Column 115

細いネック・太いネック!!


  

「手が小さい」と言い訳してる君へ!(*^_^*)
  
エレキ・ギターのネックの幅は通常、42〜43mmです。

もし君の人さし指の長さが「40mm以下」なら、騒いで下さい(笑)

ただし、実際には小学生ですら、普通サイズのギターを弾いていますからね。

ここで断言しておきます。
  
  
手が小さくとも、普通にギターは弾けます!!
  
  
女性の方でも同じです。
私は、手が小さいです。ほぼ、普通の女子並です。手の大きさを比べると、私より手の大きい女子が多数います。クラスの女子と、比べっこしてみて下さい(笑)。一番平均的な大きさの女子の手が、私の手の大きさです。でも私はそれに疑問を持ったことが、一度もありません。小学校4年生で、そんなことは考えてもみませんでした。自分の手が小さいことに気が付いたのは、高校生になってからです。もうすでに、ある程度弾けるようになっていたので、まったく気にしてませんでした。
 
「自分は手が小さいので、ネックの細いギターはありますか?」
 
よく未経験者が言う言葉です。たかが42〜43mmのネックに、どんだけデカい手が必要なんでしょう?(笑)。ましてや私が最初に持ったのは、クラシック・ギター=ガット・ギターです。エレキ・ギターより、ネックが太いです。その時点で私は、この世にあるギターは、すべてこの太さだと思っていました(笑)。っていうか、そんなことには考えが及びませんでした。別に女子並の手でも、普通に「F」は押さえられましたから。
  
よ〜く考えてみて下さい。
  
「手が小さいので、鍵盤の狭いピアノはありますか?」
  
「背が小さいので、高さの低いコントラバスはありますか?」
  
「手が短いので、サイズの小さなティンパニーはありますか?」

  
こんな話、聞いたことがあります??(笑)
「楽器」っていうのは、「必要なサイズ」は決まっているんです。

「私は体が大きいから、大きいサイズのバイオリンを弾いています。」なんて聞いたことあります?(爆)
  
実際には成毛滋氏がグレコに、「小さいサイズのLPモデル」を作らせました。成毛氏は「多少サイズ・ダウンしても、ギターの性能には関係ない」という理論の持ち主。実際に彼は「多少サイズ・ダウンしたギター」を使ってましたし、それでもギターはウマいです。成毛氏のギター・プレイを聴きたければ、「つのだ☆ひろ」さんの「メリー・ジェーン」を聴いて下さい。日本人のギター・ソロの、名演中の名演です。これを聴く限り、「多少サイズ・ダウンしたギター」でも、なんら変わらずにプレイできます。ただ・・・みんなに受け入れられなかったんですね。ハッキリ言えば、「売れなかった」んです。「外人より手の小さな日本人には、それなりにサイズ・ダウンしたギターを!」って、至極当たり前の論理なんですけどね。
  
でもやっぱり「普通サイズ」に戻りました。前にも書きましたが、「エレキ・ギター」って「まだ楽器じゃない」んです。ピアノやバイオリンなどのように、「基準になるスタイル」が確立されていないんですね。なので「多少サイズが異なるもの」が、未だにあります。でももうフェンダー・ギブソンが出てから、60年経っています。これが「基準」であることは、誰しもが認めるところでしょう。「基準」であるからこそ、「コピー・モデル」が沢山あるわけだし。
  
なのに「手が小さいから、ネックの細いギター」(笑)
「ちっちゃいギター」って言わないとこが、まだ理性が働いているんでしょうか?(爆)。楽器屋さんに行くと「ちっちゃいギター」も売ってます。フェルナンデスの「ZO−3」も売ってます。いわゆる「ミニ・ギター」と呼ばれているものもあります。でも「手が小さい」からって、そこには行かないんですね(笑)。ミエを張ってるんでしょうか?(爆)。ウチのいとこが、フェンダー社のストラトのミニ・ギター@アンプ内臓を持っています。可愛いですよぉ〜(*^_^*)。シマムーには、この「ちっちゃいギター&ベース」が、普通に売っています。別に「子供用」とは書いてません(笑)。そんなに手が小さいなら・・・これを買えばいいと思うんですが(爆)。ただ、そのへんの廉価版ギターより、値段が高いのがネックですが(おあとがよろしいようで・・・・爆)
  
