Japan

久松史奈

MAX II Re-Mix In London

ギター小僧は、騙されたと思って、聴いてくれ。超一押し!このアルバム、中古でなら100円〜250円で手に入る。こいつはロンドンでリミックスしたものだが、リアレンジ・新録と言っても過言ではない。

何を聴くかって?全12曲、すべて異なったギター・サウンドで構成されている、いわば「ギターの見本」みたいなアルバムだ。しかも90年代とはいえ、パンチのきいたマスタリングが施されているから、今でも十分通用するサウンドだ。

特に「ギターの音色」で悩んでいる人、必聴!12曲のどこかに、かならず捜しているサウンドがあるはずだ。

そして「女の子ボーカル」!ミックスボイスなどどバカなことを考えないで、史奈チャンの後を追いかけて欲しい。こんなにいい「お手本」があるのだから。

 

山下達郎

ON THE STREET CORNER 1

「ハモネプ」やってる子、大集合!っていうより、「ア・カペラ」=「ボイパ」−「ボイス・パーカッション」だと思ってるおバカな青少年、だまってこのアルバムを捜してきなさい。

「ア・カペラ」というのは、多種多様なスタイルがあるんだ。ドゥーワップ・スタイル、フォー・フレッシュメン・スタイル、ビーチボーイズ・スタイル、ゴスペル・スタイル、クワイヤー・スタイル、他にもいっぱいあるんだ。バカの一つ覚えみたいに「ボイパ」をやっててもしょうがないゾ。

このアルバムこそ、日本に「ア・カペラ」を定着させた記念すべきアルバム。これに「2」「3」と続くんだ。全部聴いて、「ア・カペラのスタイル」を勉強すべし。こんなに「いい見本」があるのに、素通りするのは「ソン」だゾ。

「ア・カペラ」というのは、「2人」でも「3人」でも成り立つんだ。これを聴いてあせってくれ!(笑)

中村あゆみ

BROTHER [with ジョージ鎌田]

最近またガシガシがんばっている「中村あゆみ」ねえさんのアルバム。

頼む!女の子!!こんなカンジで歌えるボーカル、出てきてくれ!。「ロック・ボーカリスト」と呼べる女の子はいないのか?「マネ」でもいいから、持ち望んでいるゾ。

そして男の子。このあゆみねえさんの隣にいる人、知ってるか?。「ジョージ鎌田」君ていうんだ。このアルバムでのジョージ君のプレイを聴いてくれ。シャープなバッキングでのプレイと、図太いリードの音。特に「長い夜」での泣きのギターは、絶品だぞ。最近出してるカバー・アルバムの、「翼の折れたエンジェル」でのプレイも聴いて欲しい。バッキングのパワー・コードの音が、「なんでこんなに各弦の分離がいいんだ?」って不思議なくらい、キレイなディストーションの音。このアルバムも中古なら、かなり安く買える。俺の超お気に入りギタリストの一人だ。

アナム&マキ

Naked Girls

彼女達2人を解散に追い込んだ、聴く耳を持たないオーディエンスを、俺は恨んでいる。日本のなかで唯一無二、ホンモノの女性アコースティック・ギター・ディオだった「アナム&マキ」だ。

「演奏」が男であるとか女であるなんていうことがまったく無関係な、切れ味のいい2人のギター・サウンドだ。男のコでも、こんなにシャープなアコギを弾けるヤツは少ないんじゃないか。その演奏を生で見たら、度肝を抜かれゾ。といっても、もうその姿を見ることはできなくなってしまったんだ。このアルバムでいうと「テキレイ」や「Sanagi」の迫力満点の演奏が、彼女達の真骨頂。それに加えて、このアルバムはバラエティに富んでいて、「最後のワルツ」のアイリッシュ・フォーク−ペンタングルのような美しいギターから、「ピエレット」のように底抜けに明るいアメリカンな曲まで、懐の深さを感じさせてくれる。

返す返すも解散は残念でならない2人。宝物をひとつなくした気分だ。

THE KIX-S

One Night Heaven

彼女達も残念ながら活動をやめてしまった「KIX-S」だ。ボーカルの司ちゃんとギターの安宅美春ちゃんの2人。「男勝りの」とか「女性ギタリストとして」なんて言葉は、美春ちゃんには失礼だ。このアルバムには名曲「また逢える…」が入ってる。

ギターを弾いてる女の子!これを見てくれ!そう、美春ちゃんのギター・ソロをだ。ギターのネックに比べて、彼女の手は大きいか?彼女のギター・ソロは、男に負けているか?手が小さいなんて逃げてるうちは、ほんとうのRockは楽しめないゾ。司ちゃんも可愛いいい声だろ?(笑)。声が出ないからって「ファルセット」にしたら、この曲が歌えると思うか?

