噂の真相 Part 2


Photogenic ST-350H   Part 2 

ひとつ、「簡単なギターの精度の見分け方」をお教えしておきます。

これは誰でも出来ます。 ギターが弾けない人でも、わかります。

 

 

まずギターをスタンドに−床置きでも壁掛けでもいいです。まっすぐ正面から見られるようにします。できれば、ネックが目の高さになるのが一番いいです。写真は「横」ですいません(笑)。

その状態で、「ポジション・マーク」をじっと見てください。ポジション・マークというのはネックに埋め込んである「丸いポッチ」です。たまに四角い「ブロック・インレイ」もありますが、「見方」は応用編なので、まず「丸」で覚えておいて下さい。

 

この「丸いポッチ」−「ポジション・マーク」は、ネックの「センター」−「中央」に付けられています。ということは、この「丸」の「縦の直径」に当たるところが、このギターの「センター」−「中心」なんです。だから、ちゃんと「センターが合っている」ギターの丸いポジション・マークは「3弦と4弦の間」にずれることなく、真っ直ぐ並んでいるはずなんです。この「センター出し」は、「ネック」「ピック・アップ」「ブリッジ」のすべてがキチンと揃っていてはじめて、ギターとしての「スタート地点」に立てるわけです。と、私が言ってるってことは・・・(笑)。そう、これが「ズレてる」やつがあるわけなんです。

弦はブリッジに向かって「/|\」八の字に広がっていきます。だから「3弦と4弦の間」の間隔も若干は広がって行きます。でもその「弦の間」に「均等に並んでいる様子」は誰でも見分けることが出来ます。自信がないときは、まず「高いギター」のネックを眺めてから、自分の欲しいギターを見てみれば、その「違い」を判別しやすくなると思います。このギター、意外とちゃんとしてるでしょ?(笑)。

 

 

 

「ポジション・マーク」がキチンと並んでいたら次に、ピック・アップの「ポール・ピース」−ギターのマイクにある、横に並んだ6個の丸い棒、あるいはネジの上に、きちんと6本の弦が走っているか確認します。ギターのマイクは、簡単に言うと「電磁石」です。ポール・ピースは一つ一つが磁石です。その磁石が出す「磁力」の上を、弦が振動することによりマイクで「電流」を発生させ、それが「音」になります。当然、弦とポール・ピースの位置がずれてれば、一律な働きはしないし、ひどい時は隣の磁石にまで干渉します。そうなると音は「濁る」ことになります。

 

 

写真を見てもらうとわかるんですが、「ピック・アップ」は取り付け位置により「○○○用」と決まってます。「フロント」「センター」「リア」、あるいは「ネック」「ブリッジ」などという表記になっています。

もともとピック・アップは取り付け位置により、目的をもって音色に変化を持たせています。簡単にいうと「フロント用」と「リア用」では、「音が違う」 − 「異なったチューニング」がなされてます。これはコイルのターン数(巻き数)や磁力、ポールピースの高さなどで、変化を持たせています。テスターで計ると、抵抗値が異なります。コレが「出力の差」になります。

この能力を100%生かすには、弦とポールピースの位置が重要なんですね。このポール・ピースの位置は「ピッチ」−「間隔」が、ギブソン系、フェンダー系、あるいはインチ、センチで、そのギターの設計寸法により「使うもの」あるいは「使えるもの」が決まります。

 

次にネックの1弦右側、6弦の左側、弦の幅より広いネックの「余り部分」を見て下さい。弦もネックもブリッジ方向に「/|\」−八の字に広がっています。ちゃんと作られていれば、この「余り部分」も均等にあるはずです。この「余り部分」が狭すぎると、1弦・6弦でビブラートをかけた時、ネックの外側に弦が落ちてしまいます。

「余り部分」が大きすぎるのもおかしいんですよ。これも「高いギター」を見てからだと、なんとなく判別できます。もちろんセンターが合ってなければ、広くなっていったり狭くなっていったりして、おかしいのがわかります。そのギターにあった「ナットの切り方」をしていないと、不自然になります。

 

これを踏まえて、後ろにさがって、少し離れてギターの全形を眺めてください。近くで見てわからない程度のズレも、上記のような「見方」をした後だと、離れて見るとなんとなく判るものです。

あなたがこれらを見て「なんとなく、ヘンじゃない?」って思ったら・・・

そのギターはパスしておいたほうが無難ですね(笑)。なんとなく変なものは・・・やっぱり変なんです(笑)。ただ、その「ヘン」な中でも、全体のバランスで「ヘン」ではなく、「妙な感じ」を受けることがあります。

 

ココからは改造前の余談になります(笑)どちらかと言えば「コラム」の内容なんですが・・・。このまま話が続いちゃうんで(笑)。「改造編」はPart3として、アップします。

 

