ZG 25

EQでいーくー?!(*^_^*)


■ギターの音とイコライザー

なんかみんな「イコライザー」(以下EQ)を、「ブースター」だと思ってるようなので・・・(笑)
ギターの音をそのまま増幅するなら「フルレンジ・ブースター」というものがあります。私の機材だと、BOSSのボリューム・ペダルに付いているのがこの「フルレンジ・ブースター」です。音色をまったく変えることなく、ギターの信号を増幅します。もうひとつ、2ポイントのブースターも持っています。

G5には6BANDの「グラフィック・イコライザー」(以下グライコ)と、2BANDの「パラメタリック・イコライザー」(以下パライコ)が搭載されています。イジれば音が変わるので、なんとなく使うことも出来ますが・・・。どうせならDAWで使用することも含めて、この際、EQの原理を覚えてしまいましょう(笑)。いろいろなHPで「解説」はあるんですが、うまいこと「画像」で見せてくれるところがありません。なので解説は他のHPにお任せして(笑)、判りやすいように画像を並べておきます。

  

ギターのEQで最も皆が目にするのが「6BAND」ですね。まあぶっちゃけ「6本の弦に対応した」と思えばわかりやすいです。今は7弦使用もにらんで、7BANDが多くなってきました。その次ぐらいに「10BAND」。アンプは「トレブル」「ミドル」「ベース」。この3BANDのものが多く、これに「プレゼンス」が付いて4BANDです。私のYAMAHAのアンプは、「トレブル」「ベース」の2BANDだけ(笑)。
極端な話、これでも充分なんです。EQが流行り出したのは、フュージョン全盛期の頃。それまでは単体でEQを使っていたなんて、スタジオ系の人達だけでした。それがいつのまにか「ブースター」になってます。別にブースターとして使うのも「あり」です。でもそれだけじゃEQがかわいそうです(笑)。ブースターは、本来の使い方ではありませんし。

  

みんながEQじゃないと思ってEQしているモノが2つ。「ドンシャリ」と「ワウの半止め」です。「ドンシャリ」は、ミドルを削るモノ。「ワウの半止め」は、特定の周波数の固定です。でも・・・何をどうしてるか、知らないですよね?(笑)。「アンプ・シミュレーター」が「EQ」なのは、前からお話してますよね。アンプの持つ独特の周波数を強調したものです。でもほとんどの人は、「感覚的」にイジってるだけですよね。スタジオに入ってレコーディングしだすと、「どこをイジると、何が変わる」ってわかるようになります。それこそ「卓」でイジるだけで、かなり音を変えられます。通常は、補正程度ですが。では、どこを補正するといいのか?は、なかなかギタリストは知りません。まあ「良いギター」と「良いアンプ」があれば、「良い音」は出せます。でもそれをマイクを通して卓を通すと、補正が必要になることがあります。その部分を学ぶのに適当なのが、今回紹介するVST。「15バンドEQ」です。

これの名前は「Uncut Plugins - 15 Band 2/3 Octave Master EQ」です。ココにあります。これを使うことが目的ではありません。ただ単に「見やすい」「イジりやすい」というのが理由です。もっと細かく分かれてるEQもあります。それだと多くなり過ぎ(笑)。(DLすると、大きくして見ることができます)

かといってパライコでは、固定BANDになっていません。だからその前におおまかに・・・
 
自分のギターの音の、ドコをイジると何が変わるのか?
 
に、トライしましょう。おおまかにでも「この辺をイジると、こうなる。」っていうのを知らないと、EQは絶対に使えません。そしてDTMをするなら、「ドラム」「ベース」「ボーカル」「キーボード」。これの一般的な周波数を知らないと、音を整えることができません。ボーカルは「男性」「女性」で違いますし、キーボードは、ピアノとオルガンではまったく違います。DTMでこれらの音を一斉に出すと、「ボーカルが聞えない」なんていう経験はありませんか?。それはボーカルと何らかの楽器の「周波数が被っている状態」です。同じ帯域に音があると「音がぶつかる」状態になります。なのでマズは・・・
 
ギターで「EQ」に慣れましょう。ブーストするだけがEQの役目ではありません。レコーディングにおいては「カットする」ほうが多かったりします。前記の「ボーカルの問題」も、ボーカルをあげるのではなく、「他の楽器をカットする」ほうが普通です。ボリュームを下げるのではなく、「特定の周波数」をカットするほうが良い結果が出やすいです。
このEQの「どこがどういう音?」っていうのはネットにもよく書いてあるんですが、実際に目で見たほうがわかりやすいです。なのでCubaseのEQを使って説明します。今日使うのは、新たらしいほうのCubaseのEQです。使いにくいけど、見やすいです(笑)。私はコッチの旧型に慣れているので・・・(^_^;)


