ZG 19

禁断のステレオ・サウンド


G3Xは、まだなんでしょうかねえ〜(笑)。そんなことばっかり言ってると、可愛いG5に、泣かれてしまいます(*^_^*)

G3がG5に進化したように、G3Xが出ると、G3やG5がもう一歩進化するのでしょうか?。何がどう変わるのか?それが楽しみです。

 

さてさて今日はモノマネではなく、ZOOMが最も得意とする「モジュレーション系」(みんなにしてみれば空間系?)。これの「マルチらしい使い方」。そう「ステレオにすると、どうなるの?」にトライしましょう。

実際問題、ライブでステレオにするのは、かなり難しいです。アンプ2台、またはステレオ系アンプ。そしてPAさんが「ステレオ」を理解及び了承してくれないと使うことはできません。PA自体を「モノラル」にしているところもあるし。ただ「宅録」では、自由自在です。でも・・・

やはり「使い方」を知らないと、「それなりの効果」は得られません。単純に「ステレオ」といっても、いくつものやり方があります。

今日はその「基本中の基本」を体験して下さい。「極端なやり方」ではなく、「ステレオに対する基本的なアプローチ」です。でもマルチ−G5のようなモノじゃないとなかなか出来ないし、皆さんがスルーしてしまう部分です。ギターは、「音色」「フレーズ」そして「音場」があります。宅録では重要な部分ですし、これをライブまで持ち込めたら・・・(笑)。なかなか、難しいところですけどね(^_^)v

 

では、今日のレシピです。基本セッティングとしていつもの「FD COMB」をアンシミュとして、共通使用しています。そしてリバーブも加え、これから「ステレオ」にするコーラスを1台入れています。 

ギターはいつもの、赤いビルローレンス。シングル×シングルのハーフトーンで弾いています。

FD COMB
Gain 28
Tube 50
Level 100
Trebl 50
Middl 50
Bass 50
Prese 50

CHORUS
Depth 70
Rate 12
Mic 50
Tone 5
Level 100

HALL
Decay 10
Tone 5
Mix 50

上記の「モノラル」の音を、「STEREO DELAY」「Ensemble」「StereoCho」で、順次ステレオにします。

STEREO DELAY

TimeL 33
RimeR 44
Mix 100
LchFB 0
RchFB 0
Level 100
LchLv 100
RchLv 100

Ensemble

Depth 40
Rate 30
Mix 60
Tone 8
Level 100

StereoCho

Depth 80
Rate 20
Mix 50
Tone 8
Level 100

各エフェクターのパラメーターは、「だいたいこの辺が基準」というだけです。そこそこの「深さ」にして、「あまり揺れない」セッティングです。まずは細かくいじるより、「音色」と「音場」の違いを聞いて下さい。

各サウンドは、4つ並べてあります。まず「素の音」があって、「STEREO DELAY」「Ensemble」「StereoCho」の順で出てきます。「素の音」にもすでに1台、コーラスが掛かっています。コーラス系×2台という、「マルチらしい使い方」です。

SOUND 001

どっかで聞いたようなコード進行ですが、気にしないで下さい。同じ「ステレオ効果」でも、違いが判りますでしょうか?

「STEREO DELAY」は33と44に設定して、左右で「遅れて鳴る」ステレオです。広がりとしては「ストレートなカンジ」です。奥には広がりませんし、硬いサウンドです。

「Ensemble」は、かなり柔らかく感じますね。奥行きを作りやすいサウンドです。うるさく感じません。

「StereoCho」は、その中間ってカンジですか。きらびやかさがあって、美しく広がります。

これらは「バックのサウンド」があっても、基本この路線のカンジが残ります。逆にリバーブをコントロールすることによって、印象をかなり変えることも出来ます。今は「音のバリエーション」と考えて下さい。

 

では次にまったく同じものを使って、「別のフレーズ」を弾いてみます。

SOUND 002

このフレーズになると、「STEREO DELAY」はかなり効果が生きてきます。アタックがあると、「遅れてくる音」が気持ちよく感じられます。コーラスというよりは「ステレオのダブリング」感が強く出ます。

ところが同じ条件でも、「Ensemble」は音が引っ込み過ぎてしまいます。ステレオとして、迫力がありません。アタックが前に出てこないんですね。

その点「StereoCho」は、万能選手です。「STEREO DELAY」ほどではありませんが、そこそこ元気があります。

ではまた「別のフレーズ」にしてみましょう。

 

SOUND 003

今度は「STEREO DELAY」だと、うるさいですね。アタックが多すぎます。カツカツいう音が、耳障りになります。せっかく広げているのに、あまり意味がありません。

逆に「Ensemble」は、中間部のレゾナンスの音が、広がりを感じます。倍音がふくよかに聞こえます。強く弾いた時と弱く弾いたときのニュアンスが出しやすいですね。

ところが万能選手である「StereoCho」が今度は、薄っぺらく聞こえます。「Ensemble」を聞いた後だと、余計にそう感じます。もう少し、ふくらみが欲しいですよね。スッキリしているというよりは、物足りないカンジがします。