  
まじめな話に戻りましょうね。
よしんば「ネックを細くした」ということにしましょう。当然ネックの「質量」は減るわけです。

第一にまず、「ネックが反りやすくなること」が考えられます。当然ですよね。ネックが細めの普通の42mmのフェンダーでさえ、「反る」ことがあります。それ以上細くすれば、「反りやすくなる」のはあたりまえです。

第二に「フェンダーの音」は、この「42mmあるネックの質量」が基本設計です。細くなると剛性と質量が失われます。簡単に言えば「弱くなって、軽くなる」ですね。なのでそれを回避するには、「ロッドの補強」が必要になります。42mmのネックより、「重くて強いロッド」が必要。つまりは・・・値段が上がります。「細くして、強くする」という、相反する2つの工程が増えます。
  
では値段が上がるので、それは止めましょう(笑)

ネックが反りやすいのは、ガマンして下さい。

ロッドで対応できなくなったら、あきらめて下さい(爆)

おっと、その前に・・・
  
「ネックが細くなって、軽くなる」。いわゆる「ネック対ボディ」の重量バランスが変わります。当然「フェンダーの設計」からは、かけ離れていくことになります。じゃあ、ボディも軽くしましょうか(笑)。なんなら・・・ネックを細くして弱くなった分、短くするといいんじゃないですかね(笑)。いわゆる「ショート・スケール」にして、全体を短くする。そうすれば「軽く・細く」なったとしても、剛性は稼げますよね。
  
  
あれ??
  
ネックを細くして、ボディを小さくして、ショート・スケールにする・・・
  
何ひとつフェンダーと一緒じゃないけど・・・いいですか??
  
  
成毛氏のグレコって、これが嫌われたんです。
  
「本家と同じじゃない」
  
つまりは・・・
  
「鍵盤の狭いピアノ」
「背の低いコントラバス」
「小さいティンパニー」

  
です(笑)。
嬉しいですか??(爆)
  
ではギブソンのレスポールを細くしましょう(笑)
  
???
  
いいんですかね??。ただでさえレスポールのネックは「折れやすい」ですよね。それを細くするわけです。今よりも、もっと折れやすくなります。じゃあしょうがないので、そこに「補強」を入れましょう。あるいは、ストライプ構造にしてもいいです。あれ?。工程も手間も増えますね?(笑)。当然そんなことをすれば、値段は上がります。じゃあ、スカーフ・ジョイントでも採用しますか?(爆)
  
それでは・・・オリジナルのレスポールから、どんどんかけ離れていきます。そしてネックを細くすれば、当然これも「ネック対ボディ」の質量バランスが変わります。じゃあ、ボディに空洞でも作りますか(笑)・・・って、そんなヤツ、どっかに無かったっけ??(爆)
  
  
未経験者の諸君!!
  
実は・・・「細いネック」なんて、無いのだよ(笑)
あるのはね「薄いネック」は、あるんだ。

それと「握りやすいネック」
  
ネックに「厚み」があるんだね。これを皆は「シェイプ」と呼んでいます。「Vシェイプ」とか「Uシェイプ」とか。VとUでは、なんとなく「厚み」が違うのは想像できるだろ。そして「人の手」って、それの「好き・嫌い」がハッキリ出るんだね。でその「厚みのあるネック」を一般的に、「太い」と表現するんだね。
  
だけど私は元々が「ガット・ギターのネック」で育ってきたの。実際に「幅のある太いUシェイプのネック」。でも私は「レスポールのネックが嫌い」なの。ガット・ギターよりは遥かに細いのに、嫌いなんだ」。それは「太い・細い」の問題じゃなくて、「シェイプ」=「握ったカンジ」が好きじゃないんだね。でも実際には、テレキャスターの52年モデルなんかは、同じぐらい太いの。でも、嫌いじゃないんだ。「フェンダーのシェイプ」が「私の手」には「フィットするシェイプ」なんだね。
  
左手で「Cの字」を作ってみて。それを広げていってみよう。「Uの字」よりチョット広くして。そうすると、「親指側の曲線」と「他の指側の曲線」って違うでしょ?。親指側は広がりにくいんだけど、他の指側は広めに開くよね。それを考えたのが「非対称シェイプ」ってヤツなんだ。そのほかにも「UとVの中間」とか、「VからUへ」とか、いろいろな「ネック・シェイプ」があるの。私はビル・ローレンスの「Vから、なだらかにUシェイプ」っていうのが大好きなのね。それはフェンダーのネックより、さらに好きなの。そしてをれを「一番細く感じる」んだね。
  
