第17回
ZOOM G2.1u
出身地 日本
生息地 島村楽器
値 段 13000円ぐらい
G2.1u攻略法(笑)
「ZOOMの名機」と呼んであげましょう(笑)。このシリーズになって、ZOOMは飛躍的に音が良くなりました。以前あった特有
の「鼻詰まり音」が解消され、高音が伸びるようになりました。しかも安くて頑丈なヤツです。けして上級者が使わないであろ
う(笑)コイツを使って、上級者の音に迫れるよう、がんばりましょう!!(爆)
この「G2.1u」、良くも悪くも「マルチ・エフェクター」以外の機能まで持ってます。「オーディオ・インターフェイス」として、あるい
は「ヘッドフォン・モニター」として。そしてオマケの「チューニング・メーター」。ある意味、初心者がこれを手に取ると、注意力
が散漫になってしまいます。ここではそれらの機能は一切忘れ、「マルチ・エフェクター」としての能力、および「マルチ・エフェ
クター」内の各エフェクターの使い方のみに、集中したいと思います。
まず最初にこの「マルチ・エフェクター」っていうのは、なんでしょう?
ここが曖昧になってしまうため、初心者は混乱するんですね。
マルチ・エフェクターとは・・・
「コンパクト・エフェクターの集合体である!!」
ほんとうはここが大事なはずなのに、見逃してしまう。その最大の原因が「プリセット」にあります。
雑誌を見ると書いてあるでしょう?「買ってすぐ使える、実践的なプリセットが満載!!」って(笑)。これは・・・ウソですから(爆)。
どんなギター、どんなアンプでも同じ音が出ちゃったら、それはそれで恐いでしょ?それじゃ、サンプラーじゃん。そんなわけな
いよね。じゃあどうするか?って言ったら、「1個ずつ、確認」しなきゃ。
「えーーっ、めんどくせー!」って言ってる人(笑)。それをやらないから、いつまでたっても「エフェクター」を覚えないし、上級者
に追いつけないんだよ。上級者の人は、一つずつのエフェクターの使い方を熟知して、なおかつマルチとして使ってるから、便
利なの。「エフェクターが並んでるから便利」なわけじゃないんだよ。だから、「プリセット」が邪魔なんだよね。「プリセット」は、
それぞれのエフェクターの使い方がわかってから「参考」として使って。だってZOOM社としては、「とあるセッティング」の時に、
能力を発揮できるものとして「プリセット」を作ってるわけだ。だとすればそこにはメーカーの「ノウハウ」は入ってるはず。他の
「G1」なんかには、「ミュージシャンのノウハウ」が入って、売ってるんだね。それを「参考」にしないのは損。だからと言って、
「鵜呑み」にするやつは、バカ(笑)。あくまでも「自分の音」を作るのが「目的」でしょ?そのための手段がコイツなんだね。
ところでこの中には、「エフェクターであって、エフェクターでないもの」が入ってます。それが・・・
「ZNR」−「ズーム・ノイズ・リダクション」
「ボリューム・ペダル」
です。この二つは、積極的に音を変化させるものではありません。まったく別個に考えて下さい。それ以外のところが「エフェク
ター」になります。
まず最初に一番大切なところ。「オーバー・ドライブ/ディストーション」のセクションを確認しましょう。G2.1uでは「Drive」というセ
クションになります。まずその前に・・・
手順として「ユーザー・セクション」の「A0」番、BANK「A」の「0番」に、すべてのエフェクトを「OFF」にしたプリセットを作りましょ
う。使ってていいのは、「ノイズ・リダクション」と「ボリューム・ペダル」だけです。ほんとは「ノイズ・リダクション」もOFFのほうがい
いんですが、それは後回しということで。「ギター」→「G2.1u」→「アンプ」と繋いでおきます。ヘッド・フォンでやると、実際にはま
ったく使えない音になっちゃいますからね。「実際のアンプ」は歪まないセッティングで、「今あなたが一番いい音」と思えるセッテ
ィングにして下さい。トーンを「5」ぐらいから、自分の思う音になるようにですよ。そこが「スタート地点」になります。まず「アンプ
の音ありき」です。アンプの音に満足できなければ、いくらやっても無駄です。
まずはすべてのエフェクトをオフにした状態から始めます。マルチはなんでもそうですが、一番大事なのは、「歪みのコントロール」
です。すべてはここから始まります。最初に選ぶのは・・・ドライブ・セクションに、ずばり!「OD」というのがあります。
この「OD」。「オーバー・ドライブ」の意味なんですが、ZOOMでは「BOSSのOD−1」のシミュレーションとしています。大胆です
