Junk No, 035

YAMAHA RGX512J


出身地

日本

生息地

ヤマハ仙台一番町店

価   格

たしか4万円を割っていたような気が・・・

SUB TITTLE

スカーフ・ジョイントとディンキー・タイプを交えて論(^O^)/

 

 

1987年から91年にかけて作られていた「RGXシリーズ」の中の一種。この「RGXシリーズ」は、今も作られているヤマハの数少ない主力商品のひとつです。このシリーズには沢山の機種があって、いろいろな装備のギターがあります。その中で一味違ったのが、この512Jでした。

発売時価格 53000円
ネック : メイプル ボルトオン(スカーフジョイント)
スケール : 628mm
指板 : ローズウッド
アール : 350R
フレット数 : 22
ボディ : バスウッド
ペグ : オリジナル ブラック仕上げ
ブリッジ : RMX−III
ピックアップ : Select By EMG   YSES-1×2 YSEH-1×1
Sw : 5ポジション
コントロール : 1Vol 1Tone Push/Pull Type
カラー : ブラック ホワイト スパークリングレッド
 

これはなんと正規にお店で買ってます(笑)。安くして貰った記憶はあるんですが・・・。
これを買った日は、実はミューシックマンの「シルエット」の試奏にいったんです。シルエットは宣伝の割りに売れ行きが悪く、あまり一般的ではないギターだったんですが、ある日突然欲しくなって(笑)。メイプルネックに白ボディでHSHにハードテイル仕様のシルエットが目的でした。ところが・・・
この当時、このお店には同級生のコが勤めていて、私が目的を告げると・・・
 
「あんた、そんなギターやめときな!あれ、ダメだから!これにしなさい!!」
 
と言って持って来たのがコレ!!(笑)

ローズ指板に真っ黒ボディにSSHでアーム付き(爆×10000)

まったく正反対のギターです。

理由は・・・
 
RGXの在庫を捌きたかった
 
ミュージックマンの儲けが少ない
 
俺への愛(爆)
 
どれが理由かはわかりません(たぶん3番目!笑)

安いのもあったし、文句があるわけじゃないし、アームも付いてる(笑)ので、じゃあということで押し付けられました(爆)
もともとアームで「ナイトレンジャーごっこ」をしたかったのは確かです。なのでとりあえずアームがまともじゃなかったら、返品してもいいかなと(笑)。ところが使ってビックリ玉手箱\(◎o◎)/!

あまりにも「予想に反するギター」だったんです。

ピックアップに「Select By EMG」の金文字。あなたなら、どう思います?

この仕様で「Select By EMG」の文字があったら「そういうギター」だと誰しも思いますよね?。

あにはからんや(笑)、とんでもない「仮面を被ったギター」だったんです。このPUはパッシブです。

つまりは・・・

「ヤマハの依頼でEMGの名前を付けた、電池のいらないEMGモドキ」(笑)

ところが全然EMGではありません(爆)

けして「悪い音」ではないんですが、けっしてEMGではありません!(笑)

 

このギターの最も大きな特徴のひとつが「スカーフジョイント」。これです。

ネック本体と、ヘッドの「木目」−「質」が全然違うのが、お判りでしょうか?

いわゆる「ディンキー・タイプ」の時の主流でした。ジャクソン、チャーベルなどを主流とする「その手のメーカー」がこぞって採用し、日本のギターも右へならえ(笑)。私の意に反して「スカーフジョイント」がやってきました。
「コンコルド・ヘッド」「バナナ・ヘッド」わかりますか?。ヘッドがネックからみると、大きく飛び出しています。つまり「一本の木」から削り出すには、ムダが多かったわけです。それでこの「スカーフジョイント」が一般的になりました。そのおかげで私は「ジャクソン ソロイスト」までたどり着きました。
 
というのも「スカーフジョイント」がでてきてはじめて「ネックの存在」が、非常に気になりだしたんです。「セットネック」「ボルトオン」「スルーネック」。ずっと変わらなかった「ネックの設計」に、新風が巻き起こったんです。「なぜ、スカーフジョイント?」(笑)
 