例えば、ストラト・レスポール・テレキャスター系は、全体的なバランスも受ける感じが「安定」しています。ヘッドの大きさ、ネックの長さ、ボディの大きさなど。そしてこの「バランスのいいギター」を見た後、「SG」を見ると、妙にネックが「長く」感じます。「そういう設計」になってるんですが、「なんとなく長いなあ〜」って言うカンジは次に「ヘッドの方が重そうだなあ〜」ってカンジに変わります。正解です!(笑)。ストラト・レスポール・テレキャスター系を持った後にSGをぶら下げると、確実にヘッドの方が下がってきます。「SGが嫌い」っていう人は、これが嫌いなんですね。特にラージ・ヘッドだとそれが顕著です。

 

同じネックが長い印象のギターでも、エクスプローラやフライングVは、逆にボディの方が重たそうに見えます。全体の印象−デザインがそう思わせる原因なんですが、そう見えるものは、実際にストラップでぶら下げても、そう感じます。全体の印象−デザインの違いが生む感覚は、エクスプローラとファイヤー・バードを比べると、よくわかるはずです。よく似たデザインなのに、ファイヤー・バードは「ヘッドが重そう」な印象を受けます。なんとなく、どことなくバランスが悪いような・・・(笑)。実際にファイヤー・バードは、ヘッドが下がります。写真ではなく、楽器屋さんでギターをいっぱいみてると、パッとわかるようになってきます。特に「変形ギター」などは、大体「見たカンジ」が「持ったカンジ」です。

 

「色」と「値段」は二の次三の次です(笑)。こうやって楽器屋さんで見てると、なんとなく自分に合った機種、自分の好みの機種が見えてきます。そのうちに、同じストラト・レスポール・テレキャスターでも、なんとなく好みのメーカーがあったりします。それから、「色」と「値段」を比べていけばいいんです。自分にとって今一番重要なのは、値段なのか、形なのか、色なのか、機種なのか、絞っていけばいいんです。

 
さてここまで見てきて、どうでしょうか?どんなご感想ですか?(笑)。私の感触としては「思ったよりひどくない」が正直なところです。ただ、ちょっと考えてみてください。私がこれまでに指摘したところ、私が改造しようと思ってるところを思い出して下さい。

 

このギター、わかりやすく1万2千円とします。ペグが怪しい(笑)ので交換すると、大体5千円でしょうか。もちろん3千円ぐらいの安いやつでもいいんですけど。そしてナットを交換して5千円。ピックアップは2個2万円でいいですか?(笑)。シングルなら3個で2万円。それにブリッジ−アームを交換して5千円。合計すると・・・ 

12000
 5000
 5000
20000
 5000
----------
47000

 

合計で4万7千円。これにザグリの加工、ネック加工、ちゃんときれいに塗装したワンランク上の木材をアバウトに足すと・・・。ギターってやっぱり最低「6万円」じゃないですかね。私の他の廉価版ギター達もなんやかんや改造してると、このくらいかかるのが普通ですね。とするとやっぱり「ギター」としての最低の価格が「6万円」。それより安いものはどこかしら「弱点」を抱えてるって考えるのが順当かなと。まあ卸値と定価っていう部分もありますが、「基準」はここかなと思います。

 

そう考えると逆に「1万円」って、すごくない??!!だって、とりあえず1万円で買えちゃうんですよ?いくら個々のレベルが低いとはいえ、すごい価格設定じゃないですか? 

私は「初心者用」と言われてる時は、「価格が初心者用」だと思ってます。これから弾けるかどうかわからないものに、誰もが大金を投資出来ないですよね?それなら1万円で買ってみて、試す。メーカーは、なんて優しいんでしょう?(笑)。メーカーからすれば6万円のギターを10人が買うより、1万円のギターを100人に買って貰ったほうが得ですよね。ましてやその100人の中から、20人が次に6万円以上のギターを買ってくれれば・・・。薄利多売で門戸を広げるには、とてもいい戦略だと思います。

 

「初心者用だからダメ!」

「1万円だからダメ!」

 

誰が何を基準にして騒ぐんでしょう?何を根拠に、悪口を言うんでしょう?けなしてるあなたのギター暦は何年?どのぐらいライブやってます?ドコで活動してます?誰に「ギターの基本設計」を習いました?何回、レコーディングしたことがあります?

自分はギターがうまいと思ってる人は、このギターを買う必要はないし、弾ける人をター ゲットにはしてませんよね。お小遣いの無い若いコや、長続きするかどうか自信のない人が、買えばいいんです。粗悪品なら、私はこんなところで、長々とリポートしたりはしません。

 

うちのリペアーマン、曰く、

「改造して遊ぶなら、フォトジェニック。ちゃんとしたものに組み上げたいなら、フェンダー・ジャパン。」(笑)


「フェンダー・ジャパンのボディとネックをオークションで安く落とせれば、ときたさんの思ってるような改造は、私が責任をもってなんとかします。」(爆)

 

「フォトジェニックは基本設計が間違ってないから、ちゃんと選んで改造すれば、そこそこ、モノにはなりますよ。前に××××に改造したいって言ってたヤツ、フォトジェニックをベースにして、作ちゃいましょうか?何色がいいですか?」

 

って、よけいなお世話!(笑)