残念なことに、こんなアルバムですら、中古で100円で売買されてるんだ。惜しむらくは、彼女達が活躍してた90年代は、「打ち込み」が多く、バックの音が画一的なサウンドだったこと。もっともっと、活躍して欲しかった2人だ。

織田哲郎

Life

日本を代表するロック・アーティスト「佐野元春」「浜田省吾」「尾崎豊」。この3人と肩を並べられるホンモノのシンガー、織田さんの「バンド活動期」の1枚だ。このあとにコンポーザーとして大活躍してしまったので、彼がバンドを従えて活動していたのを、記憶している人は少ない。そんな時期の「名盤」のひとつだ。

名曲「週末に」、そして「Everybody's Dreamin'」を含むこのアルバム。まさに骨太のロッカーがここにいる。こうしてあたらためて聴くと、このアルバムが1986年に発売されていたなんて、信じられない新鮮さだ。アルバムを重ねていくごとに、言葉がまるでナイフ・エッジのような鋭さを増してくる。彼のコンポーザーとしての成功は、なるべくしてなったという結果を納得させてくれる。ギターやバンドが、ガンガン音を出してくるアルバムではない。言葉の持つパワーこそが、織田さんの真髄だ。

Velvet Paw

Velvet Paw [1st]

名将.桐生千弘率いる超絶ハードプログレ軍団「Velvet Paw」だ。彼女達の得意技は「変拍子」。ポップな曲のなかに、巧みに「変拍子」を埋め込む。いままでも、そしてこれからも、彼女達を超える女性テクニカル集団は、現われないだろう。そのぐらい確かなテクニックを身につけていたバンドだ。そんじょそこらの男の子バンドじゃ、とても彼女達にかなわないだろう。

百聞は一見にしかず。これこれは、君たちにどう聴こえる?間違いなく彼女達は「生」で演奏してるゾ。確かに形態は80年代を引きずってる音作りだ。そして「女の子バンド」として売り出すため「プリプリ」を意識させられた「見た目」は否定できない。ただし、彼女達の腕は「一級品」だ。残念ながら日本では、「女の子バンド」。そんな色眼鏡でしか見てもらえない。こんなバンドを、ミュージシャンが気づいてあげなくて、誰が応援してくれるんだ?彼女達も御多分にもれず、解散の憂き目にあってしまった。こんなバンドが長く活動できる日は、いつになったら来るんだろう?

Foot Ball Squeeze

Life-Forever [Triforce with 松原正樹]

こんなアルバムを、知ってる人の方が珍しいだろう。スタジオ・ミュージシャンの頂点ともいうべき松原正樹さん率いる「Triforce」のアルバム。「ギターのウマい人は誰?」って聞かれたら、いの一番に名前のあがる「ファーストコール」−いわゆるスタジオでは最高峰のギタリストだ。

松っつあんこと松原正樹さんが参加した楽曲は、ゆうに一万曲を超える。パラシュートでは盟友、今剛さんとのパーフェクトなアンサンブル。そしてソロ活動においては、地道にこんな素敵なアルバムを作っている。去年は活動30周年記念CD/DVDがリリースされた。おそらく日本人で、松原さんのギターを聞いたことのない人など、一人もいないだろう。このアルバムではファンキーさをテーマにしている。どの曲も一級品のファンキーなインストだ。「アンサンブル」というのは、こういうことを指すのだ。歯切れのいいリズム隊が、メチャかっこいい!!

泉谷しげる

Izumiya Self Cover

泉谷だ!(笑)。ただのギャーギャー騒ぐオヤジじゃないぞ(爆)。伊達に40枚のアルバムをリリースしてるわけじゃないんだ。このアルバムは泉谷さんと「The Loser」による共同作業。

「The Loser」のメンバーは、Dr:ポンタ Bass:吉田健 Gt:下山淳 & 仲井戸麗一。メンバーを見ただけで、音が聞こえてくるようだ。まさに「骨太」。1曲目の「春夏秋冬」のイントロから、もうイケイケだ。がっちり支えるリズム隊に乗っかる、ダイレクトなギター・サウンド。そこに突き刺さるのは「鮎川誠」と「山口富士夫」の2人。泉谷さんは水を得た魚のように、縦横無尽に叫びまくり!普段はこれを「アコギ1本」でやってるかと思うと・・・恐ろしいオヤジだ。あいかわらず「毒」は全然抜けてない。おコチャマには、逆立ちしたって不可能な、豪快な「バンド」の音だ。9曲目の「火の鳥」のかっこよさは、まさに必聴!