ここから始まったのが「薄型ネック戦争」。薄い軽量ネックによる「新たな音」の出現でした。きっかけはたぶん「ヴァン・ヘイレン」でしょう。彼は「ディンキー・タイプのギターで、何が起こるのか?何が変わるのか?」を知っていたと思います。ある意味、その中の「1つの完成形」が「ジャクソン ソロイスト」だと、私は思っています。なので・・・欲しいんです(笑)。
 
一般的なギター=レスポール・ストラト・テレキャスは、「そのギターの音」がある程度わかります。そしてそれをプレイヤーが、いろいろ変化させていきます。そんな中で「ジャクソン ソロイスト」は、「ギター自体が、出す音を決定する」「出す音を、プレイヤーに強要するギター」だと思います。ギター自体がプレイヤーにある程度以上の力量を要求し、プレイヤーがそのレベルまで達すると「鳴り出すギター」。ギター自体がとても我がままだけど、一旦使い方がわかると、その音でギタリストを助けてくれるギター、って言えばいいかな。

「俺を鳴らしたかったら、腕を磨いてこい!!」 っていうギター(笑)
 

この「ディンキー・タイプ」−「スカーフ・ジョイント」を追いかけているうちに、そこにたどりついてしまいました。なので今でも、この「ジャクソン ソロイスト」とグレコの「なんちゃってジャクソン・ソロイスト・コピー」が欲しいんです(爆)。これにRGXを交えて、一度「3台でネック交換」をしてみたい(笑)。「ジャンクな欲望」なんですけどね。
 
初めてクレーマーのバナナ・ヘッドを弾いた時「なんじゃ、こりゃ?」と思いました(笑)

まあ、そう思えたこと自体、正常だったんですけどね(爆)

 

「俺には、使えん!!」

 

です(笑)。当時は「シングル・コイル病」で、ハムのギターがことごとくダメでした。その中でも群を抜いてダメだったのがクレーマー。そこから「ディンキー・タイプ」が流行するんですが、私はカヤの外。流行が終わってから「その役目」に気が付いたんです。なので・・・
 
今の若いコが「メタルの音で・・・」とか「ドンシャリが・・・」とか「アイバニーズの薄型ネックが・・・」なんて言いながら、EMGに群がってるのを見ると・・・

 

「ああ〜、やっぱりギターのこと、わかってないんだな〜」

 

と思います(笑)。誰もジャクソン、クレーマー、チャーベルの話なんかしないでしょ?。もともと「そういう役目」を持ったギターなのに。そのレベルの人には「ジャクソン ソロイストが持つ意味」なんて、絶対わかりません。っていうか・・・今じゃ、触るのも難しい?(笑)
 

 
話がそれちゃいましたね。元に戻します。で、ですね・・・(笑)
この512Jは、まったくそういうギターではありません。これにはオーナーである私のほうが驚きました。どう見ても「そういうギター」でしょ?(笑)。なのに・・・

あなたは今「ハム系」のギターをメインにしています。自分のバンドでは、それでOK。だけど友達から「歌モノ」のバックを頼まれました。どう考えても、シングルの音が欲しいです。でも、安いストラトを買って、アームの調整も面倒。主要なところは、ハムで間に合う。でも何曲かは「カッティング」で、ハーフトーンとシングルらしい音が欲しい!!でもできれば、面倒なノイズも避けたい!

そんなあなたに「YAMAHA RGX512J」!(爆)
「そういうギター」です(笑)。っていうか「カッティング」に焦点をあわせたものなんじゃないの?って思うギター。「歪ませる」「アーム」は、二の次です。もちろん、それもそこそこ(笑)。でも

 

「歌モノのバックにあわせる、めんどくさくないシングル」

 

この要望には、ぴったりです。
切り替えは5WAYですが、シングル−ハムはポットのほうで行います。なので「シングル×シングル」でも「シングル×ハム」のハーフトーンも出せます。もともとノイズは少ないEMGなので(笑)、それでもノイズが気になるハム系の人に「シングル×ハムのハーフトーン」(笑)。

