいらないジャン!」って思ったら、その機能をOFFして「保存」して下さい。そうすれば次回からは、「あなたが作ったプロジェクト」を呼び出すことができます。というか・・・

 
四六時中「同じような構成」で曲を作るなら、「オリジナルのプロジェクト」を作ると作業が早いです。私の場合、ドラムのVSTに指定した音色が割り当てられ、生ベースとシンセ・ベースを用意しておき、ピアノ・ストリングス・オルガンを別途セットした「オリジナルのプロジェクト」を呼び出して作業します。当然「使うであろうエフェクター」も呼び出してあります。ただ、ミキサーの各チャンネルにはアサインしていません。「余計なモノ」を動かすと、パワーを喰いますので。そうすれば、いつでも「同じチャンネル構成」で、「同じトラック順」に画面に呼び出して作業できます。勿論「ストリングス」を「ブラス」に変えるのは、ワンタッチでできます。「音色を変えるだけ」ですから。自分にとって「作業し易い状態」が、最初からできているわけです。

 

 
「Cubase LE」は、簡易版−おためし版ですか?

 
という質問が書かれていました。たしかに「機能制限版」なので、「簡易版」ではあります。でも、とてもじゃないですが、初心者がそうそう使いきれるものではありません。このLEからAIまたはそれ以上に行くなら、相当使いこなす必要があります。正規版には、まだまだ「ものすごい機能」がありますから。

 
でもようつべに「弾いてみた!」で出す程度なら、このLEで充分です。使われてるエンジンは、機能を落としていません。「音質」は、充分です。基本的なコマンドは、全然省略されていません。「バンドのデモ」にも、最適です。LEを使いこなして「この正規版にある機能がないと困る」という認識がはっきりしたら、移ればいいと思います。そうなるのに・・・普通の人なら早くても半年はかかるでしょうね。LEだけでも、ものすごい数のコマンドがありますし。

 
私はどちらかといえば、最初から「なんでもできるヤツ」を使うより、機能が省かれて簡単に動くものを使ったほうがいいと考えています。そうすると「自分が進化」することによって、どこかで壁にぶつかります。それでもそれを、「簡易版で再現」するように考えます。そうこうしているうちに「ノウハウ」ができてくるんですね。「どこがダメで、どこが良い」が見えてきます。マルチより、コンパクトを使え!っていうのと同じような考え方です。1つのチャンネルにいくつでもエフェクターをインサートできると、「センドの使い方」を覚えなくなってしまいます。限界の4つに達して、そのうえでインサートとセンドを併用すると、どっちにどういう利点があって、どういう欠点があるのかが見えてきます。
また4つしか掛けられないことが判っていれば、「前処理」をしようと考えます。いわゆる「掛け録り」のやり方を覚えます。ところがこれ、単純に「掛け録り」だけではありません。たとえば・・・

 
私は「ドラムのVST」に、「私が作った音」を発音させています。これは「サンプルのドラム音」−たとえば「バスドラ」に、先に「コンプ」を掛けてしまって「エフェクト処理をしなくてもいい音」にしてしまっているんです。それはドラム音全部−セットまるごとそういう風にしてあります。それで「簡易なデモ」の場合はそのまま使い、「正規のモノ」ならMIXの時には、全ての音を差し替えてしまいます。というのもの・・・
私の場合「ドラム・フェチ」でして(笑)。いろいろなドラムの音を使わないと気が済まないんです。Linnドラ・シモンズ・フェアライト・808・909などなど。この「プロジェクト・アシスタント」の数倍の「ドラム音源」があり、それを入れ替えています。それは良い・悪いじゃなくて、「楽しいから」なんです。「自分の思ったドラマー」に叩いて欲しいから(爆)。何も指定がなければ、私の頭の中では「よっちゃん」がドラムを叩いています(笑)。でも曲によっては一清君がよかったり、江口さんや青山さんがよかったり、ジェフリーがよかったり、ジム・ケルトナーがよかったりラス・カンケルがよかったり。そういう「フェチ」なんです。

