Junk No, 036

お宝ギター自慢コーナー (^O^)/


お便りをいただきました〜〜〜っ!

 

なんと「現役のプロ」です。

ライブハウスでギターを弾いています。

神奈川からエントリーの「Randy伊藤さんで〜〜〜す。ヤンヤ、ヤンア!

 

なんとまあ送られてきたメールが、私が書いてるココの原稿とウリふたつ(笑)。まるで私が書いているようです。それもそのはず。東北出身で、神奈川で演奏。あれ?誰かと同じ?(笑)。

折角書いてくれた長文メールなので、そのままご紹介しちゃいます。で、Part2では、お宝自慢(^O^)/。なんとまあ、誰かさんとまったく同じシュミで(爆)。Part1は、メール2通分。ココの原稿として、充分通用する内容です。面白いので・・・それでは・・・

メール1通目

 

はじめまして、私はrandy伊藤と申します。「ときたやすしのJunkGuitar再生工場」をいつも楽しく拝読しています。
 
勝手ながら一方的に強いシンパシーを感じ、これはメールを書かねばっ!と思った次第です。私の持っているギターと同じモデルが紹介されていますし、「暇なヤツラはこれを聴け!」で紹介されている海外のアルバムは30枚以上持っています。ギターの腕では、到底ときた様の足元にも及ばないのですが「おまオレか!」(爆)と感じた次第です。
 
現在、私は神奈川県藤沢市の辻堂駅前にあるSTAGECOACHというお店でギターを弾いております。勤め人をしながら、ハウスバンドに混ぜていただき、ゲスト歌手のバックを務めたりしています。立ち位置的には、人前で演奏する機会に恵まれたアマチュアと言ったところです。根っからのテレキャスヲタクで、現在所有している楽器はストラト1本にテレキャスが7本。TL-200BBのページで紹介されていたレースセンサー×3のカスタムエディション・テレキャスターや大阪の鈴木様と同じエスクワイヤーの69年モデルも所有しています。本家USAのギターは…以前持っていたことがありましたが処分しました。現在は全て国産+アジア製となっています。楽器好きが高じて、現在9本目となるシンラインを「製作中」です(^_^;)
 
私が演奏しているSTAGECOACHのマスターである片山氏は、原田実とワゴンエースのベーシストとしてキャリアをスタートし、現在は日本のカントリー界の草分けである寺本圭一氏のバンドでプレイングマネージャーを務めておられる方です。

 

注)STAGECOACHはコチラ!!

 
私は1962年に岩手県で生まれました。中学生の頃、地元で大人気だった「NSP」(ちなみにライブ盤ではCharがエレキを弾いてました)に憧れ、YAMAHAの15,000円のフォークギターを親にせがんで買ってもらったのがギターとの出会いでした。当時はフォークブームのさなかで、吉田拓郎、井上陽水、かぐや姫、中島みゆき…などの曲をジャカジャカと弾いておりました。おそらく聞くに堪えないほどの下手くそだったと思いますが、それなりに楽しい日々でした。
 
転機は突然訪れました。当時NHKで放送していた「ヤングミュージックショー」という番組でKISSの来日公演の放映を見たのです。火を噴き、血を吐き歌うジーン、セクシーな動きで吠えるポール、ギターから花火!でフィードバックさせまくりのエース、どこまでも競りあがるドラムセットを叩きまくるピーターを見て、いきなりROCKに目覚めました。
 
エレキギターが欲しい!と、お年玉を貯めていた貯金をはたいて、Grecoのテレキャスターカスタムモデルを買いました。KISSなのになぜかテレキャスター…なのは、店頭にあったエレキギターで一番安かったからです。子供だから取り寄せてもらうって発想が無かったんですね〜。また、当時のバンド仲間が、それぞれバーニーのレスポールとフェルナンデスのストラトの8万円クラスを持っており、安いモデルでは劣等感を感じるので被らないように避けたのと、「カスタム」という特別っぽい響きに惹かれての購入でした。今思えば、これがテレキャスター(モデル)との長い付き合いのスタートでした。
 
当時コピーしていたのはパープル、ツェッペリン、KISS、エアロスミスなどのハードロックが中心でした。YAMAHAのJ-25だったか35だったかに、唯一持っていたエフェクターのMaxson D&S IIを繋いでハイウェイスターのソロをいかに早く弾くかを競っていました(笑)
 
しかし世の中で流行し、テレビやFMから流れてくる洋楽は、シンセの登場とディスコミュージックの台頭によりだんだんソフィスティケイトされたPOPなものにシフトして行きました。いったいハードロックはどこへ行った?俺はどこでギターを弾いたらいいの?ってまるで梯子を外されたような気分になったものです。
 