佐野元春

VISITORS  20th Anniversary Edition

俺には珍しい再発盤「20th Anniversary Edition」。リマスター盤の紹介だ。

断言しよう!このアルバムで「日本のRAP」「日本のHIP HOP」というのは、すでに完成しているのだ。今あるものは、ただ「カタチ」だけマネたもの。日本人の解釈による「日本人のためのRAP/HIP HOP」は、もうココで結論が出ている。しかも「1984年」にだ。残念ながらコレを超えて、日本人の心に残るRAP/HIP HOPの名曲が出てくることはないだろう。

佐野さんが数ある自分のアルバムの中から再発したものは、このアルバムと「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」だけ。もう一枚ある「20th Anniversary Edition」は、あくまでもベスト編集もの。この2枚の「再発の意味」を理解できる人が、いったいどれだけいるのだろ?この2枚だけをリマスターしてまで、佐野さんが問いかけたかった意味。いい音で、もう一度、じっくり聴いてくれ。そして気に入ったら「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」の「限定編集版」も聴いて欲しい。

川村カオリ

Hippies

この2人のコトを、忘れないであげて欲しい。最後の最後まで「シンガー」であろうとした2人のことを。

このアルバムには彼女の代表曲のひとつである「金色のライオン」が収められている。総合的にみれば、他のアルバムを推したいのだが、ぜひ聴いてもらいたい曲が入っているんだ。それが「Gypsy Blood」という曲だ。

彼女がどんな風に生まれ育ち、何を考え、何を感じてきたのか。そして、俺たちの日常の延長である「日本」という国が、彼女に、彼女の家族に、何をしてきたのか。それがとてもよくわかる歌だ。彼女に重くのしかかった「日本」という国を、それでも「帰る場所」と呼んでいた彼女の気持ち。そしてそれを、明るく笑いとばすかのように歌い上げる彼女の「ロック魂」。最後まで「シンガー」であり続けようとした彼女の「原点」が、ここにある。

本田美奈子

心をこめて

彼女のことを、どれだけの人が評価していてくれたのかはわからない。でも彼女は、最後の最後まで、「シンガー」であり続けようとした。

このアルバムは、こぼれ落ちた彼女の魂を拾い集めたアルバム。今までアルバムに収録されることのなかった曲たちを集めた、本来なら嬉しかったはずの20周年記念アルバム。

レンタルできるのであれば、それでも構わない。彼女の「Lovin' You」を聴いて欲しい。誰にもマネのできない、「本田美奈子のLovin' You」が、ここにある。

そしてボーナストラックの「つばさ」。「奇跡のローングトーン」と名付けられた彼女の声。「この声」の持ち主が、どれほど歌い続けたかっただろう・・・。彼女達の「歌声」は、いつまでもいつまでも残るだろう。俺には、1人でも多くの人に「伝えてあげる」ことしかできない。

Weekids(中村裕介)

Water Color

俺が知っている日本人で、一番英語の歌をウマく歌う人。このアルバムを、ぜひ捜して聴いてみてくれ。「Water Color」「Woman Rapsody」この2曲はまちがいなく名曲だ。中村さんの曲はCMでもたくさん使われているのだが、あまりにうますぎて「普通の英語のポップス」に聴こえてしまうんだ。JTに使われた「Faraway」も名曲。

みんなは何気なく、中村さんの歌を聴いてるハズ。「ルパンIII世」や「マクロス」「巨神ゴーグ」「シティハンター」などのサントラでも歌っている。名シンガーにして、名コンポーザーだ。

R&B(もちろんホンモノのほう)やソウルをバックグランドに持つ中村さんの声は、ソウルフルにして、どこかせつない哀愁を帯びた声。日本人にはとてもめずらしい声だ。俺の中で歌のウマさでは、日本人のTOP10に入る。25周年を迎えて、最近は活発に活動している。ギターの腕も、並じゃないぞ。そんじょそこらのギター小僧なんか、足元にも及ばない。一度、聴いてみてくれ。

四人囃子

一触即発

日本でプログレッシブ・ロックを作ったのは、ストラトの名手・森園勝敏さん率いる、この「四人囃子」といっても過言ではないだろう。まったく英語に頼らない、日本語による森園流プログレは、みごとと言うしかない。しかも、まだエフェクターなどまともに無く、レコーディング技術も未発達の頃の1970年代のバンドでだ。