この下のツマミをカチッと引っ張って、ハム−シングルを切り替えます。

そして、このアーム。「RMX−III」っていう型番なんですが・・・

 

これ以外アームだったら、やめておいたほうがいいです!(笑)

 

最初に書いたように「RGXシリーズ」は、沢山の種類があって、オーナーじゃないと見分けられないものがあります。その1つがこのアーム。引っ掛けるカタチになっていて、ブリッジ側ではロックしません。あくまでも「張力」に頼ったもの。でも、不思議と狂いが少ないんです。

パシフィカのところにも書いたんですが・・・YAMAHAのアームは、今ひとつ信用できません(笑)。その中にあって、割と信頼できるのが、この「RMX−III」(笑)。バツグンの性能!とは言いませんが、狂いは少ない方ですし、極端に「アームの音」でもありません。

こういうのとか・・・

こういうのとかは、やめておいたほうが・・・(笑)

 

けして「高いギター」ではないんですが、シリーズでの「パーツの共有」「パーツの流用」ができるため、そこそこの仕上がりにはなってます。そんなに「悪くないギター」です。ただし・・・「歪み」に関しては、「過度の期待は禁物!」(笑)。「ストラトには見えないストラト」だと思って下さい。ヘッドは、これが目印!

コッチはやめておいたほうが・・・(笑)

小さくて写真が撮れないんですが・・・

シリアルと共に「Made in Japan」の文字が入ってます。

でも、「カッティング」の音。いわゆる「クリーン系」の音は、このギター「当たり」ですね。そう思って使うなら、合格点をあげられます。いわゆる「ハイエンド系の持ってるストラトの音」の安いバージョンです(笑)。けして、「リッチである」とは言いません(爆)。でも、G5でやってた「ハーフトーンのカッティング」。このギターなら、楽勝な守備範囲です。そういうことをしだすと、急に「役に立つギター」です。
 
長所
「そういうギター」としてなら、充分役に立ちます。中古で半額2万円って考えたら、1万5千円以下なら御の字でしょう。メタル系のルックスの人が「違和感無く持てるストラト」です(笑)。それ以上は、要求しないで下さい。でも1万円前後で買えるとしたら、「廉価版ギター」よりは、はるかに水準の高いギターです。過度な要求さえしなければ(爆)。
 
短所
それ以上を要求されると、困ります(笑)。ほとんどの人が「Select By EMG」に過度の期待を抱いて、撃沈しています。このPUは「EMGのノウハウを借りた、ローノイズPU」です。けして「EMGの音」ではありません(笑)。しかも「パッシブ」です。そこを肝に命じて下さい(爆)。
 
 

総評
実を言うとですね(笑)
このギター「メイプル・ローズ+バスウッド」ですよね。このPUアッセンブリを「別なボディ」に移植してみたいんです。この「メイプル・ローズ+バスウッド」なら、やはりアームは「フロイドローズ」にすべき。そこまで行くと、「メイプル・ローズ+バスウッド」の欠点を隠してくれるハズです。あのフェルナンデスと同じところまでなら行くギターです。そうなんですが・・・
もっと主張の強いネック−このネックじゃないもっと強いネックとボディに、このPUを乗せてみたいという欲求が止まりません(笑)。この「アッセッブリ」と「メイプル・ローズ+バスウッド」は、不釣合いだと私は考えています。これはRGXシリーズ全体にも言えることなんですが、音が引っ込むというか「おとなしすぎる印象」が強いんです。この512Jには、もっと「暴れるタイプのPU」のほうが合うような気がします。そしてこのアッセッブリ−「Select By EMG」には別のフィールド−もっと違ったネックとボディのほうが、能力が発揮できると考えています。現状は現状でも「使いやすいギター」ではあるんですが、いつかこのアッセッブリに合う本体に出会えることに期待しています。そういうジャンクも・・・ありでしょ?

 
こんな「中古」でしかないギターですが、「私が考える未来のパーツ」を持っているんです。「Select By EMG」なんて、2度と出てこないパーツだと思います。うまくいくかどうかは判らないけど・・・期待して、売らずに持っていようかと思っています。

inserted by FC2 system