ZG 27


Randy's Report


Randyさんから、メールを頂きました。MS-50Gをお買い上げ(笑)

やはりユーザー目線で見ると、いろいろ「問題」がありそうです(爆)。しかもRandyさんの場合、即実戦に投入したいワケです。自分のシステムの中で「MS-50Gを、こう使いたい!」という、明確なビジョンがあるわけです。なので、そこらへんのレポートとはちょっと違います(笑)。でさっそく、無許可で全文掲載(笑)。ツッコミを入れながら話を進めたいと思います(爆)。なかなか長文で頂いたので、じっくり話を進めたいと思います。

 

Randy伊藤です。昨日ZoomのMS-50Gを買いましたが、HPで記事にされているのを拝見してメールいたしました。
  
自分の購入目的は、現在使っているG2Nuから残響系を切り離し、ボリュームペダルの後ろに移動したいと思ったからです。
G2Nuはコンプ、オーバードライブ、トレモロ、フェイザー、コーラスなどのコンパクトエフェクターの集合体として使い、ボリュームペダルの後ろにアンプシミュレータ+ディレイやリバーブといった残響系としてMS-50Gを使おうという目論見です。システムに組み込むのはまだこれからですが、とりあえず触ってみた感想を報告しますね。

 
1.ヘッドホン端子が無い(モノか左右独立のステレオのみ)のが不便。
 

2.電源は単3電池2本、9Vアダプタ、USBバスパワーのどれでもOK。電源の種類によるノイズの差は感じません。
  

3.フットスイッチ以外のスイッチやツマミ類は小さいので、ライブ中の操作は困難。

4.ライブ中に特定のエフェクトをON/OFFするモードにするとパッチ切り替えができないし、切り替えるエフェクトを選ぶ操作は足ではできません。
 

5.パッチのエディット操作はちょっと大変、全然分からないって程ではないですが、少ないボタン・ツマミに詰め込みすぎの感が…。 ここはEdit&Shareが欲しいです。G2NuではPCにバックアップが取れるぐらいと思ってましたが、MS-50Gでは喉から手が出るほど欲しいですね。
 

6.Zoomから最新のEdit&Shareをダウンロードして、アップデートしてみましたが、50Gは全く認識されませんでした。
 

7.ちなみにMS-50Gは単に「USB Composite Device」として認識されます。
 

8.パッチは全部で50個作れるけど、フットスイッチ一発で切り替えられるのはA〜Zのアルファベットをふった分だけ、つまり26個まで。
 

9.フットスイッチによるパッチ切り替えは、アルファベット昇順のみ。つまりパッチを20個登録した場合、一つ前のパッチに戻るには、19回踏まないといけない。 (頻繁に戻る基本のパッチを数個おきに配置すれば対策は可能だが、使えるパッチ数は当然減る)
 

10.同一のパッチにアンシミュとHD Hallリバーブを入れるとエフェクト同時使用数が3個(つまりあと一個)に制限されます。 その「あと一個」にアンシミュとHD Hallは選べません。
 

11.ノイズはまぁまぁ少ないです。コンプのスレッショルドやODやアンプのGAINをガバッと上げなければZNRは不要でしょう。G2Nuよりは確実にローノイズです。
 

12.この価格・サイズで揺れ系やディレイのタップテンポができるのは凄い、でもタップテンポとチューナーが排他選択なのはNGD。どっちもライブでは重要ですよね。

 

ファーストインプレッションはこんなところでしょうか。
  

きましたね、しょっぱなから(笑)

「1」−これに関して、取説に記述がないんで、もしやと思っていたんですが、かなり重要な部分です。

 

MS-50Gは「オーディオ・インターフェイス」にはならない!!

 

です。ヘッドフォンでモニターすることができない=宅録で使うなら、別途オーディオ・インターフェイスが必要、ってことです。

これは「MS-50G」という存在の「立ち位置」に関する大きな問題です。けして「G5/G3」の代わりにはなりません。

つまり、あくまでも・・・

 

「新世代 コンパクト・エフェクター」

 

です。「7」も共通話題ですね。USBディバイスではありますが、まだそれ以上でもそれ以下でもありません。

でも「2」でわかるように、USBバスパワーでは動きます。これはこれで便利ですよね。

 

「3」「4」「5」「8」「9」でわかると思うんですが、「MS-50G」は「コンパクトの進化形」です。マルチのダウンサイジングではありません。多機能になったコンパクト、っていう考え方のほうがいいでしょう。