ねえ〜。他社製品、それも同じ国産メーカーのものですよ。ZOOMのスタッフを尊敬します(笑)。「良い物」を継承するのは、とて
も大切なことです。実際に「どの程度OD−1に似ているか?」と問われれば「???」ですが(笑)、「オーバー・ドライブ」としてとて
も扱いやすく、私はこれを「基準」して考えています。まずは、「とりあえずOD」。ここから音作りをスタートさせています。
パラメーターは3つ。「Vol」「Tone」「Drive」。構成はOD−1というより、SD−1ですね。まずこれで「オーバー・ドライブの歪(ひ
ず)みとは、どういうものか」ということを知って下さい。
「オーバー・ドライブ」の基本は「フェンダー・ツイン・リバーブ」を、ナチュラルにオーバー・ドライブさせた音が「元」になっています。
できるだけ「ナチュラルに」というのが基本です。したがって「Drive」の設定で、「歪み」が増えていって、それを「Tone」で整える
のが、この「OD」の使い方です。
ここで問題になるのが「あなたのギター」です。今あなたが使っているのは、ストラト?レスポール?SG?テレキャス?。ます大
きく分けて「ハムバッカー」と「シングルコイル」。この2種類のピックアップ、「オーバー・ドライブ」の係り具合が全然違います。当
然、両方持ってる人は、両方使うことでしょう。でもそうすると「Drive」の設定も、「Tone」の設定も、パラメーターの値は全然異
なった数値になります。「設定を教えて下さい。」「どう設定すればいいんですか?」「同じ歪みは、どうやって作りますか?」。ね
っ、ムリなのがわかるでしょ?しかもですよ、「ストラト」と「テレキャス」でも設定は違います。「レスポール」と「SG」でも違います。
当然、「BCRitch」なんかは、論外に異なります。
コンパクト・エフェクターは「ツマミの位置」が、目に見えます。ツマミの多くは7時〜5時位の位置で動きます。慣れてる人は、ツ
マミの位置をパッと見ただけで、「どのぐらいの音が出てくるか」の判断ができます。これが「マルチ」になると、「数値」で感覚的
に設定しなくてはいけません。というか「どのぐらい変化するか?」は、マルチの機種によっても違うし、この「G2.1u」でも、「歪
みの機種」によって異なります。「80にしたからこのくらい」という基準はありません。従ってすべては「耳」に頼ることになります。
ただ、それでは初心者の人が使いきれないので「G1」のような、「○○さんのモデル」っていうのが出てきたんですね。それなら
「ある程度の傾向」は掴めますから。それがあったとしても「自分で調整」しなければいけないのが「エフェクター」です。
まずギターのピックアップは、ブリッジ側で、ギターのツマミはフル。「G2.1u」を「OD」のみにして、「Vol:80」「Tone:80」「Dri
ve:0」の状態から、少しずつ「Drive」を上げていきましょう。少しずつ上げていって、あなたが最初に「歪み」を感じるところは、
いくつでしょう?15?20?30?。それぞれのギターやアンプによって聞こえ方が違うし、あなた自身が「歪み」を感じるところ
も違うはずです。これは「弾き方」も影響します。ピッキングの強い人と弱い人では、エフェクトの掛かり具合が異なります。とり
あえず「20」としましょうか。ここから「100」の間までが「歪みの領域」です。
まずあなたが「歪みを最初に感じたところ」。今はとりあえず「20」にしてますが、そこにセットして下さい。ほんの少し歪んでる
「クランチ」の、そのまた軽いカンジですよね。アルペジオも、コード・バッキングもできる汎用的な音です。これは後々、ずっと
使うので、覚えておいて下さい。そしてその状態で「Tone」を下げていくと・・・
当然音は「丸くなる」あるいは「モコモコ」になってきますが、その状態で「歪み」はどうでしょう?「Tone」を下げると「歪み」が減
ったように感じませんか?そうなんです。「歪み」は「高音」−「硬い音」のほうが掛かりがわかりやすいんですね。同じ量歪ませ
てると、高音がキツイほうが、より歪んで聞こえるんです。
ということは・・・もともとギターとアンプで作ってスタートした音が、柔らかめのセッティングをしてる人は、「Drive」を少し多めに
掛けないとだめなんです。ここが「それぞれの微調整」の難しいところです。
では逆に「Tone」をドンドン上げていきましょう。途中から聞くに堪えないぐらい「硬い音」、キツイ音になってきて、軽く掛けたは
ずの「歪み」が、耳障りになってきます。
