Column 108

教則ビデオがやってきた(*^▽^*)


年末に・・・なぜか「ギタリスト熱」があがって・・・(笑)

CDを買ってる最中に、調子に乗ってDVDを購入してしまいました。

 

松原正樹 ソロ&リズム・ギター・レッスン

松原正樹=数いる日本のスタジオ・ミュージシャンのファースト・コールの中でも、その頂点に立つギタリスト。「松つぁん」の愛称で親しまれ、録音した曲は1万曲を超えると言われています。そんな松原さんの「教則DVD」(笑)。まあこれを見て「何かわかる」のは上級者。でも上級者には、教則DVDなど要らないワケで(爆)。

  

「正確に、美しく」

  

これは見ればすぐ判ります。「流麗」「流暢」「華麗」−そんな言葉がぴったりです。

松原さんは「機材」を四六時中変えるので有名(笑)。なので自分でも言ってますが「今持ってる機材」ということでしかありません。30年以上同じなのは「335」と「ボリューム・ペダル」だけじゃないかな。実際にDVDで演奏している状態でも、紹介している機材とライブ演奏している機材が違うような・・・(笑)。今は、ヴァリータの今さんとお揃いの松っあんモデル、MDの松っあんモデルもあるんですが。必ずしもそれに固執していません。

  

松原さんの今回のコンセプトは「とにかく見てみて!」(笑)。見てわかんなきゃ、言ってもわかんないよね、っていうスタンス。何よりも「自分の基本的なプレイ」を、みんなに見せたがっています。やってることは超難解なことではないんですが、あれを「正確に5分間持続し、レコーディングしなさい!」って言われたら、それだけでも「レコーディングとは、どういうものなのか?」ということが判ります。

ホントに基本的なカッティング・パターンから、それが積み重なってだんだん複雑になって。単純な生音、って言っても、ラインで十分に録音に耐えうる音ですが、そんな単純な音だけで、どんどんパターンをすすめていきます。ついつい忘れがちな、基本パターン。我々の世代は、当たり前のように通過してきたところなんですけどね。今のコ達は、やってない事じゃないかな。単純だけど、「ギターを弾いてることが楽しくなるパターン」です。それを、やさしくにこやかに教えてくれます。目の前にいる兄貴が、優しく教えてくれるカンジです(笑)。
  
そしてもう1人。松原さんと肩を並べる、パラシュートのもう1人のギタリスト。

  

今剛 スタジオ・ライヴ&ギター・インストラクション』

STUDIO LIVE & GUITAR INSTRUCTION 

 

私が「日本一大好き」な今剛さんです。自分たちの会社を立ち上げたので作った「教則DVD」です(笑)。内容はやはり同じ、上級者向けの内容。単純に「演奏している姿」を見るなら、中級者にも充分参考になります。「正確無比」「縦横無尽」−そんな言葉がピッタシ。今さんはちゃんと「ライン用」(レコーディング機材)とライブ用の機材を見せてくれます。ただしこれも、私はいままでで3種類ぐらいの「今さんのセット」を知ってます(笑)。同じ機材を使い続けるっていうのは、このレベルの人にはほとんどないですね。今回はクリーム色のストラトさえ、出てきませんでした。

 

カラオケも用意され、「今剛ワールド」炸裂です(笑)。どこもかしこも、よく見えます(爆)。簡単な「コード譜面」(手書き)もついてきます。至れり尽くせりです。「弾けるモンなら、弾いてみっ!」っていうスタンス。リードもバッキングも「これもかっ!」っていうぐらい映ってます。あれもこれも、どこのポジションで、どんな風に弾いてるのか。それの全てがわかります。今さんが好きな人には、たまらない映像満載です。これを見て「同じに弾くこと」は可能でしょう。今さんの、あの「特徴的なピッキング」の様子も、イヤというほど見ることができます。ですが・・・じゃあこれを「自分で組み立てなさい」って言われたら・・・。

フレーズの組み立て方や、起承転結。音の選び方から、曲の流れ。まさに「縦横無尽」にフレットの上を、滑らかに滑るように駆け巡っていきます。松っつあんのプレイもメチャメチャかっこいいですが、今さんのプレイはまさに「こんな風にギターが弾けたらいいだろうなぁ〜」っていうカンジ。見てるだけで、ウキウキします。
 

 
この2つの「教則DVD」の共通点。それは「ステレオ出力」でした。2人とも「ステレオ」でシステムを組んでいます(さすがは、私の師匠達!(^_-)-☆)。しかも「アンプ部」=「アンプ・シミュレーター」と「スピーカー・シミュレーター」を別けて使っています。いわゆる「シミュレーション型マルチ」を、各部とも最上の機材で組み上げているシステムですね。私がSPXやミキサーを持っているのは、この2人の影響です(爆)。「ギター用のエフェクター」は、そもそもの限界点が低いです。その点「ラックマウント」は、SNも音質も「レコーディング対応」「PA対応」。しかもそれを最も効率的に使っているのが、2人のシステムです。もちろん、値段的にも最高峰です(爆)。「レコーディングのためのHi-Fiさ」を求めると、考え方が似てくるんでしょうね。
  