でも・・・未経験者の人って・・・どれが太くてどれが細いのかなんて、わかるハズないじゃん。だって、元々の比較対照する物体を知らないんだもん。それとフェンダーを好む人って、まちがいなく「ギブソンのネックは太い」って言うの。じゃあ初心者はレスポールを使わない、あるいは嫌いなのかっていったら・・・全然そんなことはないんだ。最初から「ギブソンのネックが好き」っていう人も、大勢いるの。ということは・・・それは「手の大きさ」じゃなくて、「その人の手の形」が、「ギブソンのネックに合ってる」っていうことなんだ。さっきの「手でCを作る」っていうカタチがね。
  
もしそれで納得できなければ、お店に行って、フェンダーやギブソンを握ったあとに「アイバニーズ」のネックを握ってみるといい。アイバニーズは、現行で売ってるギターでは「一番ネックが薄い」から。「厚み」=「シェイプ」が、一番薄っぺらいネック・シェイプなんだね。ところが・・・
  
私は「アイバニーズのネック・シェイプ」が大嫌い(笑)。一番手が小さいであろう私が、一番薄っぺらいネックが、大嫌いなんだね。私はアイバニーズのネックを握ると、「薄くて弾きにくいし、薄い分、ネックのカドが指に当たる」って思うんだ。薄くて手のひら側に隙間ができるほどなんだけど、その分、「角が指に当たる感触」が、どーしても好きになれないの。私が好きなのは、小さな私の手でも「クルンと回って、握りこめるフェンダー・タイプ」なんだね。
  
だから「お店に行きなさい」っていうのね。頭で太いだの細いだの考えても、想像できないでしょ?。最初にギターのネックを握ると、どれを触っても「太い」って思うハズ。当然でしょ?。そんな「太い木材を握った経験」がある人なんていないから。握ることにも慣れてないし、フィット感も判らないし。でもフェンダー系とギブソン系を比較すれば、誰でも判るから。あきらかに「別物のネック」って判るハズ。「太い・細い」よりも、どちらのカタチの方が手にフィットして「好きか嫌いか」なんだね。
  
何度も言うけど(笑)、「楽器」って「想像してもわからないモノ」だからね。キーボードで88鍵にいくら慣れてても、ホンモノのグラコンに座ったら「でかっ!!」って思うから(笑)。お店やスタジオでいくらドラムに慣れれてても、24inchや26inchのバスドラのセットに座ったら「でかっ!!」って、誰でも思うから(爆)。ギターしか知らないコにベースを持たせたら、「ネックながっ!!」って、絶対思うのね。それって、いくら調べて人に聞いても、想像できないモノなの。
  
  
「細いほうが弾きやすい」っていう言葉には、それの前に「自分にとって」「細いほうが弾きやすい」。あるいは、「細いほうが弾きやすい」「と自分は思う」って付いてるの。だからあくまでもそれは「その人にとって」っていうことなんだね。
  
  
実際には、手が大きいほうが「若干有利」かもしれません。「手が大きい人が考えたポジションや弾き方」があるのは事実です。また「手が大きくなればできないワザ」もいくつかあります。でも・・・世の中、そんなに手が大きい人ばかりなの?(笑)。とすれば、日本人は始めから不利?(爆)。
  
前に紹介したスタジオ・ミュージシャンの松原正樹さん。「手が小さいことで有名」なのね(笑)。

日本のTOPギタリストが、実は手が小さいの。でもそれがハンデになってるとは思えません。それとね(笑)
手が小さいと「ギターには不利」かもしれないけど・・・

   

「音楽」にはまったく関係がありません!!

    

「音楽を作る」のに、手の大きさは関係ないでしょ?(笑)。身長も体重も性別も関係無いし。だから・・・
「ネックが細い」なんて、どーでもいいことなの。ネックが太くてウマくなれないなら、クラシックの人は、みんなヘタなことになります(笑)。
  
  
  
未経験者諸君!!
  
  
気にするな!!
  
  
好きなギターを買いなさい!!

  
   
それが上達の一番の早道です。

     

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