その状態から「Tone」を戻していきましょう。あなたが最初に歪みを感じたところにぴったりの「Tone」の数値を見つけます。「数
値」は人それぞれです。で、あなたが「ピッタリ」と感じたところ、それが一番軽い「クランチ音」の音−もっと正確に言えば「あなた
がODを使って、ギターのブリッジ側のピックアップで、最も軽く感じるクランチとして作った音」です。ギターの音が柔らかいとかモ
コモコに感じるところじゃないですよ。歪みすぎもダメです。もっとも「スッキリ」感じる所ですよ。軽く「ジャギジャギ」いうカンジのと
ころです。さあ、そこから「Drive」を「+10」上げてみましょう。
どう?(笑)だいぶ「クランチ」になったかな?いわゆる「ジャギジャギいうクランチ・サウンド」になってるはずです。チョット歪みが強
い人は、少し下げていいですよ。これでジャガジャガ、コードを弾くと、かなり「Rock」な気分になれます(笑)。ではこれを「A1」に
保存しましょう。「保存のしかた」をちゃんと覚えてくださいね。
これで「A1」に「クランチ」が入りました。このまま、次に行きます。が・・・その前に・・・・
この「クランチ」のまま、ギター本体の「ボリューム」を下げてみましょう。ボリュームを下げていくと、「0」になる前に「フッ」と「音量
が下がるところ」があるはずです。これもギターによって違うので、感覚的なものです。その「音がなくなる直前」のツマミの位置で、
ギターを弾いてみましょう。どうです?「歪み」が無くなってませんか?まるで、「オーバー・ドライブ」が掛かってないような音になる
とおもいます。これは「アンプで歪ませる」時の原理と同じで「入力信号が弱くなると、歪まなくなる」という現象を、エフェクターで行
っているんです。したがって、エフェクターで一つの音を作っても、ギターのボリュームを変えれば、「もう一つの音」を作れるんです。
エフェクターを踏み変えなくても、「歪みを押さえる」ことが、できるんです。よく映像でギターを弾きながら、ボリュームをいじってる
人みませんか?あれは、自分で「歪み」をコントロールしてるんです。
さて、だいぶ楽しくなってきましたか?(笑)。それではギターをフルに戻して、「Drive」を上げていきましょう。だいたい30〜50ぐら
いまでで、「気持ちいい、オーバー・ドライブ・サウンド」になるはずです。ギターによっては60ぐらいまで上がる場合もあります。10
0はまだですよ(笑)。その気持ちよく「オーバー・ドライブ」が掛かっているところ。それが今回の目的です。
ただし、ただしですよ。「単音フレーズ」と「コード弾き」では、「気持ちいいオーバー・ドライブ・サウンド」は違います。まずは「コード
弾き」−バッキングを弾いた時、パワーコードを弾いた時に「気持ちいいオーバー・ドライブ・サウンド」になるところにセットします。
いいですか?(笑)。はい、できたらそれを「A2」にストアしましょう。
そのまま「A2」の音を、今度は「単音フレーズ」−リード・ギターを弾いた時に、気持ちよく伸びるところにセットします。そのパラメ
ーターが決まったら、それを「A3」にストアしましょう。
さあこれで、基本的なセットができました。
A0 原音(ノーエフェクト)
A1 クランチ
A2 バッキング
A3 リード
もうこの「4つ」があれば、簡単な曲ならいけてしまいます。もう、基本的な音はありますよね。
さてここからが、大変です(笑)。あとはどうするの?(爆)。そうですね、まだ「OD」しか使ってません。「ディストーション」の音が
欲しいですよね。このZOOM「G2.1u」には、様々な「歪み」が用意されています。
1.クリーン系
2.クランチ系
3.オーバー・ドライブ系
4.ディストーション系
5.ファズ系
6.アコースティック系
なぜ私は「名前」を書かないんでしょう?(笑)。
もともと各「歪み」は、「シミュレーション」として作られています。取説を読めばわかりますよね。マーシャルやピーヴィーなど
の有名どころをコピーした音色です。なのに名前を書かないのはなぜ?それはですね・・・
「名前に惑わされて欲しくない」
からなんです。
「Aさんはマーシャルを使ってる。だからこのシミュレーションを使えば、似てるはず。」
ある意味「当たり」で、ある意味「はずれ」なんです。それはですね・・・
Aさんはマーシャルを使ってます。
AさんはBOSSのOD−1を使っています。
さて、どれでシミュレーションしましょう?(笑)。アンプがマーシャルなんだから、マーシャルのシミュレーション?いや、OD
−1を使ってるんだから、「OD」?(笑)。同時に二つは使えないよ。さあ、どっち??