「〔h∧maebe□〕」「空と雲」「おまつり.」「一触即発」「ピンポン玉の嘆き」と続く曲の流れは、見事というしかない。やっと紙ジャケ・リマスターが出たので、みんなはそれを楽しんで欲しい。ボーナス・トラックの「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ」は、四人囃子の中でも、隠れた名曲。ワクワクする面白い歌詞に、スリリングな森園さんのストラトが空を駆け巡る。ここから名盤「Golden Picnics」、そして「包」(パオ)に至る四人囃子の足跡は、もっともっと評価されてしかるべきだ。特にド迫力の「一触即発」から「ピンポン玉の嘆き」になだれ込む様を、ぜひ「ヘッドフォン」で、できれば爆音で聴いて欲しい。聴けば・・・その意味がわかる。

森川美穂

a holiday

コレは森川美穂ちゃんの「スタジオ・ライブ」アルバム。いわゆるスタジオで「一発録り」したもの。とうぜんボーカルもダビングなし。素の状態で歌ってます。なぜこのような人が評価されないのでしょう?

もともと美穂ちゃんはアイドル上がり。そういった目で見ていた人も、多いのかもしれない。でもすくなくともアイドルの頃から、すでに歌はウマかったんです。デビュー当時、こまっしゃくれたガキの美穂ちゃん(笑)が「おんなになあれ」を歌う姿に、びっくりさせられました。デビュー当時の美穂ちゃんのレベルにすら達してない人が、なぜTOP10などにデカい顔をして出てこれんでしょう?せめてこのレベルの人の歌が、テレビやラジオなどから聴こえてきて欲しいと思うのは、俺だけなんでしょうか?

その「おんなになあれ」を、大人になった美穂ちゃんが、歌っています。俺の大好きな「Bird Eye」は、このバージョンがベストバウト(笑)。信頼のおけるミュージシャンたちの音に乗って、ほんとに気持ちよさそうに歌っている美穂ちゃんがここにいます。

貴島サリオ

[3]

もう覚えてる人なんかいないかな?貴島サリオちゃんのアルバムは、もうアマゾンでも表示されません。「聴けないモノ」をみんなに評価しろ!っていうのは無理かもしれないが・・・彼女のアルバムも100円です(泣)。単純に「1」「2」「3」「4」というアルバム。彼女も「アイドル」という足枷が、彼女を潰してしまったともいえる。でも、すくなくともこのサリオちゃんのアルバムは、評価されていいと思う。俺が大好きなのは「3」。写真は「4」のジャケットだ。

単純にいってしまうと、サリオちゃんもアイドル。しかも、森高千里とキャラが被ってしまったんだ。面白おかしい歌詞が、彼女の持ち味のひとつだから。ただ歌に関しては、サリオちゃんのほうが数段上。サリオちゃんのあの伸びのある高音は、日本人女性ではめずらしい。キンキン声にならず細くならず、気持ちよ〜〜く伸びていく。それを聴いてるだけで、俺は幸せな気持ちになれる(笑)。たとえ売れなくても、日本にはこういったシンガーも存在するのだ。

Parachute

Haera Mai

名実共に日本のTop Guitarist、松原正樹さんと今剛さんが在籍していた「パラシュート」である。この二人のギターの音を聴いたこと無い日本人など、存在しないだろう。そのぐらいありとあらゆるセッションに参加した二人である。松原さんと今さんは自分たちでも認めるほど、そっくりなギターの音である。しかしこのアルバムでもそうだが、その音色は変幻自在。最早俺がうまいのどうのこうの言う存在ではない。音色もプレイも、そのすべてが「お手本」である二人である。

このアルバムにはパラシュートの代表曲でもある「Aresa Koresa」が1曲目に収められている。そのイントロを聴いただけで、どれほどうまいか、わかってしまうほどスゴイ。また松原さんのギターがむせび泣く「Ne-On」は、今さんの「バッキング・パターン」の独壇場でもある。俺は今さんのギターが、日本一好きである。

AB's

AB's-2

もう一組、日本で最高のTwo Guitar Lover。それが芳野藤丸さんと松下誠さんの名コンビ「AB's」である。文字通り、全員血液型がAB型のバンドである。パラシュートとは一味違った誠さんの切れ味のいいシングル・コイル・サウンドが心地よい。この二人もありとあらゆるセッションに参加している。藤丸さんのちよっと細めのハム・サウンドと誠さんのギターが絶妙のコンビネーションである。そしてこのバンドのベーシスト、渡辺直樹さんは俺が日本一好きなベーシスト。その歯切れの良さ、切れ味の良さは「AB's サウンド」には、無くてはならない存在。
この「AB's」と「パラシュート」は、「ギター2人」のお手本であり、あるゆる面で対照的なバンド。4人ともギターに対するアプローチが、まったく違うのだ。80年代からずっと、日本の音楽界を影から支えてきたミュージシャン達の集合体である。そしてこの4人は、まさに日本を代表する4人である。おいそれとは手に入らないアルバムではあるが、捜す価値のあるアルバムである。