 
それができるのも「DAW」の楽しみのひとつ。「自分の理想とする人」と、一緒に演奏できたり、歌のバックをやってくれたり。頭の中でやるぶんには、タダですから。ただそれには「それなりの知識」が必要になります。よっちゃんとジェフリーでは、「叩くフレーズ」が違います。それをわかって組み立てないといけません。まあDAW上なら、ツイン・ドラムでもトリプル・ドラムでも可能ですけど(爆)。
ざっと駆け足で「Cubase LE」を流してみました。面白そうでしょ?
面白いんですよ、これが(笑)。まず、ハマります。ちゃんと動かせれば(爆)。

 
スタインバーグ社のHPに行くと、LE6用ではありませんが取説はあります。「AI用」が一番近いと思います。それ以前の人−LE5以前の人は、SX用がわかりやすいです。ハマると、際限なく「先」があります。「レコーディング技術」も覚えなくちゃいけないし、「耳」−音に関する感性も磨かなくてはいけません。モニター用のスピーカーも欲しくなります(笑)。

 

 
まずは「やってみる」。これしかありません。オリジナルより、コピーのほうがとっつき易いですよ。「CD」と同じように聞えるようにトライしてみて下さい。これの細かいことに関しては、質問は受け付けません(笑)。あまりに範囲が広すぎますし、説明も長くなります。どーーーしても、どーーーしてもわからない時、1回だけ、ゴールデン・ハンマーを使って下さい。ハンター・チャンスをあげます(爆)。わからなくて判らなくて、夜中に1人で頭を抱えるのも、それはそれで「Rock」です。

 

 
ひとつだけ「小言」を言わせて下さい(爆)
初心者の人!!「この機材だからできない!」なんて言わないで下さいね。「Cubase LE」であっても、普通にやれば充分な音源は作れます。DEC8さんもよねちゃんも、自分のPCだけで、ひょいひょいと作ってきます。とんでもない高い機材を使ってるわけではありません。今のDAWは、ソナーもSSWもLogicも、みんな「できること」はほとんど同じです。ソフトによる「独自の差」が、ほぼありません。違うのは「見た目」と「操作手順」だけです。私個人の感想であれば、「Cubase」はとても良くできています。さすがに長年のノウハウがあります。ただLogicには「Logicの良さ」があるのはたしかです。Logicは、Protoolsと互換性が高いです。でもCubaseもProtoolsのファイルは、みんな読み込めます。お金さえ出せば、最新のエフェクターも使えます。AI以上なら、音程を直せる「ピッチ・コントローラー」も付いてきます。でも・・・歌やギターがうまければ、ピッチを直す必要なんかありません。

 
 
いいですか(笑)。機材「が」音楽を作るワケではありません。機材「で」音楽を作るワケでもありません。音楽を作るのは、あくまでも「人」−あなたです。機材は、それを「助けてくれる」だけです。バンド全員が完璧に演奏できるなら、MIDIなんて無くてもいいわけです。あなたが全部の楽器を完璧に弾けるなら、それを録音したほうが早いんです。でもそれができないから・・・機材が、「助けてくれる」んです。自分が出来ないことを、機材のせいにしないで下さい。機材やPCは、それを使う人以上には賢くなりません。また、ウマくもなりません。100万円の機材を持ってきても、あなたの曲が「いい曲」になるわけではありません。多少、「音質」が良くなるだけです。「音楽を作る」のは・・・「あなた」でしかありません。「良い曲」であれば、生ギター1本でも、人を泣かせることはできます。たとえそれがマーチンやギブソンのギターじゃなくても・・・できます。

 
 
 
 
PS.私がCubaseを「ノートPC」に入れたがるのは・・・
ツイン・ディスプレイにしやすいからです(笑)

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