2人の音は、よく似ています。これは本人達も認めるところ。ギターもストラト・タイプ+セミアコ。機材はまったく異なっているのに、出てくる音はほぼ同じ。2人の「理想としているところ」が似ているんでしょう。「基本的な音」にエフェクトをかけると、濁ってしまうんですね。なので「主になる音」に、「エフェクトをかけた音」を別個に足していく作り方です。これは・・・一般の人には、なかなか難しいシステムです。まずは「ミキサー」が必要。そしてステレオで組んでいくと、ラックマウントのほうが、自由度が高くなります。音も当然、Hi−Fi。

私の話の中で良く出てくる「Roland GP−16」というラックのマルチが出てきます。一般人が買えた最高峰ですかね。本体だけで、10万円の機材です。約30年前のものなのですが、そのスペックは驚異的なもの。OUTひとつをとっても、A・Bステレオ2系統+モノラル1系統。エフェクターは8個一組で、2系統16個直列。8個の中では、好きなような並べ替えられます。そして当時画期的だった「スピーカー・シミュレーター」搭載。また専用フット・スイッチを付けると、足元までは1本の線だけになり、フット・スイッチからチューナー・アウトやペダルを出すことができます。フラクタルやロックトロンの元祖のようなヤツです。当然、MIDIも搭載。

こいつなら、Aから「基本の音」を出し、Bから出る音にREXやSPXをかませ原音はOFF。REXはステレオIN・ステレオOUT。SPXはモノラルIN・ステレオOUT。REXにBの音をステレオで送り、SPXにモノラルの音を送る。その3系統の音を、ミキサーでMIXするわけです。何が違うって、「1つの原音」に対し、「リバーブ」と「ディレイ」を、まったく別個に掛けられるわけです。普通のエフェクターなら、どちらかが先でどちらかが後。重複して掛けるしかありません。このシステムなら、リバーブの有無に関わらず、単独でロング・ディレイを残したりできます。そのA・BからのOUTを含めて、すべてペダルにアサインでき、イッパツで切り替えられます。

また、GP−16自体にも、ディレイは2台搭載されています。とうぜん、思いつくようなエフェクターは、ほとんどが搭載されています。コイツの縮小版がBOSSのGT−10や100ですね。GP−16と同じ物を今ある技術でつくったら、10万円では作れないそうです。やっぱりフラクタルやロックトロンのような値段になってしまうんですね。ステレオ・コーラスを1台は10時−2時。もう1台は8時−4時に振ったサウンドは、気持ちいいの一言。こんなことは、普通のエフェクターではできません。DAWのミキシング機能をフル活用すれば作れますケド(笑)。

今回は特に今さんが「フラクタル」のパラメーターを見せてくれます。我々一般人には手の届かない機材です(笑)。BOSSのG−10・G−100が「2系統の混合」が出来るんですが、フラクタルは「3系統の混合」ができる機材。私がZOOM G5で2系統(仮称ZOOM G10(笑))を欲しがってる意味が判ると思います。私の機材も、これの縮小版(廉価版?劣化版?(爆))なんですけどね。複数の出力を、「途中で混ぜることなく」OUTしてミキサーでまとめる方法。基本的には松原さんも今さんも同じ。「コーラスにセンターを足す」っていう発想が無い人は、絶対やらないシステムです(笑)。
  
  
「教則DVD」っていう観点からすると、「どこが教則なんじゃい!」って思うモノです(笑)。でも2人を好きな人。あるいは「スタジオで仕事をする可能性のある人」及び「うまくなりすぎて、基本を忘れちゃってる人」(笑)には、良い刺激になるでしょう。「ギターが積み重なって出てくるサウンド」に気付かせてくれます。けして「ロック・バンドの音」では無いし、みんなが求めているものでは無いかもしれません。でもある意味「究極のカタチ」の1つと言えるでしょう。

私は基本カントリーやアメリカン・ロックが好きで、テレキャスター・ストラトキャスターが好き。この2人とは、まったくスタイルが異なります。でもバックバンドを勤めたりレコーディングになると、限りなくこの2人の世界に近づきます。私の中で「ギターに求める役割」が変わるんですね。「歌モノ」では、ギターはけして主役にはなりません。でも一番ロックぽい音は、やっぱりギターだったりします。ある意味、「ギターのスタイルの両極端」なのかもしれません。でもやっぱり、ギターはギター。そうおもえるDVDです。
  
困るのは初中級者が、この2人を知らないこと(笑)。ある程度以上ギターを弾ける人しか、買わないでしょう。内容も、そういう人がターゲットだとしか思えません。初心者が見て、プラスになることなんかあるんだろうか?(爆)。ギターがある程度以上弾ける人にとってこれは、別に教則になってなくてもいいし、2人が弾いてる姿さえたっぷり堪能できればそれでいいハズ。通常のライブでは、「アップばっかり」っていうのはムリですから。かといって初心者は「今、なにをやっているのか?」を説明してあげなければ、チンプンカンプンな内容です。「16ビートのポコポコ・カッティング」(笑)なんて、ウマい人が弾いてればなんの不思議も感じません。でもイザこれやらせられると・・・センスとテクニックの両方を求められます。
  
こう言っちゃなんですが、2人が好きな人以外は買わないほうがいいです(笑)。
松原さんは、もう1枚出してます。

これの「強化版」が今回のDVDらしいんですが(笑)。
  
今さんを見たい人は、これもオススメ。

The Premium Night-昭和女子大学 人見記念講堂ライブ-
陽水さんのライブで、本チャン一発勝負のステージ。
寺尾聡さんのライブと並んで、今さんのアップ満載です。


さて今夜もDVDを見て・・・

「エアー練習」です(^O^)/

 

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