第12回
Guyatone Lapsteel Model HG-96
出身地 日本
生息地 友人宅の物置
金 額 0円
こいつは・・・手をつけられない(笑)。まあ、「借り物」なので、当然といえば、当然なんですけど。
ただそれよりも、こいつの「歴史的価値」に、敬意を表してます。
こいつを「使える喜び」のほうが大切だと思っています。
さえはばかられるような、「威厳」があります(笑)。
ラップ・スティールはその性格上、正確なフレットも必要ないし、アバウトに作っても、ある程度は使用に耐
えるものです。きっと、見よう見真似で作ったんでしょうが、それが逆に今となっては、「味」です。
えます(笑)。トーンがフルだと、たしかにシングルコイルの音なんですが、そのトーンを絞っていくと、「こも
る」というより、音が太くなっていきます。スレッジハンマーの「晴れた日は君と」のスライドプレイは、こい
つです。単純にオーバードライブをかけると、「キンキン」の音なんですが、そのままトーンを絞っていくと、
「いいカンジ」(笑)になっていきます。
当時は「東京サウンド」の名前を大きく出したまま、1つのブランドとして「GUYA」の名前を出してます。
この「金属カバー」は、「右手を置く台」になってるんですが、「GUYA」と「TONE」が改行されてます。
その下には「TOKYO JAPAN」の文字。やっぱりいいですよね。「誇り」を感じます。
このカバーをはずして、弦を交換します。
こいつの主な目的は、なんといっても「ハワイアン」。
一般的な「ハワイアン用」は、脚−スタンド付きですが、その廉価版として、こいつは生まれてきたはず。
やっぱり・・・ジャンクなやつですね(笑)。
たスティール・ギター。
それに比べると、ラップ・スティール、ハワイアン・スティールに対しては、どちらかといえば、懐疑的でした。
当時聞くことが出来たのは、「ハワイアン」と、ジャクソン・ブラウンの片腕、デヴィット・リンドレーの音だけ。
私が二十歳ぐらいの時、バイトしていたお店に「元ワゴンマスターズ」のスティール・ギター担当の人が来て・・・
最初は「眉唾」だったんですが、2回目にいらっしゃった時に、私が手にしてるこの「ラップ・スティール」とほ
ぼ同じようなものを、抱えて遊びに来てくれました。
「!」
すごい!初めて目の前で弾かれた「ラップ・スティール」のワザに、目からウロコどころか、驚愕のワザの
連発でした。
「えっ?あの音って、そうやって弾いてたの?」の連続(笑)。すぐにも欲しくなったんですが、「新品」が売っ
てないどころか、中古もありません。しょうがないので、ギターを膝の上に寝かせて、弾いてました。
一度、そのすごさを知ってしまうと、今まで聴いていた「ハワイアン」が、急に「スゴイもの」に見えて(聴こえ
て?(笑))きました。特に今は亡き、「バッキー・白片」さんのプレイは、強烈!
ジャズを、平気で弾きこなすあのプレイ。以来、ずっと「欲しい楽器」の座に座ってました(笑)。
ヘッドには律儀に「モデル名」が入ってるんですけど・・・
資料が残ってるほうが不思議だよね(笑)。
ネックが太くて平ら。現在は「ワイゼン・ボーン」でも見ることができます。
「ドブロ」にもこの「ネックが平ら」なモデルがあるんだけど、日本では人気がないみたい。
もう、裏はボロボロ(笑)。友人のおじいちゃんが弾いてたらしいんだけど・・・バリバリ、使ってたんだ
ろうなあ〜。私がつけた傷は、まだ無いはずです。
このボロボロの「布」 の下は・・・ボール紙(笑)。しかも、「釘」で止めてある(爆)。できるだけ壊さず、でき
るだけ多くの人に見せてあげたい。ここを開けてみたい気もするんだけど・・・ぜったいムリ(笑)。できるだ
け、このまま、「オリジナル」を保っていきたい。
そしてこいつのおかげで「ハワイアンのチューニング」に目覚めてしまいました。やっぱり、どうしても、ハワ
イアンを弾いてみたくなる(笑)。で、一度その味を知ってしまうと・・・やめられない(爆)。「ハワイアンのチュ
ーニング」は、時代と共に、いろんなものが開発されていて、そこには先人達の知恵と汗の結晶があります。
今、私は「変則E6」かな。何もしなくても、ハワイアン(笑)。松田聖子ちゃんの「スウィート・メモリー」が、簡
単に弾けるチューニング。
ただ、こいつに夢中になってると・・・他のギターを練習しなくなります。なんせ、山のように異なったチュー
ニングがあるんで、それを試しては、「ポジション−スケールを捜す」の繰り返しになってしまいます。
日本では長渕剛さんのバックで、「村上律」さんが、デヴィット・リンドレー・タイプのプレイをしてます。って
いうより、まんま、デヴィット・リンドレー(笑)。移動の時、飛行機に乗る時も、「こいつだけは・・・」ってラッ
プ・スティールを抱えてる村上さんが、とても印象的でした。ちなみに、当時村上さんは、BOSSのオー
バー・ドライブをかませてました。
こいつを「弾いてる姿」は・・・カッコよくありません、というより、「説明しないと、わかってもらえない楽器」
の代表みたいなヤツですから(笑)。エイプリルのみんなは、ププレ・ボーイズの山内君のも見てるんでわ
かるけど、スレッジハンマーのみんなは、初めてのようで、興味津々のようでした(笑)。やっぱり・・・存在
じたいが、ジャンクなヤツ!(笑)。
欠点
コイツにそんなこと言ったら、失礼だよね。この「存在」=「歴史」だもん。
長所
姿・形がカワイイから、チョー人気者(笑)。どこに行っても、「それ、なんですか?」(笑)
説明する私の誇らしげな顔!(爆) なんとなく、わかるでしょ?
チューニングにしても、弾き方にしても、「ルールなし」の、楽しい「相棒」です。
余談
これが、「Lapsteel」を弾くための、七つ道具(笑)。
左側の太いヤツは、「ペダル・スティール」用。この金属の棒が4〜5000円もする(笑)。
細いほうの棒と残りのものは、「セット」もの。「ハワイアン・ギター」を弾くためのもの。
上の箱に入って、「セット売り」されてる。
右下の「曲がった金属板」は、どんなギターでも「スティール・ギター」にしちゃう、「魔法の
ブリッジ」(笑)。ギターのナットの上にかぶせて弦を張ると・・・あ〜ら、不思議(笑)。
ただ単に弦高を上げちゃうだけなんだけど、練習には最適。よく考えたねえ〜、こんな道具。
こんなモン、ドコに売ってるのか?って(笑)。これはねえ〜・・・
あなたの街に、「三味線」とか、「大正琴」とか売ってるお店、ない?(笑)
ちょっとした街なら、必ず1軒はあるでしょ?そんなお店。そこなら・・・売ってます(爆)
余談 2
今現在、「GUYA」−「東京サウンドのHP」は、更新中(工事中)なんだけど、
ほんのちょっぴりだけ、「資料」らしきものが・・・
まだ、小さくて見にくいけど、こいつと「同じようなもの」がチラホラ・・・
「GUYA」さん、がんばって「資料」を捜してアップして下さいな。
コイツだけじゃなく・・・「ワウ・ファズ」も、持ってる私です(笑)。