そんな空白の時間に生来のヲタク気質が頭をもたげます。新しいのが無ければ古いのを聴けばよい。ROCKの歴史を遡るのだ、と。それまで知識としてしか聞いていなかったバンドを聴きまくりました。とはいえTUTAYAなんて無い時代、レコードはとても高価で聴ける数には限りがありましたがバンド仲間にレコード屋の息子がいたおかげでとても助かりました(笑)
 
そうして、パープル、ツェッペリンの全盛期を、クリームを、BBAを、ヤードバーズを、ジミヘンを、ビートルズを、ストーンズを、プレスリーを、ビーチボーイズを、そしてもっと多くのバンドを…と追体験していきました。
 
多くのバンドを聴き、インタビュー記事を漁って読む中、更なる源流はアメリカのRhythm&Bluesにある事を知ります。ビートルズも、ストーンズも、クラプトンも、ベックも、アメリカから船便で送られてくる僅かなレコードを競って聴いていた。それまで私が聴いてきたROCKとは、アメリカのRhythm&Bluesをイギリス人が真似て、ソフィスティケイトされたものだと知るのです。
 
当時の私には大きなカタルシスでした。それまではROCKこそが本物と信じており、それ以外のポップミュージックやダンスミュージックはカスだと思っていましたから(笑)。信じていたROCKも、他の音楽の真似っこだと知らされたのですから、地動説が天動説にひっくり返ったぐらいの衝撃でした。自分がギターを弾いているものだから、無意識のうちにギター弾きまくりのROCKだけを選んで聴くようになっていき、やがてそれが全てになってしまい、自分の世界を狭めていたんです。
まさに井の中の蛙でした。
 
さて大海を知った蛙は、ますますロックミュージックの歴史を辿ることになります。Rhythm&BluesのRhythmってなんじゃらほい?Bluesはある程度聴きました、マディウォーターズやBBキング、アルバートキング、SRV、ジョニーウインター…うん、その辺は聴いたよ、ハードロックより緩いリズムだけどそれはそれでかっこいいと思った。ギターのフレーズがROCKっぽいとも思った。じゃあRhythmってなによ?そんな名前のジャンルは聞いたこと無いし…
 
当時読んだ何かの本にカントリーだと書いてあったので、カントリーを聴いてみました。確かカントリー音楽大全みたいなタイトルのオムニバスを。最初はパティペイジとかエディアーノルドを聴いて…はっきり言って笑いました。こんな学校の教科書に載ってるような音楽が、ROCKの原点だなんて信じられません。でもハンクスノウのフール サッチ アズ アイを聴いて驚きました。

 
…これプレスリーが歌ってる曲だ…

 
それに気がついたら、もうカントリーのレコードジャケットを片っ端から見て、曲名探しに夢中になっていました。白人のロカビリー、ロックンロールで聞いたことがある曲名がゾロゾロと見つかり、レイチャールズやビートルズがカバーしてる曲も見つけました。そうか、やっぱりROCKの原点はココにもあったんだ!と見つけた事はとても嬉しかったです。
 
それからはROCKと一緒にカントリーも聴きまくりです。当時は(今もですかね)テレビでもFMでも、カントリーはほとんど紹介されることが無く、自分の周りにも詳しい人はいませんでした。でも、そこにこんなに面白い音楽があるってのは、まるで手つかずの鉱脈を掘り当てたような興奮を覚えました。当然ロック、カントリー双方からの流れでサザンロック(当時はウエストコーストサウンドなんて呼んでましたね)も聴きました。サザンロックにある、フォークでもロックでもない独特のアコースティックな感じの源流はカントリーにあったのかぁ、と繋がりました。
 
サザンロックはとても興味深いですね。アメリカ音楽の源流をたどっていくと、イギリスから移民してきた白人が持ち込んだスコットランド民謡辺りにたどり着きます。それがギターやマンドリン、バンジョーなどの楽器の進歩と音楽的洗練により、ヒルビリーとかブルーグラスとかフォークと呼ばれるようになります。次にギターやベースのエレクトリック化とドラムスの発明に伴いカントリーミュージックが形成されていきます。一方で奴隷としてアメリカに連れてこられた黒人によりもたらされたアフリカ音楽が独自の進化を遂げ、デキシーランドジャズやブルースに発展します。
 
やがてカントリーとブルースはお互いに影響し合い、カントリーソングにブルースのフィールを取り入れたロカビリーが生まれ、ブルースバンドにドラムスが加わってRhythm&Bluesと呼ばれるようになりました。そしてそれらはRock'nRollとして結実します。それまでのアメリカ音楽史においては、白人の音楽がカントリー、黒人の音楽はジャズとブルースとはっきり分かれていました。(この人種ごとの文化に対する感覚の差異は、日本人には理解しがたいですね)
しかしRock'nRollになってからは、白人からも、黒人からも、イギリス人からもスターが登場します。初めてポップミュージックが人種や国籍を超えたワールドワイドな存在になったのです。これはカントリーもブルースもどちらもが「ギターを中心としたバンドミュージック」であったことが大きいと思っています。今に繋がるポップミュージックの歴史の中で最も重要と言える大きなムーブメントの原動力として、エレキギターという楽器の存在があったのです。
 