実はねえ、それを判定するのは「君の耳」なんだ。この「Aさんの条件」。音色を決定してるファクターを、自分で聞き分け
ないと、「Aさんに似た音」は作れないんだね。
私の例でいうと・・・例えば「JC−120」。私はJC−120がダイッ嫌いなんだ。あのガチガチで色気の無い音。もともとフェ
ンダー系のツヤのある芯のある音が好きな私は、JC−120を「ツインに似た音が出るように」セッティングして、使うんだ。
だから今だと、私の自分のフェンダー・アンプから出てる音なのか、JC−120から出てる音なのか、廻りの人が分からな
くなるような音を作ってるんだ。私はJC−120を「とあるセッティング」にして、自分のアンプとよく似た音を作る方法を知っ
てるんだ。そのうえで「G2.1u」を使ってるんだ。ということは、私の音を真似る場合は「G2.1u」をフェンダー向きにセッテ
ィングした音、として考えないと作れないん。でも、JC−120でも、「自分の音」は出せる。そういうセッティング。
だけどこの「G2.1u」。実は私はRolandのGP-16というマルチの「かわり」として使ってます。ちゃんとした時には、GP-16を使
うのが、私のほんとのセッティング。ということは私が「JC−120」+「G2.1u」で作ってる音、「GP-16」+「フェンダー」のセ
ットを使っても、「まったく同じ音」を出せるんだ。わかるかな?「JC−120」+「G2.1u」と「GP-16」+「フェンダー」のセット
には、全く接点も共通点もない。だけど私は、ほぼ同じ音が出せる。そしてアンプは「Musicman 212」を使っても、私はほぼ
同じ音が出せる。ということは・・・
「Aさん」の音を作りだい時に、「Aさん」と全く同じ機材じゃなくとも、「似せる」ことは出来るんだ。そりゃ「同じ機材」のほうが
やりやすいのは確かだよ。だけど「Aさんの音」を作りたいがために、高い機材を買ったり、あまり好みじゃない機材を買う
のって、バカらしいじゃん。「Aさん」が何の機材で、どういう音作りをしてるのか知ることは、とても重要。そこには「Aさんの
ノウハウ」が詰まってるから。でも君は「Aさん」じゃないんだよね。
たとえば「Aさん」は、すごい高い「リバーブ」を使ってる。スタジオにある機材だ。1台何十万円もする。君はそれを買うのか?