 

せっかくですので、歪みも使って見ましょう。「Chorus」を外して、いつもの「OverDrive」を、Gain 60・Tone 60・Level 70で控えめに掛けます。アウトプットの関係で、3つのステレオのLevelを70に落としています。

SOUND 004

「STEREO DELAY」のダブリング効果は、こういった音には生きてきますよね。アタックもあり、それなりのロック・サウンドになります。

「Ensemble」は、まったくダメですね。中間部のレゾナンスの音がウニョウニョうるさく、迫力もありません。音がまったく前に出てこなくなります。

「StereoCho」は、「目立たないバッキング・サウンド」としては合格です。ボーカルとぶつからなければ、歌中を埋めるのは良いですね。厚くなりすぎないので、POPS系向きっていうところですかね。

 

このように「まったく同じステレオ・セッティング」でも、「弾くフレーズ」によってまったく感じ方が変わります。「曲調」「フレーズ」「スピード」−いろいろ要素が絡まって、それぞれに良し悪しが出てきます。単純にマルチらしいモジュレーション×2台の使い方なんですが、場合によっては1曲のなかでも切り替えたほうが良い場合も出てきます。歌中とサビ、あるいは大サビなど、良く似たサウンドでもその効果が異なります。この状態ではまだ、リバーブの調整もしていません。リバーブなら「種類」「深さ」「音色」−それを変えるだけで、かなり印象が変わります。またフレーズによっては、ディレイを交えたほうが効果的な場合もあります。リバーブよりも、ディレイが似合うフレーズもありますから。

 

これらの効果は、知らなければスルーしてしまうものです。またこれらの効果が無かったとしても、曲は成り立ちます。でも私にとっては「表現方法」です。油絵・水彩画・水墨画−同じものを描いても、自分の納得のいくタッチを表現するものです。コレらが無くても、ギターは弾けます。コレらが無くても、聞いてる人は気が付かないかもしれません。いや、あっても気が付かないかもしれません。でもコレは「演奏する側からの表現」です。およそ考えうるパターンを、私は記憶しています。「ココには、この音を鳴らしたい!」。私の「ギタリストとしての欲求」です。なので・・・私は「マルチ」なんです(^O^)/

 

せっかくですのでもう少し、「微妙なところ」を攻めて見たいと思います(笑)。たとえあなたが使わなくても(爆)、覚えておいて損にはならないと思います。

 

今度は後ろの3台は変えずに、基本セットにある「Chorus」を別のものに置き換えます。「STEREO DELAY」「Ensemble」「StereoCho」は同じで、「Phaser」を入れました。Rate 6・Color 8 STG・Level 80で、「夏サウンド」ですかね(笑)

SOUND 005

これだと「STEREO DELAY」「Ensemble」「StereoCho」、いずれも「使えるサウンド」になっていますね。「フェイザーらしさ」が前面に出てくると、3つのステレオは「好み」になってきます。キーボードの有る無しや、歌によってどれか・・・っていうカンジですね。

SOUND 006

フェイザーがあるなら、フランジャーもあって然るべき(笑)。「VinFLNGR」です。

Depth 50・Rate 10・Reso 5・PreD 4・Mix 65・Level 100。かなり軽く掛けています。「Ensemble」が一番、絶妙に掛かってます。深いフランジャーは「使うところ」を選びますが、このぐらいならフェイザーより軽く、使える範囲はかなり広くなります。フレーズによってフェイザー・フランジャーを使い分けるべきでしょうね。

SOUND 007

最後は基本セットをコーラスに戻して「Comp」−コンプレッサーを使ったサウンドです。「夏−高中サウンド」ですかね(笑)。これはモノラルも含めて、4つとも「使えるサウンド」です。完全に「好み」でしょう。どれも「それなり」にフレーズとマッチしたサウンド。これは・・・迷いますね(笑)

 

というように(笑)、サウンドが変化します。これ、コンパクトでは・・・ツライですよね。「マルチならでは」の組み合わせです。今はあくまでも「G5を使って」ですがGP−16を使う、あるいはG2を使うとなれば、また別なアプローチもあります。今あるようなマルチなら、ほとんどできます。

また「ハムのギターを使う」「他のPUでやる」。あるいは「アンシミュを変える」などの大ワザもあります(笑)。そしてまだまだ、他のエフェクターもあります。トレモロ・ビブラート・ユニバイブ・・・。バリエーションは数限りなくあります。どんな絵の具を使うのかは、あなた次第です。G5の中には「鉛筆」から「ペンキ」まで、なんでも揃っています。すべては「どんな絵を描きたいのか?」によります。

 

「自分の好きなサウンド」

 

自分でみつけて下さい(^O^)/

inserted by FC2 system