多くの人が「G3の代替品」と見ることでしょう。ところがそうすると、あっという間に行き詰ります。ライブ中のリアルタイム操作は、かなり難しそうです。それもあって「LineSel」があるんだと思いますが・・・。A〜Zでパッチを切り替えると、個別の操作はできません。逆に個別に操作しようとすると、パッチの切り替えができません。「LineSel」でON・OFFしようと思ったら、その曲ではパッチは切り替えられません。G5/G3のような操作は、まずムリと考えたほうがいいです。

また「A〜Zに割り当て」は、こういうことなんですね。現実的な切り替えを考えたら5個。A〜Eぐらいでやめておいたほうが、懸命だと思われます。「G2シリーズ」のようにUP・DOWNできれば、なんとかなりますが・・・。

これは「12」も関わります。チューナーとタップテンポ。Randyさんのように、その場で何にでも対応しなければいけない人にとって、タップテンポは重要です。でもだからと言って、チューナーを別途というのも・・・ですよね。

「ノイズ」が少ないのは、G5でもお話しました。ZOOMは、確実にロー・ノイズ化に成功しています。まあ。ZNRがある、っていうだけで心強いですけど。

それとDSP能力はしょうがないです。「アンシミュ+HD Hallリバーブ」は、一番パワーを喰う組み合わせ。何をどう組み合わせるかは、その人によります。腕の見せ所でもあります(笑)。G5の「2in1」があってもいいような気がします。

 

音は全体的にG2Nuよりワンランク以上アップしていると感じました。
ローノイズなためコーラス、フランジャーのクリアさやディレイ・リバーブの残響の自然さが際立って聴こえます。
またアンシミュがとてもリアルで、これに比べたらG2Nuのアンシミュは「それっぽい音がするOD」レベルです。
ギターのボリュームに沿ってクランチーになっていく感じやトーンの効き具合、キャビネットによる音の変化のリアルさなどには舌を巻きます。
アンプはFENDER系の明るい音、VOXのベチャッとした感じ、GAINをあまり上げないMarshallのクランチが気に入りました。
キャビネットはBassmanの10'×4の締まった低音がテレキャス向きでいいですね。
  

これは「テレキャス遣い」の、素直な感想だと思います。変態的な使い方(笑)をしない限り、G5/G3/50Gは大変有能なエフェクターです。カントリー→ビートルズ→ロカビリーと曲が変わっていく時に、根本的に「アンプの音」を変えられるのは大変便利だし、楽しくなります。一挙に、ハイゲインにも持って行けますし(爆)。だいたい「皆が気に入るもの」は同じ、っていうことです。それ以上は、腕次第(爆)

 

総合的にはちょっと微妙な感じでしょうか。
価格は安いし、音はイイし、コンパクトさもイイんですが、操作性が機能にまるで追い付いていません。せめてG2Nuのようにフットスイッチ2個は欲しかった。音やエフェクトの種類、スペックでは完全にG2Nuを超えているだけに操作性の悪さが残念です。
いっそのことフットスイッチや金属製のケースを排して、譜面台のようなスタンドに置いたり、ストラップに括り付けるなど、手で操作するスタイルを模索してくれれば面白かったのに、と思います。
完全にセットリストが決まっているライブなら、使う音を順に並べるという事も可能ですが、私の場合はそうもいきません。普段のライブでもG2Nuで20個程度のパッチの切り替えはしますからねぇ。19回もスイッチを踏むのは勘弁して欲しいです。
CDRに機能を絞った版なら、基本のリバーブにディレイの有無やコーラスの有無程度でパッチ数が少なくてもライブなら有効に使えそうな気がしますし、Bluetooth版なら操作性の悪さを解消できるのかもしれません。そういった意味ではCDR版やBT版を待ったほうが良いでしょう。
価格が安いと言っても2個買ったらG3より高くなります。ベース版を除いた3種類を全部買ったら、G5が買えますね…だったらG3/G5を買ったほうがいいでしょう。このシリーズだとヘッドホンが使えませんし、USBオーディオインターフェイスにもなれません。
  
なまじマルチで、かつ価格以上の多彩さと音の良さがあるだけに、ちょうどいいはめ込み方が難しいですね。
単機能で使うにはもったいないし、欲張ってマルチで使うには操作がダメ。まさに帯に短し襷に長し…といったところでしょうか。
柔軟性が失われた私の脳細胞では、いい落としどころが見つけられませんので、とりあえず当初の予定通りに使ってみるつもりです。ライブで使ってみての感想などは、また改めてメールしたいと思います。
  

