ジャンクへの道 その2 まずは、「ネジ」から!


「このギターのシリアル・ナンバーはJV○○○○○で、ネック・ポケットにはサインと日付が、ネックにはモデル・

ナンバーが鉛筆で記載されています。」

ネック、外しちゃったんだ・・・(笑)。自分専用のギターならいいけど、「売り物」にするなら、やめてね。「トル

ク」ってわかる?「トルク・レンチ」とかあるじゃない?簡単に言うと「締める力」。外したネック、どのぐらいの

トルクで、ネック締めた?ひょっとして、「ちからいっぱい」?「適度に締まるまで」?。じゃあ、「どの順番で、

ネジ締めた」?ひょっとして、ブラブラしてるネックを、「一本ずつ」ネジを締めて止めた?
 


ほらほら、不安になってきたでしょう?(笑)フェンダー・タイプの「デチャッタブル・ネック」は、ここで「仕込み

角」が決まり、ネック・ボディの双方が「水平な面」を持ち、ぴたっと「必要な強さ」で接合されているのが、

正しい状態。精度の高いギター程ネック・ポケットとネックの幅、ネック・ポケットとネックのアール、ネックと

ボディの接合面がきちんとしていて、「いい音」の基本が凝縮されています。


ここは、「Providence」の「Dceiver」のHP。その中に、ギター・ビルダーの「横山正」氏の工房を訪ねたページ

があります。

 

工房訪問

 

この中の、「第2回目」の、2行目を見て下さい。私が、いいかげんなコトを言ってないことが、わかってもらえ

ると思うんですが・・・(笑) 


おおざっぱな例えだけど、接合面でネックが0.1mm、ボディで0.1mm、合計0.2mmずれた状態で、ブリッ

ジを支点にして、そこからナットまで伸ばすと・・・0.5mm近い「ズレ」が生じることになります。たかが0.5mm

と思うかもしれませんが、0.5mm「弦高」が変わったら、絶対わかります。なのに「ネックを外した」その行為だ

けで、それだけずれたら・・・。やめたほうがいいですよね(笑)、「オールド」ならともかく。



「トルク」の話が出たんでついでに。ギターにはいっぱい「ネジ」がついてますよね。緩んでませんか?(笑)。特

にブリッジが「ネジ止め」されてるタイプのギターは、「トルク」によって、音が変わる時があります。ちゃんとした

ところは、「トルク」を数値でセットできる機械をもっています。きちんと決めているメーカーもあるんです。ブリッ

ジはドライバーで締めて動かなければ、それでよし、です。ムリに締めないで下さい。セット・ネックも同じです。

「緩んでいないこと」を確認できれば、それでOK。ペグもストラップ・ピンも、ムリに回すと、すぐゆるゆるになっ

ちゃうから。ただ、ピック・ガードは注意が必要です。キチンと締めたいのはわかるんですが、あまりぎゅっと締

めすぎると、ピック・ガードが「歪む」ことがあります。かといって、ゆるゆるもこまるんですが(笑)。


ストラト、テレキャスの中古品で、たまにピック・ガードが歪んでるものを見かけます。「締めすぎ」ですね。ピック

がスルッと入ってしまうぐらい、浮いてます。ピック・ガードは、ネジ穴がちゃんと切られていて、ネジのピッチとあ

い、「振動しない程度」に止まっていれば、OK。ここで極端に「音が変わる」ことはありません。ありませんが、振

動の邪魔になるファクターにならないようになってればOKです。



本来ネジは、ネジ穴のほうがほんの少し小さく、ネジを入れた時点で、あとは木が収縮して止めてくれるはずなん

です。従って、きちんと止まってるものに、余計なちからをかける必要はありません。緩んでいることが確認できた

ところだけ、確実に締めて下さい。



今回はひょっとしたら「何もしてない」かもしれないですけど(正常ならね)、こうして点検してあげると、自分のギター

が急に可愛く見えてきませんか?。これがジャンク道の、第一歩(笑)。

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