今から40年前(笑)。小学校4年生の私が、お金を貯めて貯めて貯めて、やっと買えたのがヤマハの2万円のガット・ギターでした。他のギターは高くて買えませんでした。当時でもフェンダーのテレキャスターは15万円、ストラトキャスターは24万円。ギブソンのレスポールは38万円でした。ガラス張りの手の届かない高いところにぶらさげられていたテレキャスターは、私にとって「世界一光り輝いてるモノ」だったんです。でも、当時も他のエレキ・ギターはやっぱり6万円ぐらいでした。欲しくても、けっして手の届かない世界。でも2万円のギターでスタートして、こんなになっちゃいました(笑)。「2万円」で「ガット・ギター」ですよ?(爆)。 

 

それから考えれば・・・幸せでしょう(笑)。私は目に余る粗悪品は、コソッと告げてるはずです。あまり大きい声でいうと、業務妨害になるし。でも「これなら、いいんじゃない?」ってレベルなら、逆にこれからギターを始めようとしてる人には勧めるし、勧める上での注意点だけは喚起しておきたいと思います。けして絶賛するものではないけど、1万円でも「宝物」に見える人もいるんじゃないですか?

 

ペグを回してみたり、ポジション・マークを確認したり、ギターを確認する手立てはみんな共通です。レジェンドでもグラスルーツでもスクワイヤーでも、みんな同じです。ギターが弾けない人でも確認できる場所です。今や1万円なら、小学生のお年玉?(笑)。高かろうが、安かろうが、ギターを持ってみんなで演奏すれば、これほど楽しいことはないんじゃないですか?と、私は思います。


高いギターを買うことに、反対はしません(笑)。できれば最初から「いいモノ」に触れてたほうがいいし、やっぱりホンモノはホンモノだし。値段が高ければ大事にするのが人情だし、「練習しよう!」って気にもなります。「無駄にはできない!」っていう心理も発生するし。それに安いギターは、中古として価格が付かない−どうしても買い叩かれます。オークションならまだしも、中古屋さんなら千円〜二千円が関の山でしょう。でも、高いギターはそれなりの中古価格が付きます。人気のある機種なら、かなりいいトコまで行くんじゃないですか。価値の高いものなら、中古屋さんでもそこそこの値段を提示してきます。

でも、どっちがいいか?どっちにしろ!とは言えません。これから買う人の「気持ち」と「おサイフ」のバランスです。私はどっちでもいいから「早く買って、早く始めちゃえば!」が、正直なところです。安いギターをチューンアップして売るのも、楽しそうだなと思うし(笑)。

 

チューンアップっていえば・・・バイクや車の「草レース」に出る人たち(私を含めて)(笑)。あんまりお金は掛けられないじゃない?そんな

時、何すると思う?私はバイクなんだけど、エンジンも含めて、一度バラバラにしちゃうのね。で何するかって言うと、磨きながら組み直す

んだよね。特にエンジンなんかは「バリ」を削ったり、組合せ部分を研磨して接触精度を上げたり、ネジ止め部分を設計どおりのトルクで締め直したり。

そうするとね、何も改造してないのに、見違えるよう生き返るんだよね。コレはバイクの神様「モリワキ」さんも言ってたし、ウチのバイクショップのメカのじーさんにも言われた(笑)。改造なんかしてる暇があったら、バラして掃除して組み直して、自分のバイクの構造ぐらい覚えろ!って。でも、間違いなく「フケる」ようになるんだよね。特に新品の時にやっておくと、エンジンが長持ちするの。それからジェットを変えるとか、混合比を変えるとか考えろ!って。元を知らずに、改造もへったくれもないもんだ!って、メカのじーさん(笑)。私なんかは初歩の初歩、ハンドルのゴムをはずすところから、叩き込まれました(泣)。

でも、これってさ・・・ギターも同じだよね。もちろんプロの人みたいにちゃんとした高いギターを使って、プロにメンテして貰ってるような人はやらないだろうけど。プロは「弾くこと」のプロであり、そういうことは「分業制」だからね。だけど私みたいな「スキモノ」は・・・やっちゃうよね(笑)。それ自体も楽しいし。「弾く」のと「いじってる」のと、どっちが長いの?みたいな(爆)。


私が出会ったリペアーマンは、みんな目の前でやってくれるます。聞けば何をどうしてるのか教えてくれるし、なぜそうしてるのかも、ちゃんと教えてくれる。あの松下工房に行った時も、目の前で作業してました。コンバットでも、なぜそうなのかを、目と耳でわかるようにちゃんと説明してくれた。

ギターを商売にしてる人って、みんなちゃんと教えてくれるんだよね。そりゃあね、多少意見が食い違ってるところもあるの。材質はなにがいいかとか、パーツはどこがいいかとか、それぞれに「自論」がある部分もあって。でも、基本は同じなんだよね。基本設計がそんなに違うはずはないんだよね。みんな、喜んで教えてくれるよ。

 

 

Part 3へ

 

← Part 3

inserted by FC2 system