PRISM

PRISM (1st)

日本の「フュージョン」という音楽が、世界ではトップ・クラスなのはご存知だろうか?「カシオペア」や「Tスクエア」は、世界のトップバンドなのだ。なぜかというと、世界を見渡しても、パーマネントなバンドが「インスト」をメインに演奏し、バンドとして成り立っているのは、日本だけなのだ。そして間違いなく、世界の人がその演奏力の高さを認めている。
その先陣を切ったのが、この「プリズム」だ。超絶ギタリスト和田アキラさんが森園勝利さんというギタリストの協力を得て、インスト・アルバムで成功をおさめたバンドである。ともすればテクニック重視になりがちだったインストに美しいメロディを持ち込み、尚且つギター小僧の注目を集められるギタリストが中心になったバンド。ソロのギタリスト、スタジオのギタリストが作るアルバムは多数あるが、「バンド」として成り立たせた偉大なアルバムである。今聴いても十分魅力的な演奏であり、曲である。「Love Me」を聴けば、誰もがコピーしたくなるだろう曲である。

ネイティブ・サン

ネイティブ・サン (1st)

プリズムが「ロック」→「フュージョン」だったのに対し、この「ネイティブ・サン」は「ジャズ」→「フュージョン」。その流れの中で、これまた「パーマネント」なバンドとして成功をおさめたバンドである。ピアノの本田竹曠さんは元々、ジャズでも超一流。ナベサダ・グループのピアニストであった。その本田さんが、サックスの峰厚介さんという相棒を得て、日本にさわやかな「カリフォルニア・シャワー」を持ち込んだバンドである。時を同じくして、ナベサダや日野皓正さん達も、まったく同じアプローチをし、日本に一大フュージョン・ブームが起こったのだ。小難しいジャズという衣を脱ぎ捨て、高らかにフュージョンを轟かせたのである。ミュージシャンとして確かな力量・テクニックを持ち、その上でよりポップに!誰にでもわかる音楽を!。その目論見が見事に成功したバンドである。本田さんは数多くのソロアルバムも残し、日本の音楽界に偉大な足跡を残し、残念ながら、この世を去ってしまった。

松本孝弘

The Hit Parade

ご存知、B'zの松本さんである。このソロアルバムは、およそ日本の歌謡史の中で、ギターがカッコイイ曲だけを集め、曲によりボーカリストを変えて作った作品である。普段の演奏とはまったく違った、まさにタガが外れた演奏である。それは、悪い意味でではない。私はこのアルバムが大好きである。
とにかく、カッコイイのである。そしてウマい。それは各曲のボーカルの人選にもいえる。よくもまあ、ピッタリのコを選ぶものである。Fayrayの「Paper Doll(山下達郎)」、倉木麻衣の「イミテイション・ゴールド(山口百恵)」、ZARDの「異邦人(久保田早紀)」など。オリジナルを凌ぐほどのデキである。演奏はもとより、アレンジも歌唱指導も(笑)パーフェクトである。出色の出来は、中村由利の歌う「私は風(カルメン・マキ&OZ)」。この曲だけは、曲を聴いてから「中村由利」が誰なのか調べて欲しい。まさに「鳥肌がたつ」ほど見事なデキである。松本さんが歌う・・・は、笑えるほどカッコイイ!!(爆)。

浜田省吾

J・BOY

浜田省吾さんの、名盤中の名盤。心技体・攻走守、すべて揃った完璧な1枚。しかも2枚組。浜田さんの作る曲と、町支クン率いるバンドのサウンドが、完璧なカタチで噛み合っている。浜省サウンドが完成した1枚といえる。町支クンは、バック・ギタリストとして、俺の理想像。達郎さんと並んで、ビーチボーイズ・コーラスを自在に操るスゴ腕ギタリストだ。「こんな夜はI Miss You」は、今ではライブでも重要な1曲。まさに町支クンのコーラス・ワークが冴え渡った1曲。「America」では、12弦ギターも使用。町支クンのギターとコーラスは、浜省サウンドにはなくてはならない存在。「滑走路-夕景」でのカールトンばりの、インストでのプレイは最高。また「晩夏の鐘」での、古村さんのSAXがこれまた最高。他のメンバーのプレイも、すべてにおいてパーフェクトである。

現在は、デジタル・リマスターされ、一段と冴え渡った音で楽しめる。浜田さん目指す若いコ!町支クンを目指す若いコ!出てきてくれ!頼む!!

お待ち下さい

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