>ちょうどいいはめ込み方が難しい

  

今回、この50Gに関しては、この言葉がすべてを物語っていると思います。実は・・・私もまだ「ウマイ使い方」を考えられないでいます。

 

「G5/G3にはできないこと」

 

「G5/G3と置き換えられること」

 

この2点に関しては、決定打がまだ見えません。私が買ったとして、何をどうするか・・・。50Gと何かを併用するのであるば、G5/G3を買ったほうがいいわけです。「併用する何かを買う」というのでは、本末転倒。でも、これ1個では、全ての代用はできません。

一番良さそうなのは、「コンパクトを並べてるユーザーの次の1個」です。G5/G3のユーザーは、必要無いかもしれません。少なくても3種類揃うまでは「待て!」です。でもコンパクトを並べてるユーザーが使うにしても、ライン・セレクターが無いと、辛いかもしれません。でないと「常時ON」になってしまいます。「何も入ってないパッチ」は常套手段ですが、パッチの切り替えを考えると、これも辛くなりそうです。なので・・・

 

Randyさんのような方は、

 

「フェンダー系のアンシミュ」「フェンダー系のアンシミュ+何らかのエフェクター×2パッチ」

  

「VOX系のアンシミュ」「VOX系のアンシミュ+何らかのエフェクター×2パッチ」

  

「マーシャル系のアンシミュ」「マーシャル系のアンシミュ+何らかのエフェクター×2パッチ」

 

のように9コのパッチを作って、主要部分はG2に任せる、みたいな使い方が有効かと思います。これの大前提は・・・

 

「1曲通して使う」

  

っていうことです。曲中では、踏み変えないことが原則になります。カントリー系の曲なら「A」「B」「C」のどれか。ビートルズ・オールディーズなら「E」「F」「G」のどれか。ロカビリーなら「I」「J」「K」のどれか。そして「D」「H」「L」は、ブランクのパッチ。これで12パッチで12回踏むなら、G2シリーズでもありえそうな回数です。曲中でないのなら、許容範囲だと思われます。そして・・・

 

このシリーズを複数個買うつもりなら・・・まずG5/G3を検討すべきでしょう。1個8000円だとしても、2個でG3。3個でG5が買えます。ライブで使用するなら、じっくり考えないと、キライになりそう(笑)。

 

でも「宅録できる環境にある人」は、とてもいい選択かもしれません。オーディオ・インターフェイスを所有していて、「次の1個」が欲しい人。それならG5/G3を買わなくても、充分楽しめます。とりあえずの「おいしいところ」は体験できますし、使うことができます。特に「Edit&Share」が体験できたら、ベストな選択といえるでしょう。後にG5/G3を買ったとしても、「とりあえず自宅に50G」があれば、それなりのことができます。

 

誰が一番最初に、ウマい使い方を見つけるか?(笑)

 

焦点はここですね。なにかツボを押さえる、画期的な使い方がありそうなんですが・・・(爆)

 

Randyさん、ありがとうございました。「待て!」に確信が持てました(笑)

 

みんなでいろいろ考えましょう。そうすれば「ストア・ボタン」の時のように、ZOOM社が動いてくれるかもしれません。「何をフット・スイッチに割り当てるのが、一番有効に使えるのか?」。これが最大の焦点ですね。「どれかツマミを1個押す→フット・スイッチを踏む」。この動作までなら、ライブでも可能です。その時に一番効率よく使えるのは何か?ですよね。たぶん50Gは・・・

爆発的に売れて、爆発的に中古が出回ると思われます(笑)。100%、初心者はムリなような気がします。すでに某知恵袋では(笑)、「G3で○○さんの音は・・・」「G3はどうやって使う・・・」みたいな質問が出ています。答えの多くが「プリセットを・・・」なんですが(爆)。プリセットにはB’zの音もX Japanの音もありません(爆)。その他、日本のバンドの音も、無いですよね。それをどうやって、初心者に捜せ!っていうんでしょう?(笑)。ましてや、ここに50Gが加わったら・・・(^O^)/

 

とりあえず・・・

50CDRと100BTを待ちましょう(笑)

すべては、それからでも遅くはありません。

 

 

 

inserted by FC2 system