このドラスティックで刺激的なムーブメントは海を渡ってイギリスへ伝わり、ビートルズが、ストーンズが、ヤードバーズが登場しツエッペリン、パープル、ザ・フーなどに継承されていきます。イギリスで大きく発展したロックムーブメントはまたアメリカへ戻り、ロックもカントリーもフォークも全部好きだ、って連中の手によりサザンロックとなります。こうしてイギリスとアメリカの間でムーブメントが繰り返され、互いに影響し合いポップミュージックの歴史を作ってきました。
 
現在はその歴史のすべてが「カントリーミュージック」というジャンルに集約されていますね。フォーク、ロカビリー、リズム&ブルース、ロックンロール、サザンロック、AORなど、過去のアメリカンミュージックのエッセンスの全てがそこにあります。
 
なぜもっと広く紹介されないのかが不思議でなりません。目につく所ではK-PopやAKBばかりで、洋楽が紹介される機会は少ないです。たまにあってもHipHopやR&B(と呼ばれているもの)ばかりで、カントリーはほぼ皆無といった状態がとても残念です。

 
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長々と与太話を書いてしまい申し訳ございませんでしたが、素晴らしいサイトに出会えたが故の興奮からとご理解ください。
 
ときた様のHPやBlogを拝読しておりますと、ギタープレイのみに偏ることなく、歌を中心にしたバンドサウンド・アンサンブル全体を大切にし、ジャンルに捉われることなく、サザンロックやカントリーミュージック、歌謡曲までを網羅し、その良さをなるべくフラットに分かりやすく伝えようとする語り口が素晴らしいです。そして何よりギターという楽器のフォーマットそのものに対する愛情がひしひしと伝わってきて、もっと読みたいと感じます。これからも楽しい音楽話、ギター話を読ませていただき、良い音を聞かせていただきたいと思います。
 

メール2通目

 

早速のご返信ありがとうございます。「現役」と言えば聞こえはいいですが、実際は「プロギタリストを呼べないステージを埋める」アマチュアですから(^_^;)
 
写真は写っているのですが、あそこのページの写真は小さくて見分けがつきません(爆)。近いうちに縮小前の写真をお送りします。その際にはギターの画像も何本かお送りしますね。貴HPのネタとしてはそれが一番オイシイところですしね。(私も楽しんで拝見しています)
 
音源は残念ながらありません。というか、自分の音を残すなんて、とてもとても恐ろしくて(笑)ギターは下手の横好きという腕前で(^_^;)、勢いだけで弾いてますから…
 
私の唯一の自慢は、あのお店やイベントなどで日本のカントリー界の重鎮と一緒に演奏したことです。残念ながら故人となられたジミー時田さん、小坂一也さんをはじめ、寺本圭一さん、大野義男さん、ウィリー沖山さん、ムッシュかまやつさん、まだカントリー系を歌っていた頃のル・クプルの徳永恵美さん、カントリー畑ではないけど尾崎紀代彦さんやなぎら健壱さんが遊びに来てくれたり…とても、共演した、バックを務めたなどと、胸を張って言えるほどではないのですが、すぐ側でそういった素晴らしい方々のパフォーマンスを感じることができたことは大きな体験でした。

注)上記ミュージシャンは・・・日本カントリー界の超大物であり、日本の音楽の一時代を担った大変有名な方ばかりです。
 
そして酔客相手とはいえ、聴いてくださる不特定多数のお客様の前で演奏する機会に恵まれていること、演奏に対する真剣さを常に求められる環境にいられることは幸せだと思っています。
 
ただ、カントリーのミュージックシーンはジョン・デンバー辺りを最後に日本で紹介される機会がほとんどなく、せっかくの素晴らしい楽曲が知られていないのは本当に残念です。また、カントリーを好んで聞いてくださるファンの方々は、そうした思いが強すぎるのか「良い・悪い」の前に「カントリーであるか・否か」で判断される頑固な方も多いです。これはこれで困ったものなんです。「だってイーグルスはカントリーじゃないよね。」なんて言われるんですよ(笑)。まるで学生の頃の自分を見ているようです。
 
私の思った通り、ときた様はカントリーにも造詣が深くて嬉しいです。ご存知のように90年代後半以降、ニューカントリーのムーブメントがあり、新しいスターとレジェンドに対するリスペクトが一気に湧き上がりました。当時ガース・ブルックスが年間興行収入で、あのグレイトフルデッドの記録を抜き、新たな世界一の記録を打ち立て、グラミーなどにもカントリーミュージシャンが多数ノミネートされたのに誰も知りませんでしたしね。
 