 
まず根本的にEQは、「シェルビング」と「ピーキング」というタイプに分かれます。
 
シェルビング=その周波数を中心に、回りも動く
 
ピーキング=特定の周波数だけ動かす
 
名前は覚える必要はありません。ギタリストが使うほとんどが「シェルビング」タイプです。これがいわゆる「グライコ」になります。アンプのトーンも、エフェクターの6BANDEQもみんなこのタイプです。例えば・・・

  

2BAND=「ベース」「トレブル」
3BAND=「ベース」「ミドル」「トレブル」
4BAND=「ベース」「ミドル」「トレブル」「プレゼンス」

 

この「BAND」が「ポイント数」です。何ポイントイジれるかで「○BAND」と呼びます。原理は同じなので、2つのポイントで説明します。まず次の画像は、2ポイントを少し上げました。200Hzと2KHzが持ち上がっています。ところがこれをずっと上げていくと・・・

この図のように、2ポイント動かすと、その表記された周波数の「周り」も一緒に上がってきます。動かせば動かすほど、結果的にはトータルに全体が上がってきます。隣り合ってる同士でクロスフェドして、その間も上がってくるようになります。まあ間だけではなく、その周辺全部が持ち上がってくる、って言ったほうが正しいですね。
それにひきかえパラメタリックEQ=「ピーキング」は、ピンポイントで上げ下げできます。

隣り合ってる同士が重なってもいませんし、干渉もしません。かなり近いところに置いても、ピンポイントで操作できます。

そしてこの「山の幅」を変えられるのも、パライコの特徴です。パライコはシェルビングと同じようなこともできますし、まったく違う動きもできます。

  

通常パライコは、そんなにBAND数が多くありません。3〜4つあるのが普通。パライコで10BANDなんていうのは、よほどの専用機じゃないとありません。まあCubaseもG5も、やろうと思えばできますが(笑)。ギター用に売っているコンパクトのパライコは1BANDが多いです。2BAND・4BANDになると、値段が上がります。

 
例えばパライコは、こんなこともできます。いわゆる「バンドパス」です。

「ハイパス・フィルター」とか「ローパス・フィルター」って聞いたことあります?シンセなどでよく使うんですが。
 
「ハイパス」 : 「ハイをパスする」=「ローを削る」
 
「ローパス」 : 「ローをパスする」=「ハイを削る」
 
これも一種のEQです。ツマミをいぢることによって、削る場所を動かします。6BANDでもできますが、スライダーに割り振られたところでしかできません。「必要なところ」でやることが大事なんです。「バンドパス・フィルター」は、特定のところだけだします。そして削ることができれば、出すこともできます。

このバンドパス。極端な例ですが、ミッドを削れば「ドンシャリ」になります。「ギター」「ベース」「全体の演奏」によって、「ミッド」の位置は変わりますけど。こんなありえない曲線も書けます。

特定の周波数を、ピンポイントで削ったり出したりすることも出来ます。

ウマくハマると、ボーカルを消したり出したり、ギターを消したり出したりすることもできます。

微調整には、こういう緩やかな曲線を描きます。

オマケに・・・クジラさん(爆)

  

じゃあ、パライコがあればなんでもできる、と思いきや・・・(笑)。

例えば「ラジオ・ボイス」などは、6BAND・10BANDの得意ワザです。パライコではできません。いわゆる「フェイズ・サウンド」が作れます。各スライダーを互い違いにセットします。

  

「全体の音場の緩やかな補正」などには、31BANDなどがむいています。少量の補正でなだらかなカーブを描くのは、パライコは得意ではありません。この2種類のEQで、「ギター」を補正あるいは調整できればいいわけです。一般的にどこをイジればいいのか?。あるいは自分の好みの周波数帯はどこなのか?。それがわかると、「ギターの音」をイジれることになります。
  
たとえばクイーンのブライアン・メイ。ボストンのトム・シュルツ。B'zの松本さん。フェイズさせた音を使って「音の出し入れ」をします。フェイズさせると位相が狂うんですが、音が引っ込んだり出てきたりします。それをウマく使って、「音の壁」を作ります。デカイ音なのに音が引っ込んで聞こえたり、小さい音なのに埋もれずに出てきたり。かなり神経を使うサウンドですが、特徴的なのは確かです。
シングル・コイル・フリークにEQマニアが多いのも確かです。もともとある種フェイズした「ハーフトーン」を普通に使います。それをEQを使って、変幻自在に変化させます。今でもサイド・ギター−カッティングなどをラインで録る人が多いのもそのためです。アンシミュを使わず、ラインで送ってEQで調整します。アルペジオなども、コチラの方がキレイだったりします。シングルコイルとハムでは、EQの仕方が変わります。また、共通部分もあります。歪ませた音とノーマル音でも変わります。

音や原理の説明は、こちらのHPを見てください(笑)。音見本もありますし(爆) 他力本願です(*^_^*)

  

ギター用語 マメ知識

DTM初心者集まれ!