(笑)。私だったら絶対買わない。まず「Aさんの使ってるリバーブ」の「パラメーター」を調べる。どんなツマミがあって、どんな
ことができるのか調べるんだ。そしてそれを使って「Aさん」がどんなことをしてるか「聞く」んだ。そのうえで、「安い機材」で、
「同じようなことができるもの」を探す。同じような「パラメーター」があって、同じようなセッティングのできるやつ。当然値段の
高い安いはあるので、「音」そのものは「違う」かもしれない。だけどそこを「工夫」すれば、なんとかはなるんだ。君は高いリ
バーブと安いリバーブを、聞き分ける耳を持っているかい?私は「スタジオのモニター」でならわかることもあるけど、「ギター
アンプ」から出てくるリバーブの高い安いなんて、聞き分けられないぞ。だったら、それでいいじゃん(笑)。
ここまでたどり着いて、けっこう大変だった?大変だよね。でもまだ「OD」1個をセットしただけなんだよ。君たちが「○○さんの
ような音が出るセッティングを教えて下さい。」っていうのが、いかに無謀なことを言ってるのがわかってもらえたかな?(笑)。
ギターが違う。アンプが違う。弾き手が違う。感じ方も違う。それなのに、どうやって教えろっていうの?(笑)。「エフェクター」は
「サンプラー」じゃないんだ。「誰が弾いても同じ音」にはけっしてならない。同じエフェクターを持たせても、100人が100通り
の音を作ってしまうんだ。
みんなが一番作りたい音は「Hideさん」の音かな?(笑)。だったらまず、「ハムバッカー」のギターが条件だ。そのうえで「G2.1
u」の中にある「ディストーション」から、「一番似た音」を捜すしかない。どうやって?それは「自分の耳」しか、頼りになるものは
ない。自分で捜すしかないんだ。「耳」に頼るとどうなるかっていうと、君と君の友達が選ぶディストーションが「違う」ってこともあ
るんだよ。別に「Hideさん」は、雲の上の遠い人じゃない。X-Japanを聞いてても、そんなにすごい音を出してるわけじゃない。
「同じ音を作れるわけがない!」って盲目的に信じてる人もいるみたいだけど、そんなことはないから。そう思ってる人は、ずっ
とそう思ってればいい。その人は「それ以上」伸びることはない。「Hideさん」は「ヒーロー」だけど、「ギターの神様」じゃないから
ね。ちょっとうまい人なら、同じような音はすぐ作れるはず。でも根本的に「全く同じ音」を作っても意味がないんだ。コピー・バン
ドで終るならそれでもいいんだろうけど。少なくとも私なんかは「必要としない音」だからね。私は世界中のギタリストで、「その人
しか出せない音」を出してる人なんて、ほんのわずかだと思ってる。たとえばジェフ・べックとか、スティーブ・モーズとか。このへ
んの人をコピーしろ!って言われたら「それは、ムリなんじゃない?」と思うけど。でも現実にはジェフ・べックソックリの音を作っ
ちゃてる人もいるし。逆にスティーブ・モーズなんかは、「その4つのピップアップで、いったい何種類の音を出すの?」っていうぐ
らい、多彩な音を出す人。1曲やるのに、何種類の音をコピーしなきゃいけないの?っていう人だから。
機材が違うから、腕が違うから「同じ音は出せない」って思ってる人は、ずっとそう思ってればいい。全く前進しない人だから。プ
ロには向かない人。わかったようなこと言ってるけど、向上心のない人だから。
レコーディングの時ってさ、「ちょっとそこに、ヴァン・ヘイレンみたいなソロ、入れてくれる?」みたいな注文がくるんだよ。ディレク
ター、プロデューサー、クライアントの言うことは、「絶対」だからね(笑)。そのときに「機材が違うから、できません!」って言ったら
・・・次からは絶対仕事は来ないだろうな(笑)。「なんか、こう、サンタナみたいな泣きのフレーズを入れて欲しいんだよねえ〜」こん
な注文なんか、しょっちゅうだよ。そういう時どうするかって?みんな、パパッと「似たような音色」を作って、フレーズを組み立てち
ゃうんだ。どっか一箇所に「その人」のフレーズをちょちょっと交えると、「いいね、いいね、そのカンジ」ってなるんだよ。「音色」も
「フレーズ」もうまくいくと、「そこ、こう、もうチョット盛り上げていってくれる?かなりいい感じよ。もう一回いってみよ」。時間もさいて
もらえるし、「仕事がうまくいく」確立も高いよね。「次」にもつながるし。なにを言われても、その場にある機材でなんとか・・・ってい
うのが、仕事の鉄則だから。
「安かろう悪かろう」はあるかもしれない。1万数千円で、何十万の機材と同じ音を出そうなんて、おこがましいかもしれない(笑)。
でも、使ってもいない人に、言われたくないよね。ファズやオーバードライブだって、いやマーシャルやツインだって、最初はバカに
されたんだ。あの4つのインプットがある最初のマーシャルで、よもやあんな音が出るなんて、誰も思ってなかったんだ。それがあ
る日突然「使い方」がわかって、「名機」になったんだ。レスポールやストラトだって同じようなもんだったんだよね。使い方がわか
らないうちは、バカにされるっていうのは、よくあること。すべては「使い方」、そしてそれを「使う人」がすべてだってこと。何を使っ
てようと、人をバカにする必要もないし、人にバカにされる必要も無い。100人いれば、すべてやりかたは100通りあるってこと。
私はGP−16、G2.1u、STの使い方は、人よりわかってるつもりだし、私にとっては必要なもの。すべては・・・それだけです。