ただその頃からずっとナッシュビルの売れ線は、ほとんどが判で押したように、同じメンバーだったりしますね。ギターがブレント・メイソン、スティールがポール・フランクリン、フィドルがマーク・オコーナー…かつてのスティーブ・ルカサー以上に仕事してますよね。最近はもう少しコアな「バンド」としての音を聴きたいよなぁ、なんて思っています。

注)上記ミュージシャンは・・・CMAなどを見ると、イヤというほど出てきます(笑)。シルバーでハムの付いてるテレキャスターを弾きまくっているヤナやつです(爆)。めちゃめちゃウマいです。
 
キャトルコールを歌われるんですか?いいですねぇ。機会があればぜひ聴きたい、いや一緒に弾きたいですね。キャトルコールはオリジナルのエディ・アーノルドは当然として、今やカントリーの枠を超えてアメリカを代表する歌姫になったリ・アン・ライムスもいいですね。日本ではウィリー沖山さんの歌が絶品だと思います。

注)キャトルコール・・・いわゆる「カントリー・ヨーデル」の超名曲です。Youtubeでも聴けます。エディ・アーノルドはカントリー・ヨーデルの名手で、オールドカントリーの超大物です。日本ではウィリー沖山さんが歌って、ヒットしました。こちらもYoutubeで聴けます。
 
今回は写真も音源も無しの返信で申し訳ないです。お詫びの意味を込めて、私のエフェクターをちょっと紹介してみたいと思います。
今のメインは、Danelectro (ダンエレクトロ ) のCOOL CAT CTO-2 オーバードライブ→ZOOM G2Nu(ペダルが無いヤツ)→KORGのボリュームペダルという構成です。キモはダンエレクトロ のCOOL CAT CTO-2 オーバードライブです。ネットではどこぞのブティックオーバードライブを丸コピーしたというCTO-1のほうが評価が高く、CTO-2はダメみたいに言われてますけど、でもテレキャス使いなら絶対にCTO-2です。だってブキャナンの「あの音」が出るんです。たぶんプロダクトとして売られているオーバードライブの中で一番歪みが薄いです。そして低音弦のTwang感が消えないんです。でもゲインはガバッと上げられます。いわゆる「ジャギジャギ感を感じる程度のクランチをギターのボリュームでコントロールする」使い方には最高です。

CTO-2を買う前はDODの黄色いのを使ってたんですが、低音弦の音が丸くなるのがイマイチでした。BOSSのBD-1は歪具合は薄いんですが、ボリュームを絞っても音にまとわりつくような歪が残って好きじゃありません。CTO-2は歪みを抑え、レベルをちょい上げて、ZOOM G2でコンプを掛けてから、Zcleanを通して、ショートディレイやコーラスでダブらせるとブレント・メイソンっぽくも聞こえると思っています。

このOD→コンプっていうイレギュラーな接続がマイブームです。コンプを切ればODの音、コンプで出力レベルを揃えてやると、倍音がリッチなクリーンっぽく聞こえる、ってところを狙っているつもりです。それにはCTO-2がベストなんです。ちょっとノイズが多いのでシビア録音には使えませんが… それでもダンエレ最高!です。

ZOOMは一番最初の小さいヤツからずっとファンです。ステージで使ったことはないですが、ステップフェイザーが大好きです(笑) G2はコーラスやリバーブが綺麗&トレモロがフェンダーっぽいところが気に入っています。でもアーリーリフレクション→リバーブができないのが残念です。(チェット・アトキンスっぽく弾くときに欲しい)使ってるアンプのリバーブがしょぼいんで(^_^;)。ボリュームペダルは必須です、無いとギターが弾けません。本当はアンプのボリュームを足で操作できれば…と思いますが、さすがにそれはできないので(笑) アルミボディのがっちりしたヤツを使ってます。

近いうちにギターの写真を、こってり解説つきでお送りしますので、それまでお待ちください。本日はこの辺で失礼させていただきます。

P.S Randyというステージネームは、敬愛するRandy Rhoadsから付けました。全然カントリーじゃないですけど(笑)
Quiet Riotの頃から、本当はこの人もっと上手いんじゃね?と思ってたら、Ozzyで才能が一気に開花し、そのままの勢いで人生を駆け抜けていってしまいました。単にテクニカルなだけでなく、情感あふれるエモーショナルなプレイに心底痺れたものです。いつかはこうなりたいという憧れを込めたあすなろネームです。  Randy伊藤

 

ねっ!私の原稿そのものでしょ?(笑)。

で、Part2に続きます。お待たせの「ご自慢のギター」の登場です!!(^O^)/

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