ギターにハマる!

BOSS EFECTORS

  

これらのHPを読みながらこのページの図を見ていれば、何を言ってるかがわかると思います。

こちらが一般にギター用として売られているモノ。

6BAND・7BANDなんですが、ギター用には「800Hz」というポイントがあります。上の15BANDには「無いポイント」です。これ、MXRの10BANDにも無いポイントなんです。400Hz・200Hz・100Hzも「ギター専用」にしかないポイントです。

その代わり、「整数倍の周波数」−1・2・3・4KHz・・・などが存在します。

同じ「ギター用」でも、周波数の異なるものが存在します。

スライダーの無い電子式で、1つのインジケーターが2つの周波数を担当しています。またプリセットも出来ます。

上の15BANDの更に上も、VSTにはあります。31BANDになります。

これもまた、設定されている周波数が違いますね。グライコはその機種によって、あるいは目的によって、設定されている周波数が違うんです。そのかわり、広い範囲にわたって、緩やかな補正ができます。オーディオ・マニアさんは、「部屋鳴り」の補正をしたりします。オーケストラのシンバルや、バイオリンの倍音−超高音は10KHzや20KHzをいじると変わります。そこはロックやポップスでもイジることがあります。そのための「専用VST」もあります。

マウスでなぞると、曲線を描けるEQです。

こういった「補正」をする場合、耳だけに頼らず、実音を測定してみて参考にする場合もあります。

通称「スペアナ」−「スペクトラム・アナライザー」と呼ばれるもの。実際に出ている音を、瞬時に表示してくれます。「今」この周波数の音が出ているという表示です。上のスペアナは20KHzの高音部分まで表示してくれます。逆に下のほうは、中・低音部分の測定が得意です。「ピーク・ホールド機能」を使うと、その周波数の最高値を表示してくれます。これを見ると、どこが出ていてどこが無いのか、すぐわかります。

  

こういったモノをセットして(笑)、自分のギターをイジってみて下さい。一旦録音してからのほうが、面白いです。「弾きながら」よりも、集中できます。オケもあると、周りとの兼ね合いがわかるようになります。15本のスライダーを1本1本動かしてみて、「どう変わるのか?」。やる時はプラス側だけじゃなくて、マイナス側にも振って下さい。

 

そこの周波数が無いと、どう聞こえるのか?

 

これも大事です。そうやって「使い方」を覚えて下さい。そして・・・

 

使わなくていいところまで使っているのを、やめて下さい(笑)

 

はっきり言って、EQでギターをブーストしはじめると、止まらなくなります。いわゆるドーピングと同じです(爆)。無くてもいいのに、やめられなくなります。「抜けのいい音」を作るのに、EQは必需品と勘違いしやすいです。本来、そういう部分は、ギターやアンプ。あるいは弾き方で作る部分です。ところがある周波数を持ち上げて「気持ちいい〜!!(笑)」を経験してしまうと、それを必需品と勘違いしてしまいます。もしほんとにその周波数が無いのなら、そのギターはあんまり良くないものなんです。自分のギターに「気持ちいい周波数が無い」(笑)。

そんなの、イヤじゃない?(爆)

 

ギターの音をスペアナを通すと、ちゃんと全帯域があることがわかります。それが多かったり少なかったりするのは、他の部分−他のエフェクターで削られてたり、アンプやスピーカーが悪かったりするんです。そういった部分を、「EQの使い方」を覚えながら学んで下さい。

EQは、「補正」も出来ます。「音作り」もできます。でも本来は「無くてもいいもの」だったハズなんです。明確な目的を持って使えば、それこそ「魔法のエフェクター」です(笑)。でも一歩間違うと、やめられないドーピングになります。本人は「良い」と思っていても、周りから見ると・・・になります(爆)。

EQは、コンプ・リバーブと並んで、使い方が難しいです。使い方が判らないなら、使わないほうが良い結果になりやすいです。あっというまに「不自然な音」になります。でも使い方が判ると、音を10倍も100倍もグレードアップしてくれます。でも「諸刃の刃」であることを、キモに命じておいて下さい。

とにかく、使ってみないことには何もわかりません。どの楽器の、どの周波数がどんな音なのか?。上の15BANDをイジれば、だいたいわかります。それが判らないと、パライコも有効には使えません。時間は掛かりますが・・・

 

それだけの能力はあるエフェクターです(^O^)/

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